12日(土)に行われた将棋日本シリーズJT杯準々決勝で、豊島竜王が藤井聡太二冠を破り、準決勝へ進みました。藤井聡太二冠は公式戦の勝率8割を超す活躍ぶりですが、こと豊島竜王に対しては、これで5戦全敗となりました。
この将棋日本シリーズは、持ち時間10分ずつの早指し戦で、後手番の豊島竜王が、以前戦ったことがある戦型へ誘導して、そのまま自分のペースを守り切り、接戦をモノにいたしました。先週、このブログでも書きましたが、豊島竜王は藤井聡太二冠に対して、絶対に相手のペースにさせないように、柔道で言えば「引き手」を十分に持たせないように戦って、ここまで5連勝を飾っています。
この背景には、豊島竜王が藤井聡太二冠の棋譜を徹底的に分析・研究していることがあると思います。次代の将棋界で生きていくためには、この天才棋士との闘いがキーになることを、豊島竜王は一番に感じているのでしょう。
逆に、豊島竜王がタイトル防衛戦で勝てないのは、藤井聡太対策に注力し過ぎているからなのでは‥と揶揄する人もいるくらい。確かに、藤井聡太への意識は、半端ないレベルなのだと思います。
ところで、藤井聡太二冠としては、どう考えているのでしょうか? 豊島竜王への苦手意識が強くなっているのでしょうか? このあたり、秋の王将戦リーグが注目です。早指しではなく、言い訳の効かない舞台で、豊島竜王への完璧なリベンジを誓っている気がします。