安倍長期政権を支えた菅氏が日本の新たな総理大臣へ就任されます。暫くは、安定政権の継続が見えてきたので、金融界や運用機関からは、安堵の声が聞こえてきます。
菅新総理は、実務派タイプの方で、官房長官時代の記者会見でも、誤解されるような微妙な表現は避けて、なるべく端的に、明確に、意志が伝わる発言をされていました。したがって、時々は、東京新聞の望月記者とのやりとりのように、平行線の議論も多かった。
安倍さんや小泉さんは、平行線になりやすい質問には、「自分はそうは思わない」と議論を切って、次の質問へいったり、また返答に難しい場合には、「理念」だけを述べて、お茶を濁す巧さ、老獪さをお持ちでした。
菅さんは、感情的になったりしないので、記者会見は基本的にお上手な方ではありますが、国のトップになると、発言の一部だけを切り取って報道されることもあるので、もう少し、発言内容については慎重になった方が良ろしいかと思います。消費税に関する発言や、国防整備関係・対中国関係の発言など、「表現が不適切・不穏当」な部分だけを切り取られるリスクは常に存在いたします。
就任後、１か月くらいはマスコミも大目に見ますが、そのあとは好き勝手です。総選挙に入る直前だったりすると、それだけで致命傷になりかねませんから。ちなみに、麻生総理の時には、総理・閣僚の失言問題が溢れかえったことがきっかけとなり、政権交代まで突き進んでしまいました。ぜひ、ご注意下さいませ。
