金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【藤井聡太八冠を追撃する一番手】 伊藤匠七段が叡王戦挑戦者に決定!

2024-03-26 00:54:11 | 将棋

 

 3月19日(火)に行われた将棋の第9期叡王戦の挑戦者決定戦は、伊藤匠七段が永瀬拓矢九段を142手で破り、初の叡王位への挑戦権を獲得いたしました。

 

 

 これで伊藤匠七段は、昨年秋の竜王戦、今年の棋王戦に続いて、立て続けに藤井聡太八冠へのタイトル挑戦を決めたことになり、今の将棋界の中で最も藤井聡太八冠を脅かす勢いのある棋士であることを証明したと思います。

 もちろん本人にしてみれば、先の竜王戦七番勝負では藤井聡太竜王に0勝4敗、また棋王戦でも藤井聡太棋王に0勝3敗1持将棋と、完膚なきまで叩かれてしまっていますから、次の叡王戦も厳しい闘いとなることは必至。しかし、将棋の内容を見れば、序盤から中盤にかけてはほぼ互角に指していて、終盤でのちょっとした隙をつかれて負けているだけであり、徐々にその差を詰めていることは明らか。

 その証拠に、藤井聡太八冠以外の対局では、A級棋士や過去のタイトルホルダーを圧倒するケースもしばしば見られます。

 さらに言えば、先日のNHK杯トーナメント決勝で見られたとおり、ほぼ勝勢であった藤井聡太八冠が、30秒将棋の中で終盤に犯したミスをきっかけに佐々木勇気八段に逆転負けしたように、藤井聡太八冠と、それを追撃するプロ棋士の間の差が少しづつ詰まっている状況が伺えます。

 

 伊藤匠七段には、ぜひ叡王戦でも「真っ向勝負」を心がけてほしいと思います。奇をてらった将棋を指せば幸運な「1勝」を得ることはあり得ますが、それでは長い目で見て意味がありません。藤井聡太1強時代を崩すためには「真っ向勝負」での勝ちにこそ意義があるのです。

 その昔、大相撲で、圧倒的なパワーで君臨していた横綱 曙に対して、同期のライバルだった貴乃花は、幕内時代も大関時代も、立ち合いで「かわる」ような逃げを絶対に選択せず、そのたびに立ち合いと同時に「瞬殺」されておりました。観戦している観客からもさすがに「声援」が出ずに「ため息」だけが漏れるような完敗を繰り返すだけでありました。それでも、曙が休場中に大関で連続全勝優勝を果たして横綱に上がってからは、曙とも真っ向勝負の四つ相撲が取れるようになり、そのうちに相手を圧倒できる大横綱へ昇っていったのです。

 

 藤井聡太八冠とは同じ年齢の伊藤匠七段。幼少期からのライバルでありながら、奨励会時代から藤井聡太八冠には少しづつ差をつけられてきてしまいましたが、昨年来、ようやく同じ土俵で闘う立場まで這い上がってきました。

 ここからが本当の闘いであります。まだまだ、これから何十年もしのぎを削る関係となる相手となるため、「瞬殺」されようが「圧倒」されようが、とにかく「真っ向勝負」でぶつかっていって欲しいと思います。

 伊藤匠七段、応援しております!

 

 


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