まずは2歳重賞、サウジアラビアRC。勝ったのは、ブリッグスアンドモルタル産駒ゴンバデカーブース。最後方待機で脚を溜めます。逃げたレーヴジーニアルの前半3ハロンのラップは34秒9とスローな流れに。直線に入ると、逃げ粘るレーヴジーニアルの横から、モーリス産駒シュトラウスとダイワメジャー産駒ボンドガールの2頭が並びかけてきます。残り200mのところで、さらに大外からゴンバデカーブースが一気に前を交わして、そのまま2馬身差で完勝。良の勝ちタイムは1分33秒5。2着にはボンドガール、クビ差の3着にはシュトラウス、さらに3/4馬身差の4着に、逃げたレーヴジーニアル。
勝ったゴンバデカーブースは、スローペースの流れのレースを、最後方から鮮やかに差し切って初重賞制覇。しかも、破った相手は、2歳牝馬戦線トップと2歳牡馬マイル路線トップの2頭。これで、ゴンバデカーブースが2歳マイル路線のトップに立ち、暮れの朝日杯FSの大本命に躍り出ました。それにしても、デビュー戦は逃げ切り勝利、今回は最後方からの差し切り勝ちと、レースの上手さも持ち合わせており、先々まで楽しみな馬が現れました。新種牡馬ブリッグスアンドモルタルは、初年度からスーパーホース候補を輩出しました。
2着のボンドガールも、今回は敗れたものの、引続き2歳牝馬路線のトップであることに変わりはありません。ただやはり、スピードを活かしたレース運びが向いており、前々から押し切る形に戻す方が良いと思います。3着シュトラウスも同じで、スピードを活かすレース振りを期待します。なお、4着レーヴジー二アルは、上位3頭に僅差ですから、この馬も地力を見せてくれました。
次は府中の毎日王冠。勝ったのは、ディープブリランテ産駒の3歳牡馬エルトンバローズ。4番手追走で脚を溜めます。逃げたウインカーネリアンの前半3ハロンラップは36秒0、1000mラップは59秒5で、かなりのスローペース。直線に入ると、エルトンバローズが残り200mのところで先頭に立ちます。馬場の中央からキズナ産駒ソングライン、1番外からキングマン産駒シュネルマイスターの2頭が襲い掛かりますが、ハナ差で凌ぎ切って勝利。良の勝ちタイムは1分45秒3。2着にソングライン、ハナ差の3着にはシュネルマイスター、アタマ差の4着にアドマイヤハダル。
勝ったエルトンバローズは、これで重賞2連勝。3歳で毎日王冠を制したのですから、次はGⅠ路線。おそらくマイルCSかと思いますが、この馬は2000mまで大丈夫。香港カップでも面白いと思います。
2着のキングラインは、好位に着けながら、4コーナーで後方に下がってしまったことから前が塞がってしまいました。これがなければ楽勝パターンだったはず。3着のシュネルマイスターも、直線で前が塞がってしまい、外へ出せたのは残り200mのところ。ラストだけの競馬になったのに、ハナ差ハナ差の3着は立派。この2頭ともに、本番に向けて良い試走になったと思います。
そして京都大賞典。勝ったのは、ディープインパクト産駒の4歳牡馬プラダリア。好スタートから3番手追走へ。逃げたアフリカンゴールドの前半1000mのラップは1分1秒6と、重馬場でもややスローな流れ。結果として残り800mからのロングスパート合戦の展開に。直線に入ると、逃げたアフリカンゴールドがそのまま押し切りを図りますが、キングカメハメハ産駒ボッケリーニとプラダリアがこれを追いかけ交わして、激しい叩き合いに。ゴール手前でプラダリアがクビ差だけ前に出て勝利。重馬場の勝ちタイムは2分25秒3。2着ボッケリーニから3/4馬身差の3着には、中団後方から追い込んできたキズナ産駒ディープボンド、クビ差の4着はヒンドゥタイムス、さらにクビ差の5着に逃げたアフリカンゴールド。
勝ったプラダリアは、青葉賞以来の重賞2勝目。青葉賞のあとは、GⅠGⅡ路線で今一歩の4着5着を繰り返していましたが、4歳秋になって重馬場の消耗戦を勝ち切る成長を示しました。ここからのGⅠ戦線で楽しみな存在になりました。
2着ボッケリーニは、得意の重馬場で地力を示した感じ。3着で1番人気のディープボンドは、前半からなかなか走る気を見せませんでしたが、ラストの差し脚はさすがと。ここを叩いて、次戦で本領発揮でしょう。香港ヴァーズか有馬記念あたりが面白いと思います。