まずは京都のチャレンジC。
勝ったのは、キタサンブラック産駒の4歳牝馬ラヴェル。中団待機で脚を溜めます。逃げたアウスヴァールの前半1000mのラップは58秒4と速い流れになります。4コーナー手前からセイウンハーデスが早め先頭に立ちますが、直線に入るとすぐに外からラヴェルがこれを交わして抜け出します。そのまま後続に1馬身3/4差をつけて完勝。良の勝ちタイムは1分58秒2。2着には、後方12番手から追い込んできたディープインパクト産駒ディープモンスター、3/4馬身差の3着には、最後方から追い込んだハットトリック産駒エアファンディタ、さらに3馬身差の4着が後方11番手から差してきたボルドグフーシュ。
勝ったラヴェルは、2歳時のアルテミスS以来の重賞2勝目。この時の2着が三冠牝馬リバティアイランドですから、前走のエリザベス女王杯2着と併せて、このチャレンジCの勝利で完全復活と言って良いでしょう。5歳になったラヴェルの活躍に期待いたしましょう。
2着ディープモンスター、3着エアファンディタ、4着ボルドグフーシュともに、後方からの追込み組ですから、レース展開は後方待機に向いた流れでした。その中でも、19カ月ぶりに4着に入ったボルドグフーシュは次走で完全復活の姿を見せそう。
次は中山のステイヤーズS。
勝ったのは、ディープインパクト産駒の6歳牡馬シュヴァリエローズ。好スタートから4番手追走へ。逃げたアイアンバローズの前半1000mのラップは1分4秒3、次の1000mのラップが1分4秒7とかなりのスローの流れに。4コーナー手前からシュヴァリエローズが早め先頭に立ち、直線に入ると後続との差を広げます。大外からトーセンジョーダン産駒シルプロンが猛然と迫りますが、これをハナ差抑えて勝利。良の勝ちタイムは3分46秒7。2着シルプロンから1馬身3/4差の3着には、5番手から内側を差してきたマンハッタンカフェ産駒ダンディズム、さらにアタマ差の4着が2番人気のゴールデンスナップ。
勝ったシュヴァリエローズは、これで京都大賞典に続いてGⅡを2連勝。6歳秋に長距離路線で本格化しました。切れ味はありませんが、長くしぶとくスピードを持続できますので、来年も、春はダイヤモンドSや目黒記念の本命候補になるでしょうし、秋は豪州のメルボルンCあたりを目指せるのではないでしょうか。ぜひ頑張ってほしいと思います。
2着シルプロンは、スローの瞬発力勝負になったことが好走理由だと思います。3着ダンディズム、4着ゴールデンスナップは、ステイヤーとして地力を見せてくれました。
そしてGⅠチャンピオンズC。
勝ったのは、レモンドロップキッド産駒の6歳牡馬レモンポップ。好スタートからマイペースの逃げへ。外からミトノオーが競り合う姿勢をみせますが、すぐにこれを制してマイペースへ。前半1000mのラップは1分0秒8とレモンポップとしては平均ペースに。直線に入ると、レモンポップがスピードを加速、2番手以下を突き放します。残り200mのところで大外からウシュバテソーロが猛然と追い込んできて迫りますが、これをハナ差抑えて勝利。ダート良の勝ちタイムは1分50秒1。2着ウシュバテソーロから1馬身1/2差の3着には、後方から最内を追い込んできたドゥラメンテ産駒ドゥラエレーデ、3/4馬身差の4着には、中団から内を差してきたハギノアレグリアス、さらにハナ差の5着が3番手から粘り切ったペプチドナイル。
勝ったレモンポップは、これでJRAGⅠ3勝目となり引退に花を飾りました。スタート直後に、ミトノオーやペプチドナイルがもっと絡むかと思いましたが、彼らを思い止まらせたのはレモンポップの王者の風格か。2コーナーに入ってペースが落ち着いたところで勝負は決まった感。いずれにしても、レモンポップには種牡馬としての期待大ですので、新天地での活躍を祈りたいと思います。
2着ウシュバテソーロはベストのレースをしました。ハナ差の負けは運だけであります。3着ドゥラエレーデは、昨年に続いての3着ですが、どうもドゥラエレーデはGⅡGⅢの緩いペースよりも、GⅠの淀みの無い厳しいペースが合うようです。GⅡGⅢでボロ負けしても、GⅠになると地力を出すことを忘れずにいたしましょう。