昨日大阪で行われた、将棋棋聖戦第4局は、大熱戦の末、挑戦者の藤井聡太七段が勝利、史上最年少でのタイトル奪取を成し遂げました。内容は、藤井七段の完勝と言ってよく、がっぷり四つのまま、ジリジリと土俵際へ追い詰め、そのまま寄り切った形。渡辺明棋聖に、何か失着があった訳ではなく、この現役最強のタイトルホルダーを、地力で押し切るとは、とんでもない棋士が現れたと言えます。
敗れた渡辺明王将・棋王は、それでも名人戦タイトルに挑戦中であり、また王座戦の挑戦者決定戦にも残っていますので、またすぐに三冠に復帰しそう。この冬の王将戦七番勝負で、藤井新棋聖との再戦が見たいものです。
ところで、7月13日14日に札幌で行われた将棋王位戦第2局についても一言。こちらの将棋は、藤井聡太七段の大逆転勝ちとなりました。すでに新聞各紙でも報じられていますので詳細は省きますが、序盤戦で木村王位が取った「角道を開けない」戦法が功を奏して、藤井七段を土俵際まで押し込みましたが、そこでの詰めが甘かったため(とはいえ、けして失着とは言えないレベル)、一気の逆転を許す結果となってしまいました。
木村王位には、このショックを引き摺らないようにして、次に臨んでほしいと思います。それにしても、今の藤井聡太に勝つためには、最後まで手を緩めては駄目だと判りましたので、これから対戦する棋士たちは、相当な準備と覚悟で臨む必要があります。
それにしても、大変な棋士が現れたものだなぁ。これは、全盛期の羽生永世七冠しか、相手にならない気がします。しかし、そんな羽生さんは、もう3年間も、あの頃の凄みを見せることがありません。竜王戦の挑戦者決定トーナメントで、この二人が激突する時だけでも、あの頃の羽生さんが戻ってきて欲しい。