アートインプレッション

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レーピン展作品紹介 浅瀬を渡る船曵き

2012-09-03 17:42:28 | レーピン展
国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展
作品紹介 《浅瀬を渡る船曵き》



《浅瀬を渡る船曵き》1872年

9月に入り、渋谷東急、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中のレーピン展も残すところ約1ヶ月となりました。
今日はレーピンの出世作、《ヴォルガの船曵き》の制作過程で描かれた、《浅瀬を渡る船曵き》をご紹介します。

《ヴォルガの船曵き》はレーピンがまだアカデミーの学生だった頃に描かれました。
サンクト・ペテルブルク郊外を流れるネワ河で、体に太い綱を括り付けて船を動かす労働者の姿を見て、レーピンはこの絵を描くことを決意します。場所や構図を少しずつ変え、数年をかけていくつかのバリエーションと共に完成されました。
動力船が導入される以前、牛馬のごとく働く民衆の姿を描いたこの作品は、ドストエフスキーはじめ同時代の多くの文化人から高い評価を得、ウィーン万博にも出品されます。

本展では、その完成作に至るまでの試行錯誤をたどる作品群が出品されています。
なかでもレーピンが初めて船曵きの隊列を見た時の印象を色濃く表しているのが《浅瀬を渡る船曵き》。《ヴォルガの船曵き》が初めて公開されたとき、その出来に満足せずにバリエーション作品として描かれました。
間近で観ると船曵き一人一人の表情が各人の人生までも表しているようで、レーピンの筆致の確かさを実感します。

是非ごゆっくりお楽しみ下さい。


photo(c)The State Tretyakov Gallery
参考:本展カタログ
 


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