☆フェアリーベルの暖輪室☆・・・♪京都風日和♪

時空のキラメキのなかで、感性を研ぎ澄ませ、
吹く風のままに・・・ちょっと不思議な話も・・・ 

かぜ日和

2012-03-05 01:21:01 | 徒然

2月後半久しぶりに風邪をひいてしまった
以前はよく風邪をひいていて
しんどさと不安(仕事を休むのはたいへんなことだった)の中でも

買いためた本をまとめて読める時間が持てることが密かに嬉しかった

今から思うと自己を見失いそうな追い込まれた日常の中で

自己回帰の時間を持つためにゆっくり眠ること等
体が折り合いをつけていたのかもしれない

今は時間はたっぷりあってしなければならないこともそうそうにないけど
動けないときは本を読むしかない

積んでおいた市川卓司「恋愛寫眞」吉本ばなな「虹」
江國香織「スイートリトルライズ」
レックス・シアラー「青空のむこう」を読む

江國香織読み終えて読後感がどうも良くない
イヤ読んでる途中もモヤモヤというかイラっとしたものがたまってくる感じ
なんかよく分からないけど
「しんどさのせいかしら・・・」

あくる日よしもとばななを読んでいて
昨日の何とはなしのイラっとした感が癒されていくのを感じた・・・
リハビリされてる感じ・・・
何なの、これは・・・

そして気づいた・・・
「スイート・・・」には他を思いやる気持ちが無い

描かれていないのだ
己のことばかり・・・の世界
他に尽しているように見えてもそれは自己満足というか

それが己のあり方だから・・・
自分を成り立たせているのは自分の世界のみ・・・
乾いているといえばそう、「情」がない世界なのだ
かかわりはあるけれど他者を慮って向き合うことのない世界
 深いところで理解しなくてもそのあたりの

なんとはなしの「感覚」に逆に惹かれる人も多いのだろう

それに対してよしもとばななの世界は一見「今的」な感覚に見えて
どの作品もあふれんばかりの「情」でいっぱいだ
己を成り立たせているのは、自分が自分であるには
自分が他者に対してどんな思いを持つのか、どれだけ思いやれるのか
人間ばかりではなく動物や植物に対してもどれだけ真摯に向き合えるのか
をしつこいほど書いている

作家自身の「持つもの」「特質」もとても大きいだろうし

文学的世界観の違いもあるだろう
今まであんまり考えなかったことに気づいて面白かった 

江國香織の初期の作品「つめたいよるに」のなかの

「デューク」と言う犬の話が好きだ
児童文学の世界からデビューしたのではじめての作品も読んでいる
だから今でも読んでしまうんだけど・・・
「間宮兄弟」もその世界の兄弟の話でなかなかおもしろかった

よしもと作品に若い女性ファンが多い理由と「癒される…」

という感じが雰囲気としてよく分かった
(実は私も村上春樹とともによしもとばななもそれなりに好きで

 「キッチン」からしっかり読んでるんだけど)

風邪の中面白い発見もあった
ちょっと深く考えることもあった
風邪の効用!?かしら・・・

                           

コメント
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