☆フェアリーベルの暖輪室☆・・・♪京都風日和♪

時空のキラメキのなかで、感性を研ぎ澄ませ、
吹く風のままに・・・ちょっと不思議な話も・・・ 

舞踏交響曲・・・

2012-03-09 00:15:20 | アートライフ

   3月、春に向かう雨が降る
 雨音も何だか優しく響く

 久方ぶりの田尻洋一氏のコンサート
 伊丹アイフォニックホール
    今回はベートーヴェンの交響曲のすべてをピアノで・・・

 「第7番」がメイン
 「第7番」が舞踏交響曲とも呼ばれることにちなんで
 「踊り」にまつわる名曲が集められプログラムが組まれていた

 まずショパンの「華麗なワルツ」から
 軽やかに「魔法の手」が動く
 軍隊ポロネーズ、マズルカ、タランテラと
 ショパンのそれぞれ味わい深く華やかだが雰囲気が異なる舞踏音楽が続く
 体がひとりでにリズムを刻んでいる
 華麗に力強くリズミカルに美しい響きが沁みる

 次はフォーレの優美でしっとり染み入る2曲
 私はこの日この2曲がとってもこころと体に沁みて印象深かった
 「バヴァーヌ」(中世スペイン王宮の孔雀のことらしい)
 指が舞う、手が舞う・・・
 どこか懐かしく素朴さの中に優雅が漂う・・・

 「シシリアーノ」イタリア南部のシシリー島の舞曲
 私にとっては何故か耳に馴染んでいる曲
 田尻氏の素晴らしいピアノで聞けて嬉しかった!

 前半最後はリスト・死の舞踏「怒りの日によるパラフレーヌ」
    古くから伝わるグレゴりア聖歌「怒りの日によるパラフレーヌ」

 の一節を主題にした
 変奏曲の形式で作曲されていると言う
 「曲全体を覆うただならぬ奇怪さ・・・」

 最後の審判の日地獄へ導かれる者・・・
 響き渡る激しさの中にいろいろなピアノ技法が満載の曲
 「魔法の手」の見せ場で面白い
 とにかくすこぶる激しく「地獄絵巻」のごとくちょっと凄まじい曲だ 

 全く気づかなかったけれどアクシゼントが・・・
 田尻氏も「こんなこと初めて・・・」と言っていたけど

 演奏中に最高音部のピアノの弦が切れたらしい
 ギターの弦が切れるところは何回も見たことあるけど・・・

いよいよメインのベートーヴェン交響曲第7番イ短調(田尻編)が始まる
 高揚感を伴う独特のリズムが揺れ動き躍動する
 ベートンヴェンらしい雄大な流れがおおもとにありそのリズム感も格調高い
 「魔法の手」「魔法の指」が軽やかに躍動し舞い踊る

 田尻氏の演奏会はほとんど自由席なので

 (だからいつも長い行列が出来るのだが)
 手の動きが見える席を取る
 今回は何故か演奏中ずっと「魔法の手」と言う言葉が浮かんでいた

 作曲家のワーグナーがこの曲の神々しいまでのリズム感を

 称して「舞踏の聖化」とよんだことから
 俗称「舞踏交響曲」とも呼ばれるようになったらしい
 ピアノで交響曲をたったひとりで・・・

 そのエネルギーに今回も魅せられ驚嘆する

 「魔法の手」の早春の響きが激しくも

 何とも心地よい時間を運んでくれた・・・

                            

コメント
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