高原に吹き渡る風と
木漏れ日と
森の香りと
湖で遊ぶフェアリーに会いに
今年も信州へ
7月の初め、もう20年以上お世話になっている山荘のオーナーから
辞世の句を添えたお別れの手紙が届いた
山とスキーと旅をこよなく愛し
46年間「山荘」を自分の作品をして育ててきたオーナー
奥さんからこれまでの経過や最期の様子や今の気持ち等をしたためた文
我々当ての私信が添えられていた
昨夏、異変に気づいて心を痛め
6月に予約を入れた時に危険な状態とも聞いていた
8月に入っていろいろな思いもだいぶ整理して
今年は旅の4日間連続雨予報が
全く変更されないまま蓼科・女神湖へ向かう
これも一つの「時」の終わりのような気もしていた
その「時」をしっかり締めくくろうという思いもあった
元気な見事な赤松の林を抜けて(松が元気だと本当に嬉しくなる)
落葉松と白樺が美しい表情を見せ始める頃、ぽつぽつと雨模様に・・・
本降りになり車山、霧が峰方面のドライブはやめて女神湖を一周する
今夜は女神湖花火大会
雨の中花火の準備は進んでいる
山荘では奥さんと東京から手伝いに帰ってきた息子さんご夫婦が
いつもと変らぬ笑顔で迎えてくれた・・・
食事のころにはまさにゲリラ豪雨が凄まじい勢い
「女神湖花火大会は予定通り行います」とアナウスが度々入る
時すでに人も車も大賑わいだ
「このごろはコンピューター制御だから花火は大丈夫らしい・・・」
と地元の人が話していた
「本当に・・・?」
この何年かはM・Aさん一家等と湖のすぐそばで楽しむことが
恒例になっているけど今年は用事で別荘に来るのが2,3日遅れ
花火には間に合わないと連絡があったので
山荘から見ることに決めていた
こんな大雨の中かえって良かった
花火が始まる頃には少し小降りになってきた
大きな音と共に大輪の花火が上がる
次々と火の華が舞う
すっきりと美しく鮮やかに艶やかに・・・
雨の中でも花火は美しく見事に上がるんだ
ちょっとびっくり・・・
水中スターマインが見られないのは残念だけど
山荘のまん前に打ち上げ花火は華麗に上がって次々花開く・・・
女神湖の花火も毎年進化して美しく見ごたえが増している
昨年から「メッセージ花火」が設けられた
「・・・だから結婚してください!」という「大玉」にはちょっとびっくり
「お疲れさま そしてありがとう・・・」
最後に奥さんからオーナーへメッセージ花火が上がった
美しい枝垂れ柳の大玉を含む3発
轟く大きな音とともに女神湖の夜空にゆっくりと輝く・・・
「枝垂れ柳が好きだったのよね・・・」
山荘の家族とお客が見守る中でゆっくりと火の粉が舞い落ちる・・・
静かに時が流れる
奥さんが20歳で東京から
できて半年の山荘のオーナーのもとに嫁いで来た頃
人工湖である女神湖も工事中で
御泉水も整備が始まったばかりだったという
それから46年・・・
2012年ここでも一つの物語が終わり新しい章が始まる
花火が終わった女神湖に星が流れた