今年も千葉・房総から50本あまりの「ポピー」の花便りが届いた
今年のポピーは届くまでに咲く準備が整っていたようで
水切りして活けたその夜から次々に開き始めた
大輪の満開のポピーが玄関やリビングで華やかに春を告げる
しかし今年は「一雨ごとに暖かく」とはなかなかいかない模様
寒の戻りもなかなかのものだ
ポピーも満開のまましばらくもってくれるだろうか
雪模様を覚悟して起きた朝
きれいに太陽が顔を見せ、東大寺・お水取りの「参籠見舞い」に出発
京奈和自動車道に乗り10時前には二月堂前に着いた
ほぼ1ヶ月に及ぶ「修二会」(お水取り)の本行の中日
あたりの空気は清くはりつめ気持ちのよい引き締まった気が流れている
参籠宿所は二つに分かれていて今年は「和上」の所に伺うので上の門を入る
庭には日が差し込み火も焚かれているので暖かい
手向け山の神社の神主さんご一行と一緒になった
男性陣は参籠所内に入ることが許されているので中で和上のS師と歓談のもよう
名古屋からいらした方(S師は教祖様と呼んでいたが)とあれこれ
お水取りについて話しながら
焚き火にあたり童子の入れてくださったおお煎茶と和菓子を頂く
なんと言うこともないのだがここの気の流れにふれるのがいいのだ
見上げれば紅梅と白梅が満開で美しい
童子(聖域に入ることを許された神に近い子の資格を持った大人)や
仲間(ちゅうげん)等々も一緒に籠って
籠りの僧(練行衆11名)のお世話をする
他の僧やS師の紙子にかなり痛みが見える
気温の高い日もあったし「行」の激しさも伺える・・・
調べてみると紙子は手漉きの白石和紙が使われ練行衆の手によって
手作りされるという
「厚手の紙衣紙を揉、絞り棒に巻き付けて押し縮めて柔らかくし
寒天を刷毛で塗った紙を何枚も貼り合わせ
寒天を刷毛で塗り木綿の裏地を付けて着物に仕立てていく」
作って奉納されるものとばかり思っていたのだが・・・びっくりした
今度聞いてみよう
古い紙子も大切に取っておき、破れたらその大きさに切り取って
「スプレー糊でぺたぺたっと貼り付けてますんやわ・・・」
とS師から今年初めて聞いた
手漉きの和紙なのでその年の出来具合によって丈夫なものや
破れやすいもの等いろいろらしい
「紙子」ひとつとってもいわれや歴史がいろいろあって興味深い
二月堂の舞台から眺める早春の風景は格別
1260年以上毎年まいとし行われてきた「行」には深い歴史と
宇宙的な時が流れている・・・