今年も東大寺のお水取りの本行が始まっている
寒の戻りも例年通り…
東大寺お水取り(修二会)のはじまりは天平勝宝四年 (752) で
十一面観音に罪過を懺悔して罪の消滅とともに
天下泰平 (せかいへいわ)、風雨順次、五酷豊穣、
万民の幸せを祈るというもので
約1か月にわたり行われる
今日まで1266回(1266年間)
1年たりとも休まずにおこなわれていることに
深く感じるものがある
子供のころから大仏殿等には幾度となく訪れていたが
20数年前に「ご縁」を頂いてから今年で19年
お水取り「東大寺修二会」のお松明に毎年
通わせて頂いている
長い長い時を翔けて連面と続く修二会の
今年へ続く「行」の何とも張り詰めた清々しい大気の流れ
浄化の波の流れの中に身を置く幸せを
身の引き締まる思いで深く深く感じる時…
お水取りに寄せて詠んだ短歌を少し…
紅花とくちなし染の和紙椿花ごしらえも水取の行
京都の工房で毎年様々な工程で丁寧に染め上げられた
紅花の鮮やかな赤とクチナシの実の黄色を使って
籠りの僧(練行衆)によって作られる「東大寺椿」
「花ごしらえ」の雅な響きもいい…
参籠の僧を守りし白紙衣(かみこ)繕い張りて成就の日まで
行の一番の大敵は寒さより暑さとか
激しい行に耐えるには紙衣しかないと言う
これも練行衆自身が作られるらしい、繕いも…
「 行」の厳しさを物語るように満願の日が近づくころに
「参篭お見舞」に伺うとかなり痛みが…
天頂の輝く月とオリオンに届けとばかり松明は燃ゆ
今年の本行4日目はとても良いお天気で空は晴れ渡り暖かく
三日月より少し膨らんだ月も星座も美しく見え、どのお松明も
勢いよく燃え上がり火の粉をまき散らせて…
松明の残り香清し二月堂差懸の響時空を駆ける
修二会の行は火と水の行、お松明の香りと声明に
鐘、ほら貝、差懸の響きが重なり合って
堂内の「気」が高まっていく…
ほら貝と差懸の音轟きて南無観自在気は高まりぬ
南無観自在菩薩から南無観自在、南無観、南無観、南無観…
次第に声明は響きを増していく
満願成就の日に近づくにつれて堂内外に気は高まり
満ちていく…
声明の内なる宙に響き居り暗き局に星降るごとく
局で行に接していると時間のたつのが本当に早い
沁みる声明、ほら貝鐘の音、差懸の響き…
1260年以上の続く歴史の重み…
永遠へと続く時空が広がっている
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