駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

踏切で電車を待つ

2021年03月12日 | 
          

 踏切は不思議な場所だ。踏切の音と信号、記憶にある七十年の昔から殆ど変わっていない。踏切で待っていると、遠い昔同じように踏みきりで待っていた光景が浮かんでくることがある。相変わらずの竹でできた遮断機が微かに上下に揺れて、ドップラー効果で汽笛の音色が変わる。夕暮れ時など、多くの人が踏切に不思議な郷愁が漂うのをお感じになったことがあると思う。
 自分は特別鉄道ファンというわけではないけれども鉄道の魅力はよくわかる。東海道線は子供の頃から数え切れないほど渡り、線路の鈍色に輝く表面と茶に変色した側面を何度も見てきた。光る銀色と錆びた茶色の平行線は美しく、故郷の岐阜どころか日本全国津々浦々あらゆるところへ続いている。
 叶わぬ夢かもしれないがシベリア鉄道やオリエント急行そしてベトナムやペルーを列車で旅してみたいものだ。
 もう一年以上新幹線に乗っていない。新幹線は窓が開かず踏切もないが旅情皆無というわけではなく、もう一度不要不急の旅に出られる日が来るのが待ち遠しい。
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ボイシの次は成都

2021年01月08日 | 
            

 中国は共産党一色で一様の印象を持ってしまっているが、やはり歴史伝統は消え去るものではなく、日本語を話す中国人の動画を見ると今も地域ごとで異なる風俗習慣人情があるようだ。三国志西遊記聊斎志異水滸伝それに漢詩と馴染んだ中国がどの程度残っているかわからないがとにかく一度は訪れてみたい。どこに行ってみたいかというと上海 西安 南京 成都が挙がる。武漢や重慶にも行ってみたい。揚子江と黄河の流域が私には中国らしい中国に感じられる。食いしん坊としては遺跡風物もさることながら果たして本場の中華料理はどんなものかに興味がある。実際に行った人に聞くと褒めない人が多いのだが、ツアーや仕事で行った人達なので恐らく選択を間違っているのではと思う。というのは台湾には行ったことがあり、台湾の中華は美味しかったので、上手に選べば旨いのではと想像する。現地の言葉が話せる良いガイドが見つかれば興味深い楽しい旅ができるのではないかと思う。現実には容易ではなさそうだが三四年先、新型コロナが収まり、体力脳力が残っていたら行ってみたいと願っている。
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地図で旅する

2020年09月03日 | 

             

 

 新型コロナで旅行ができない。これは旅行好きには中々堪える。この半年、半径五十キロから外へ出ていない。お盆にも年中行事にしていた故郷の墓参りができなかった。患者さんにも、同じような不満を口にされる方は多い。勿論、思い切れば国内旅行は可能なのだが、家内も乗り気にならないし自分も踏ん切りがつかない。出かけてもあまり楽しくなさそうに感じる。

 それでテレビの旅行番組や地図を見たりしている。MLBにちなんだ都市を調べ位置を確かめ、インターネットのウイキペディアを使い情報を集めている。人口気候歴史産業など細かいことまでわかる。各地に多様な人種が住んでおりその構成が書いてあり、なんとなく雰囲気がわかる。人種差別は負の側面だが、人種の多様性は歴史の浅いアメリカに深みと広がりを与え大きな魅力になっている。アジア系も結構頑張っており、チャイニーズは苦難の差別扱いの後、今は確固たる地位を築いている。韓国系も生活力があり、頑張っている様子だ。ちなみにアメリカのどんな小さな地方都市にもチャイニーズレストランがある。全くの好みだが、アラバマ、コロラド、ウィスコンシンなどに一度行ってみたい。

 四十年の昔、アメリカを車で何日も家族で旅行したことがあるが、恐い目にあったことはなく行き当たりばったりで通り沿いのインに泊まり、楽しい思い出となっている。もう一度四五日でもよいからK夫妻あたりと車で行き当たりばったりの旅をしてみたいが、新型コロナとトランプの分断政策でしばらくは無理になった。もうすぐ後期高齢者になるので、もう一度は果たせぬ夢になってしまいそうだ。

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日本のチベットに住んでみたい

2020年07月05日 | 

               

 

 無人島に行く時たった一冊しか本が持ってゆけないとしたらは、難問でなかなか決めかねる。五冊にしてくれれば、すんなりと地図帳を入れられる。欲張りだから一冊で世界地図と日本地図が入っている分厚いのにしたい。

 チベットにも悪い 岩手にも悪い しかしこうした言い方が六十年前は平気で教科書に載っていた。日本のチベット岩手。東北地方というと青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島の六県で、なぜか自らも東北とまとまった意識を持っておられるようだ。どういうわけかその中で岩手が好きなのだ。秋田ほど美人は居ない、山形ほど果物は豊富ではない、青森ほど北の外れではない、宮城のように仙台もない、福島ほど関東に近くない・・、それでもなぜか東北に住むなら岩手にしたい。

 東北には実を言うとそれほど良い印象はない。一絡げにすると怒られるだろうが、東北の人は重い面白くない怒りっぽい。そうして誤魔化さない粘り強いへこたれない。これは私の感じに過ぎないので、山のような反論があるだろう。しかしどういうわけか、何十年経っても未だ修正するに至っていない。なるほどそういう感じはあるいや違うと読んでもらうよりない。

 東北に対応するのは地域は九州だと思っている。対照的とは違うが、共に個性が際立ち釣り合いがとれ比較しやすい。歴史的な知識は乏しいのに土地柄というものに非常に興味があるので、時々地図を眺め、地方を旅する吉村昭、川本三郎、梯久美子・・の本をそうかふむふむと読んでいる。

 なぜ岩手、上手く説明できない。叶わぬ夢としてもいつか山田線に乗ってみたい。

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旅行は三度美味しい

2019年11月22日 | 

            


 雨のせいか少し寒さが和らいだ。特別旅行好きとは思っていないが、海外と国内を年に一度旅行する。長くは休めないので今までは国外は四泊五日、国内は二泊三日が多い。どうしても連休利用なので諸経費は割高で込み合うことが多いが、現役で働いていたのでやむを得なかった。来年から院長を交代するので多少旅行に行きやすくなるとは思うが、南米やアフリカまではまだまだ難しそうだ。そんなことを言っていると行く体力がなくなりそうだが、無理して行きたいと思わなくなった。それだけ心も年を取り始めているようだ。昔、研修に来たA君は七泊八日の夏休みにバッグ一つでイグアスの滝まで行ってきましたと写真を送ってくれた、若い力だ。

 比較的近い東南アジア、ロシアには行ってみたいが、なんだか世界全体が不穏で安全かなあと思ってしまう。それに英語しかできないからツアーの方が良いかなとも思うのだが、二度のツアー旅行経験ではもう一つしっくりこなかった。旅行は我儘行き当たりばったりが面白いのだ。国内もまだ行っていないところが多く、ブラタモリを参考にしようと思っている。勿論、タモリのように優遇優先でポイントを押さえることはできないので、町の風情や歴史を手掛かりにしている。来夏は愛媛高知山形秋田などを考えているが、どんなもんだろう。

 旅行というのは不思議なもので思い出すと日常の十倍以上記憶に残こる。思い出の人生に与える潤いは若い人にはわかりにくいだろうが、年寄りには心の栄養でBSやネット販売のサプリメントの何倍もボケ防止になる気がしている。一粒で二度おいしい以上に、旅行は計画から思い出まで三度は美味しいのではと思う。 

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