駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

骨休み旅を夢見る

2018年12月25日 | 

    

 

 年の暮れの連休明けで今日は忙しくなる。まだ腰が痛いので朝から時間内に数多い患者さんを診切れるか心配だ。おまけにと言っては何だが、今年は重症の往診患者さんが二人いて、年末年始がゆっくりできるか気がかりだ。こうやって働くのはもう限界のような気がする。引退はまだ早いとしても分担後任を確保しなければならない。当てはあるのだが、行動の時期だろう。

 本当にのんびりできるところを捜したい。唯、いつも女房と二人で行動するので選択が難しい。家内は大都会志向でホテルが大好きなので、鄙びた温泉となると一人でゆかねばなるまい。それも良いのだが、情けないことに家内の説得が一苦労しそうで気が重い。妻のトリセツを購入しなければなるまい。

 野田知祐氏や椎名誠さんのような国外一人旅の活力はもうないのでせめて川本三郎さんのような国内小旅行をしてみたい。

 雪の風呂南無阿弥陀仏と沈みけり 世の中に寝るほど楽はなかりけりという 宿に泊まりたい。

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東京に空はなくても

2018年10月22日 | 

な           

 久しぶりに東京へ行ってきた。昔よく利用したホテルに泊まった。十年ぶりくらいになるがさほど変わってはいなかった。家内はここは交通の便が悪いので嫌がるが 、私は一寸繁華街から離れ静かで旧式なところが好きだ。コンシェルジュの女性は落ちついた感じの良い人だったのだが、さすがに変わったようだった。

 何処もそうなのかも知れないが、外人が多くてびっくりした。アンダーの照明とブラウンを基調とした色合いが 欧風なので欧米人が多くても全く違和感がない。昔ある作家がここを定宿にしていた理由がなんとなくわかる。

 今回は都心を離れ東横沿線の中目黒と学芸大学に用があったのだが、私鉄沿線の駅といってもにぎやかな駅前商店街が形成され人通りも多くいつもながら東京のエネルギーを感じた。東京に居ては地方のシャッター商店街は分からないと思った。勿論、通り過ぎただけだから正確なことは分からないのだが、食いしん坊の私はこれだけ多種多様の飲食店がやってゆけるということは、勿論競争は激しいだろうが、活力がある証拠と見た。食べログを参考にイタリアンをたらふく食べた。美味しかったのだが、お値段もそれなりで地方都市でこの値段では客は来ないだろうと思う。食べログの評価が値段を支えているのかもしれない。   

 こうした小旅行と旨いもので幾らか心が潤った。乾いた心からは、優しさや親切というものは生まれない、マニュアルでない気遣いや笑顔を生み出す効果があったかもしれない。

 東京には空はなくても豊かさと贅があった。

           

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貴重な人

2018年09月20日 | 

  

 K君がアメリに行ったことがないというので本当に駆け足だが、アメリカに行ってきた。二年に一回異業種の友人達と短い海外旅行に行くようになって十五、六年になる。G氏が亡くなりF氏の都合が悪く、今回はちょっと寂しいが三人で行ってきた。いつもは目立たないM氏のマイペースに些かうんざりした。F氏やG氏が、貴重な中和剤になっていたのだ。特に律儀で穏やかなG氏が我々のグループで貴重な中和剤と言うか、緩衝効果を持っていたのに気づいた。友人と言うのは不思議な縁なのだが、その綾を巧みに柔らかいハーモニーに変えてくれるキーパーソンが居たのだ。

 アメリカは移民から成っている広く若い国だが、ステレオタイプと多様性がないまぜになって、不思議なパワーを感じる。宿の女主人、聞いたことのないなまり、どこから来たのだろうかと聞いてみたらウクライナと返ってきた。フランス語とロシア語が混ざったのような言葉を息子と話していた。

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一杯のコーヒ

2018年08月26日 | 

 あなたはコーヒー派それとも紅茶派。実際に飲まれている量は日本茶が一番多いと思うが、街中で喫茶と言えばコーヒーが圧倒的に多いだろう。日本茶は店でお金を払って飲むという感覚はなく、和食系統の店では何も言わなくても食事に付いて自然に無料で出てくる。

 原価はコーヒー紅茶の方が高いと思うが、それでも日本茶の数倍程度だと思う。茶葉を選べば日本茶も有料でおかしくないものが出せると思うが、日本茶を喫茶形式で有料で飲ませる店は希有だ。増える様子もなく繁盛しているとも聞かない。日本茶に凝っていて講釈の多い和食店を知っているが、お茶は無料で食事に付随して供される。

 一杯飲んだ時の満足度が違うのだろうか、確かに日本茶だと気軽にゴクゴクと飲んでしまい、ゆっくり味わって飲むという感覚は少ない。

 特にコーヒー派というわけでもないが喫茶というとコーヒーの感じがして、小品シリーズでコーヒーを描いてみた。何だかカップがテーブルの真ん中にないのは、最初テーブルの向こう側に床を描いたのだが、先生に中途半端だと言われ全部テーブルにしたためだ。香り立つコーヒーに見えるだろうか?。まさかこのコーヒーを出す喫茶店が分かる人は居まい。旅先の一杯、東北の店だ。盛岡の人なら分かるかも知れない。

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500マイル

2018年08月15日 | 

 

 500マイル離れてとピーターポールアンドマリーは唱った。もう半世紀以上前の昔だ。マリーはもう居ない。

 テレビやインターネットは500マイルどころか5000マイル彼方のことも瞬時に伝えている。しかしそれは電子メディアを通した情報で生身の現実感は乏しい。馴れて気付かないけれども50m、500m先で起きていることとは違って感じているのだ。旅をすると,500マイルの彼方に様々な人が同時代を生き、生活しているのを実感することが出来る。遠い昔、確かJRにディカバージャパンというキャッチフレーズがあった。発見しろってどういうことと感じたが、旅をして気が付くこと見出すことがありますよという意味合いがあったと思う。

 新幹線は一寸速すぎて旅情には乏しいが、駅を降りればいつもと違う街いつもとちょっと感じの違う人達が居て、薄れてはきたが言葉のなまりや顔かたち体付きに500マイルの距離を感じた。先入観はぬぐいきれないと思うが、どこか濃いけれども直裁でしつこくなく、背は低めで固太りの人が多いような気がした。

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