鳩山内閣を見ていると、船が山を登り始めているようで心配になる。
夏の宵、舟先の篝火が川面に映え、十数匹の鵜が鵜匠の巧みな綱裁きでそれぞれ川に潜り鮎を捕らえる鵜飼いは本当に幻想的で美しい漁だ。
十分潜りたっぷり鮎を飲み込んだところで、鵜は鵜匠に首根っこを捕まれ鮎を吐き出すのだ。小振りの鮎だけが狭められた喉を通り抜け胃袋に達する。随分働いた割には腹が膨らまないなあと思いながらも、鵜は鵜匠に従いがやがやと鳴きながら帰って行く。
内閣もこうでなければなるまい。鳩山鵜匠の鵜は綱が解けてみな勝手に泳ぎ回り、喉の締めも緩く値打ちのある大きさの鮎まで飲み込んでいるようだ。
ゆるい手綱さばきでもやがて統制が取れて行くのだろうと見ていたのだが、一向その気配がなくだんだん心配になってきた。鵜は鳩と違って綱がないと単独自由行動に走るのをご存じなかったか。
リーダーシップだけでなくフォロワーシップにも問題がありそうだ。どうもティームプレーに不慣れでコミュニケーションは苦手の面々がお揃いのようで、優れている?と扱われてきた副作用が出ている。フォロワーシップのあった藤井さんが暇乞いをしたことを厳しい警告と首相は受け取らなくてはならない。辞意は爺の諫言なのだ。
首相が優れた鵜匠たり得るか、正念場だ。官邸にいると孤立してなんだか寂しいなどと情けないことを言っていないで、玉石混淆多種多様で意外にバランスの取れているブログを少し覗いてみたらと申し上げたい。
茶坊主に囲まれ閉じこもると間違いが起きる。