駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

微妙だが違う、男と女

2014年05月15日 | 小験

                   

 八十四、五歳で自力で医院に通院でき、殆ど惚けのないお婆さんに「お元気で良いですね」と言えば、近所には九十で矍鑠とした人が居ると現状にご不満のお返事が返ってくることが多い。これが男だと七十四、五歳にもなると、知人友人が亡くなったと心細げで、「先生、儂は大丈夫かね」と聞かれたりする。

 勿論、法の下では平等でなければならないが、男と女は違う。どちらかと言えば女性の方が欲張りな気がする。尤も、欲張りと言っても自分やせいぜい身内のことで、だいそれたものではない。耐える力や守る力も女性の方が恵まれていると感じる。

 家庭へ戻されるようになった寝たきりや準寝たきり患者さんを支えているのは八割方女性だ。一割ほど男性が居る、そうした男性は几帳面で女性以上にしっかり介護される。残りの一割は男も女も十分手が出ず、患者さんは早く亡くなられる。

 

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