
つい五日前、患者さんと暖かくて楽になりましたねと話していたのにこの二三日は涼しいというかワイシャツ一枚では寒い。いくら何でも四月半ばなのでもう寒くはならないだろうと思っていたので、心身共に戸惑っている。
新緑の木々には冷暖房もなく着物もなくじっと耐えるしかないわけで、ものは言わないが大変だろうなと想像する。耐える植物にも耐えられる限界はあるので成長を止めたり最悪は枯れたりする。
生物が生きていける環境の状態には最適から耐えられる限界まである程度の幅があるが、生物は相互に依存しているので人間だけが生き延びられても、それでは長期生存は望めない。百年前には想像しなかったことだが、科学の進歩によって人間は地球環境に影響を及ぼす(地球温暖化)生活をするようになった。地球温暖化は身近で遠い問題で、誰もが影響を受けるのに毎日の生活でそれを真剣に考える人は少数だ。自分もその一人で、困ったなあと思いプラスチック製品の使用を控えたりいくつかのことはやっているが、さてあと何年生きられるか、自分が生きている間は大丈夫だろうと思ってしまっている。ウクライナの痛みも「テレビを見ても戦争の話ばかりで嫌ねえ」という患者さんの言葉に象徴されるように、遠くのことと感じている人が多いようだ。