字には上手い下手がある。子供の頃に書道教室に二年ほど通ったが、遺憾ながら効果はなかった。世に三筆とか言われる人物がいて、弘法大師はその一人だ。その弘法大師はそこいらにある筆で素晴らしい字を書かれ、技量が優れていれば道具に左右されないとして、こうしたことが言われるようになったらしい。
確かに一面の真理を言っているようだが、全面的には賛成しかねる。多くの人が同意されると思う。下手や初心者は道具に助けられるところがあるはずだ。勿論、初心者にはやたら高級な道具は使いこなせないところはあるだろうが、それでもそれなりに良いものを使わないと技量は伸びない。
そうしたわけで、油絵の道具にはちょっと良いものをと思い始めている。もう十五年以上描いているのに今頃と言われそうだが、もう少し上手くなりたい。