駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ある患者との会話

2010年12月19日 | 診療

  患者 22歳がっしりした大男。 
  医師六十代の熟練医。

 「どうされましたか」。
 「風邪」。

 「いつ頃から、どんな症状がありますか?」。
 「咳が止まんねえ」。

 「いつ頃からですか」。
 「ん、昨日から」。

 「体温は36.4Cか、熱はないようですね。痰が絡みますか」。
 「それなりに」。

 「頭とか喉とか、どこか痛いですか?」。
 「ねえ」。

 「食欲はありますか」。
 「あー」。

 「下痢していませんか」。
 「ねえ」。
 
 なんだか、「どこで日本語を習いましたか」。と聞きたくなる。
 横柄で無教養に思えるが、失礼ながら実際そうなのだが、この患者さんは実はそんなにおかしな人ではない。運悪く人としての礼儀作法を身に付ける機会がなかったのだ。成人してからの屈強な外見と生活している場がそれを許してきたのだ思う。
 しかしまあ、医療以外の指導をしたくなる患者さんではある。

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