駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

足元を見詰め、穏やかに議論を

2017年02月18日 | 政治経済

         

 どうしてもっと普通に話せないのかと思うのだが、政治家には声を荒げ、荒げる声を冷やかし、まともに落ち着いて質問答弁しない人が多い。周りにもそういう人は居るが、大抵何となく疎まれている。世間では自画自賛の人は影の評価は低いとしたものだが、権力を持つと厚顔無恥はむしろ有用な気質のようで困りものだ。

 コンビニに行くとちょっとなまりのある日本語で、妙な名前(日本人ではない)の従業員が多い。コンビニを経営している患者さんの話ではコンビニの仕事に来る日本人は無断欠勤や突然退職などが多く、出稼ぎ外国人の方が、問題のある言い方だが、よほど良いそうだ。

 定年退職した患者さんに、暫くして又働こうとされる方が居られる。異口同音に、楽というのは語弊があるかも知れないが、丁度良い仕事は中々見付からないと言われる。どの先進国もそうだと思うが、残っているのは3Kの仕事という構造があるのだ。

 トランプ大統領が見習うべきはジャパンで日本ほど上手に?外国人の流入を防いでいる国はないかも知れない。尤も、日本には特有?の建前の後ろに本音の目こぼしがあり、学生と称して実は不法?労働をしている外国人が3Kの仕事をかなりカバーしている。この辺りの事情に光を当てて、就労目的のアジア人を受け入れる方法を考える必要があるのではと思う。当院の外来にも特殊技能もなく学生にも見えないアジアの人が時々風邪を引いたとやって来る。

 病気でもアレルギーは厄介だが、一部のアジア人アレルギーのために外国人労働者受け入れが表立って議論されないのは問題だと思う。これは喫緊の課題で、与野党いがみ合わずにまともに真剣に考えて戴きたい。知恵を絞って対策と方法を考えれば妥当な受け入れは可能なはずだ。

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自由形銀メダル、輪島の男

2017年02月17日 | 小考

 水泳の山中毅さんが亡くなった。もう半世紀以上の昔になるが、自由型でいつもオーストラリアのマレーローズに迫りながら後半もう一歩の所で惜敗していたのを覚えている。オリンピックでも金は取れず銀メダルに終わったようだが、銀メダル四個は立派なものだ。一番や金は唯一で最高のイメージがアッピールされるが、二番目で銀も決して引けを取らない優れた業績だと思う。その人にとっては最善だったのだろうし、いぶし銀には味わい深い輝きがある。

 確かに金や一番には昇り詰めた最高位で、達成感は強いのだろうが、見失う物もあるのではないかと思う。瞬間風速の出来事が、その後の人生の重圧になることもあるかも知れない。銀や銅を噛みしめる能力こそ、長丁場の人生広い社会の中ではむしろ大切な気もする。世の中というかマスコミにはそうした見識が不足しているように感じる。

 山中選手のその後のことは承知しない。遠い昔の観戦の思い出といつも惜敗のイメージにちょっと書いてみたかった。

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周りを見てもわかりにくいことも

2017年02月16日 | 世の中

     

 六十年以上生きていると人間のしでかすことは見聞きする範囲の知見から大体類推できると昨日書いたばかりだが、どうも宗教がらみやインテリジェンスの世界のことは、想像を絶するとまでは行かないが、今の日本人には分かりにくいと付け加えなければならないようだ。

 勿論,中にはよく分かるとおっしゃる方もいるかもしれないが、戦後七十年、そこそこの平和の中を生きてきた健忘症の私などには分かりにくい。

 金正男暗殺の報に悪い冗談だろうと言う気がしたが、どうも本当らしい。そういえば10年ほど前にロシア生まれの英国スパイ?が放射性物質で暗殺される事件があった。

 疑心暗鬼の妄想の生んだ凶行のような気もするが、現実に起きたのを見ると、**に刃物の世界に取り囲まれているのが現実かもしれない。果たしてどの程度備えはできているのだろうか?。コップの中の嵐に終始ししているように見える日本のしどろもどろの防衛大臣に、失策不祥事を叩くばかりのマスコミでは誠に心許ない。

 少なく目立たないけれども、患者さんで事件を起こしたり巻き込まれた人物は皆無ではない。勿論、宗教がらみやインテリジェンスの事件ではないけれども、精神の病理という意味では確かに身近にも問題が存在している。

 友人のK氏は会食のたびに「我々には大した時間は残っていないので、何が起きてももういいが、子供や孫の時代は大変だぜ」と言う。本当だなあと相槌を打っている。

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周りを見れば分かる?

2017年02月15日 | 世の中

   

 五千メートルの深海や五千キロの上空には、想像を超えた世界があると思われる。高々五十メートルの海底五千メートルの標高でも、並の人間には想像しにくい。確かに自然界には想像を絶する世界があるのだが、人間界はどうもそうではないらしい。歴史は浅くても世界最強の国の大統領や老舗の大企業の社長など、庶民の想像も付かない能力規範で動いていると思いきや、何のことはないガキ大将やできの悪い三代目と変わらないように見える。

 勿論、規模の大きさは異なるのだが、人間の器量や行動規範は普通の人間が生きている生活範囲の中とさほど変わらないと診断できそうだ。善良さでは差がないが極悪さで多少度が過ぎているというのが本当の所だろう。

 まあ正確なことはよく分からないが五万人程度の社会の中で起きることから、五十億の人間界で起きることは類推出来ると思う。友達の友達の友達で知り合いの知り合いで人間界は分かると申し上げよう。

 そして過ぐる千年で人間は変わらない。歴史を知れば更にしでかす人物やどじる人物を見透かすことも出来ると思われる。尤もそうした智慧で果たして衝突や破壊が防げるかどうかは心許ない。

 市井の診察室から今世界で日本で起きていることは想像を絶したことではなく、隣町や近所で起きていることとさほど変わりないと報告したい。

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インフルエンザ対策の妙

2017年02月14日 | 医療

         

 三寒四温かと思ったら、まだ四寒三温で今日も空気は冷たい。鳥が街中まで降りてきて餌を捜している。

 未だインフルエンザが流行しており、日に数名インフルエンザの患者さんが受診される。今の所殆どがA型で当院ではB型は僅か二名のみだ。こうしてA型B型が判別できるのも診断検査キットのお陰だ。

 今やインフルエンザの診断には迅速診断キットが欠かせない検査になっている。しかし実は感度を上げてきたキットも万全ではなく検査の時期や検体の取り方によって10-20%の偽陰性があると思われる。それにワクチン接種済であったり免疫能の高い?人の中には鼻風邪と変わらぬ軽い症状で済む人も居て、そもそも医療機関に受診しなかったり受診しても検査しないで風邪薬を投与されている例もあると思われる。

 10-20%の検査が偽陰性だった症例の中には臨床的にインフルエンザと診断できる症例も混じっているのだが、医療機関や患者さんの中には検査を金科玉条にするところもあり、診断を保留して経過を診てしまう症例も少なからずあると思われる。

 鳥インフルエンザの場合は拡大感染を防ぐために、養鶏場で二三羽でも診断が確定すれば何万羽もの未発病の鶏まで殺処分されてしまう。人間の場合は罹患したら自宅安静の処置が取られる。発症五日を過ぎ無熱の日数が二日以上続けば登校あるいは出社可能と便宜的に定められているが、これは概ね他者に感染させない目安であって100%のものではなく、熱が下がり全く元気になっても咳や痰が続く患者さんはそこそこ居て感染源になっている可能性も少しはある。

 そうしてあれやこれやで万全とは行かないが、インフルエンザの流行をある程度押さえ併発症で死亡する患者を減らすことが出来ている。他国の事情に詳しくはないが、ここまでで出来ている国はそう多くないと思う。あれこれ言っても豊かな国情で、理解力が高く従順で右に倣うことの得意な国民性が上手く機能している事例と思われる。

 不思議なことに毎年数百人ものインフルエンザを直に診ている私はインフルエンザにならない。三十年以上インフルエンザに晒され毎年ワクチンを打っている効果だろうか?。本当は非常に軽く感染しているのかも知れない。

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