かねてより楽しみにしていた文楽二月公演 『 曽根崎心中 』を
国立劇場に観に行った。すげー風の冷たいこと。劇場のすぐそばに
スタバなんてもちろん無いので、劇場内の甘味処でクリームあんみつを食す。
夜の部なんで、ロビーでお弁当を食べてる人多数。
伝統芸能、初めてゆえに勝手が分からなかったのだが和服でオサレしている
女性多し、いとうらやまし。私も着たら絶対似合っちゃうよ???
さて、肝心の文楽について。一応本も何冊か読み、基礎知識は頭に入れて
行きましたが、案ずるより生むが易し。ちゃんと何言ってるかも分かったし。
一体の人形を三人で動かし、うちメインの方は顔も出してるので
確かに『 人がたくさん出てくる人形劇 』っぽいです、最初は。
でもねえ、だんだん人形しか見えなくなってくるのが不思議ねえ。
ストーリーもごく単純なメロドラマです。
名場面と言われる、縁側で遊女お初の着物の下に隠れた徳兵衛が、
心中の意志を伝えるべく、お初の足首を喉元に当てる場面、
二人が火打石の音に合わせて戸を少しづつ開けて逃げる場面は、
やはりドキドキしました。逃げながら逡巡し(ここが長いけど重要なのかな)
最後はお互い帯でぐるぐる巻きにし、お初を刺した上に徳兵衛が自らも刺し、
崩れ落ちるようにして倒れて幕。うわーすごいメロドラマ。
人形遣い、大夫(語り&男役も女役セリフも全部)、三味線に分かれてるって
どうなの?普通は人形動かしながら喋るじゃない?って思うのだけど
立派にそれぞれのパートが成り立ってる。確かに動かしながらは喋れない。
帰りは劇場前から都バスに乗ってみる。隣の女子達が、
『 徳兵衛、だめんずだよね 』と感想を言い合っていた。
そうだよ、そのくらいで死ぬなよ、しかも心中、と言いたくなるが、
当時は来世思想みたいなのがあったのだろう。しかもお初が19、
徳兵衛が25、劇中でお互い厄年っぽいことを理由にしてる。
けっこう流されちゃってる二人なんである。
『 あの人がいなければ生きていけない 』という気持ちは分からなくも
無いが、それで一緒に死んじゃった訳ですね、お初も遊女の割には
素直すぎると言おうか、純愛ドラマすぎます。そこが当時は大人気だったのかと。
文楽初体験はとっても楽しかった。また観に行きたいな。