咲とその夫

 思いもよらず認知症になった「咲」の介護、その合間にグラウンド・ゴルフを。
 週末にはちょこっと競馬も。
 

鎌倉河岸捕物控・・・暴れ彦四郎

2015-11-17 22:59:25 | レビュー
 
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 娘が5月の誕生日に送ってくれた10冊の「鎌倉河岸捕物控」(著:佐伯泰英)。
 池波正太郎狂の当方、第1巻を手にとるも文体が読みづらくて、ページをめくることができなかった。
 どこが違うのか。
 脇役の人物でも、敵役の人物でも、ちょっとした飲み屋のオヤジとか、女中でも・・・池波小説にはそれぞれの個性まで書き込まれており、登場人物の隅々まで読者にとっては頭の中で映像化される。
 ごく数行で描かれているが、生き生きと描かれているから読者の呑み込みが早く、小説の世界にスーッと溶け込める魔力がある。
 佐伯小説ではそこまでの域に達していないから、案外読みづらいのかも・・・。

 それでも、折角のプレゼントなので、少しずつ読み進めた。
 この小説を題材にしたNHKの時代劇シリーズを過去に見ている。 
 登場人物と役者陣を思い描きながら読んでいた。
 娘が言うには、我慢して読んでいると、第4巻くらいから面白くなるから・・・と。
 「政次、亮吉、彦四郎、しほ」の仲の良い4人の若者。
 
 徳川三代将軍家光公認の金流しの十手を預かる9代目、金座裏の宗五郎親分が差配する的確な指示。
 駆け出しの手先の亮吉。
 日本橋の呉服屋「松坂屋」の手代で、今では宗五郎親分の跡目を継ぐこととなっている手先の政次。
 船宿「綱定」の腕のいい船頭の彦四郎。

 この3人の若者のあこがれの的で元武家の娘・しほ。
 両親を失って酒問屋「豊島屋」に奉公する看板娘となっている。
 江戸の町で次々と起きる事件。
 金座裏の宗五郎親分の旦那でもある北町奉行所定廻同心・寺坂毅一郎、このコンビに政次、亮吉、彦四郎や手先の八百亀、常丸、三喜松などが親分を手助けし活躍。
 
 若者4人の群像劇で第1巻から物語が展開。
 そのため主人公は、誰なのか皆目わからない。
 それゆえ、焦点が定まらない。
 誰を中心に読むといいのか分からない。
 ・・であるから、かなり読みづらいと思ったのかも。

 それが、第4巻では娘が言っていたように、徐々に主人公はこの若者(政次)とほのめかされてくる。
 この先の物語で、金座裏で金流しの十手を預かり、10代目宗五郎を継ぐであろう手先の政次。
 この若者が主人公へと突き進むのか・・・。

 それはともかく、大柄な船頭の彦四郎の命を狙う謎の集団。
 この話が縦糸に次々と起きる事件が横糸となって、第4巻の物語が展開している。
 終盤になって分かってくる犯人像。
 物語の冒頭、“しほ”が従姉妹の佐々木春菜と川越藩小姓組(こしょうぐみ)の静谷理一郎の祝言に招かれて武州川越に旅立って行く。
 
 それを見送る亮吉、彦四郎。
 “しほ”が旅の徒然に描いていた絵画、それが物語のキーポイントになってくる。

 いささか、物語が展開するうちに縦横無尽に新たな事件が織り込まれ、じっくりと頭の中を整理しつつ読み進まないと混乱する。
 文体が固い部分もあって、池波小説のようにスイスイと呑み込めない。
 それでも、徐々に面白くなってきた。

 本日から第5巻「古町殺し」の1ページをめくる。
 あと6巻、いかなる展開となるものか。
 楽しみにしたい。(夫)



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