2009年12月から3ヶ年にわたって放送されてきた司馬遼太郎原作「坂の上の雲」も、次週25日(日)の第13回「日本海海戦」を最後に物語も完結へ・・・。
「まことに小さな国が、開花期を迎えようとしている」
このドラマの冒頭、渡辺謙さんのナレーションではじまるこの言葉、「日本人のこころ」を打つように聞こえるから不思議である・・・それは、当方ひとりであろうか。
明治維新が終わった明治元年、この物語の主人公のひとり、秋山淳五郎真之が誕生した。10歳上の兄・信三郎好古、淳五郎真之の幼なじみの正岡升(のぼる・後の子規)の三人が、近代国家日本へと新しい歩みを始める明治という時代のなかで、多くの経験を経ながら成長して行く姿が描かれている。
旧松山藩士の秋山兄弟は軍人の道を選び、兄・信三郎好古は陸軍へ、淳五郎真之は海軍へ入る。幼なじみの正岡升(子規)は、俳壇の道へ新風を送り込むが、志し半ば肺結核で亡くなる。そして、秋山兄弟は、大国ロシアとの最終戦へと突き進むこととなった。
この12月から放送された第3部、日露戦争の模様を克明に描いている。旅順港を陸と海から攻撃するために陸海軍首脳による協同作戦会議が行われ、陸軍が旅順を総攻撃するが、二度にわたる要塞正面突破攻撃に失敗し、2万人以上の戦死者を招く。
淳五郎真之が考えていたとおり、二○三高地を攻撃し、それを占拠してそこから旅順港を攻撃する方針転換を行った陸軍は、その作戦が成功する。
一方、奉天の戦いでは、日本軍が不利であったが、その不利をひっくり返す作戦が功を奏して、ロシア軍を撤退させることができたが、これは奇跡に近い内容の戦いであった。
佐世保を出港した三笠艦を中心とする連合艦隊が、ロシアとの最終戦となるバルチック艦隊を相手の日本海海戦が次週描かれる。
NHKが総力を結集して作り上げた怒涛の「坂の上の雲」、圧倒的な俳優陣と大河ドラマを凌ぐかと思われる精巧な作り、各画面に登場するディティールにわたる時代考証、ちょっとした小物の部分までも・・・さらに素晴らしい出来栄えのCG技術には感心させられる。
次週では、日本海海戦に勝利し酔いしれる日本にあって、主人公・秋山淳五郎真之が両国の多くの軍人たちが犠牲になったこの戦争で気を病むとのこと。
最後はどのような心に残るカットが見られるものかと、最終話が楽しみである。このドラマで描かれているように、日本が近代化の道を歩む中で、図らずも大国との戦争に巻き込まれながらも、我が国の行く末を懸命に守ってくれた先人たちの生きざまがあったからこそ、今があることに感謝しながら3年間じっくりと観てきた。
ただ、残念なことには平均視聴率が10%程度とか、もっと多くの人に観てもらいたい。特にこれからの日本を背負って立つ若い人たちに・・・是非とも観てほしい作品である。(夫)
[追 記]~最終回・あらすじ~
1905(明治38)年5月27日、巨大な艦影が1艦また1艦と三笠の前に姿を現し、いよいよ連合艦隊とバルチック艦隊の戦闘が始まった。連合艦隊は世界の海軍戦術の常識を打ち破る異様な陣形をとる。真之(本木雅弘)が水軍の戦術案からつむぎ出した、艦隊を敵前でターンさせるという捨て身の戦法だ。
東郷(渡哲也)は「まず敵の将船を破る」という真之の戦術原則のとおりに艦隊を運用。三笠の砲弾が目標である敵の旗艦「スワロフ」の艦橋に命中した。2日間にわたる七段構えの攻撃を受けたロシア艦隊は、主力艦をことごとく撃沈、自沈、捕獲され、ついに白旗を掲げて降伏。連合艦隊は、奇跡といわれた歴史的勝利を収める。
そのころ、満州の最前線にいた好古(阿部寛)のもとに母・貞(竹下景子)の死を伝える電報が届く。帰国した真之は、この戦争で敵味方ともに数多くの犠牲者を出したことに耐えられず、その苦しい胸中を妻・季子(石原さとみ)に打ち明ける。
9月5日、ポーツマスで日露講和条約が調印された。しかし、日本はロシアから賠償金を得ることはできなかった。国内では新聞が「弱腰の講和」と政府を批判し、不満をもつ民衆が日比谷焼き打ち事件を起こした。
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「まことに小さな国が、開花期を迎えようとしている」
このドラマの冒頭、渡辺謙さんのナレーションではじまるこの言葉、「日本人のこころ」を打つように聞こえるから不思議である・・・それは、当方ひとりであろうか。
明治維新が終わった明治元年、この物語の主人公のひとり、秋山淳五郎真之が誕生した。10歳上の兄・信三郎好古、淳五郎真之の幼なじみの正岡升(のぼる・後の子規)の三人が、近代国家日本へと新しい歩みを始める明治という時代のなかで、多くの経験を経ながら成長して行く姿が描かれている。
旧松山藩士の秋山兄弟は軍人の道を選び、兄・信三郎好古は陸軍へ、淳五郎真之は海軍へ入る。幼なじみの正岡升(子規)は、俳壇の道へ新風を送り込むが、志し半ば肺結核で亡くなる。そして、秋山兄弟は、大国ロシアとの最終戦へと突き進むこととなった。
この12月から放送された第3部、日露戦争の模様を克明に描いている。旅順港を陸と海から攻撃するために陸海軍首脳による協同作戦会議が行われ、陸軍が旅順を総攻撃するが、二度にわたる要塞正面突破攻撃に失敗し、2万人以上の戦死者を招く。
淳五郎真之が考えていたとおり、二○三高地を攻撃し、それを占拠してそこから旅順港を攻撃する方針転換を行った陸軍は、その作戦が成功する。
一方、奉天の戦いでは、日本軍が不利であったが、その不利をひっくり返す作戦が功を奏して、ロシア軍を撤退させることができたが、これは奇跡に近い内容の戦いであった。
佐世保を出港した三笠艦を中心とする連合艦隊が、ロシアとの最終戦となるバルチック艦隊を相手の日本海海戦が次週描かれる。
NHKが総力を結集して作り上げた怒涛の「坂の上の雲」、圧倒的な俳優陣と大河ドラマを凌ぐかと思われる精巧な作り、各画面に登場するディティールにわたる時代考証、ちょっとした小物の部分までも・・・さらに素晴らしい出来栄えのCG技術には感心させられる。
次週では、日本海海戦に勝利し酔いしれる日本にあって、主人公・秋山淳五郎真之が両国の多くの軍人たちが犠牲になったこの戦争で気を病むとのこと。
最後はどのような心に残るカットが見られるものかと、最終話が楽しみである。このドラマで描かれているように、日本が近代化の道を歩む中で、図らずも大国との戦争に巻き込まれながらも、我が国の行く末を懸命に守ってくれた先人たちの生きざまがあったからこそ、今があることに感謝しながら3年間じっくりと観てきた。
ただ、残念なことには平均視聴率が10%程度とか、もっと多くの人に観てもらいたい。特にこれからの日本を背負って立つ若い人たちに・・・是非とも観てほしい作品である。(夫)
[追 記]~最終回・あらすじ~
1905(明治38)年5月27日、巨大な艦影が1艦また1艦と三笠の前に姿を現し、いよいよ連合艦隊とバルチック艦隊の戦闘が始まった。連合艦隊は世界の海軍戦術の常識を打ち破る異様な陣形をとる。真之(本木雅弘)が水軍の戦術案からつむぎ出した、艦隊を敵前でターンさせるという捨て身の戦法だ。
東郷(渡哲也)は「まず敵の将船を破る」という真之の戦術原則のとおりに艦隊を運用。三笠の砲弾が目標である敵の旗艦「スワロフ」の艦橋に命中した。2日間にわたる七段構えの攻撃を受けたロシア艦隊は、主力艦をことごとく撃沈、自沈、捕獲され、ついに白旗を掲げて降伏。連合艦隊は、奇跡といわれた歴史的勝利を収める。
そのころ、満州の最前線にいた好古(阿部寛)のもとに母・貞(竹下景子)の死を伝える電報が届く。帰国した真之は、この戦争で敵味方ともに数多くの犠牲者を出したことに耐えられず、その苦しい胸中を妻・季子(石原さとみ)に打ち明ける。
9月5日、ポーツマスで日露講和条約が調印された。しかし、日本はロシアから賠償金を得ることはできなかった。国内では新聞が「弱腰の講和」と政府を批判し、不満をもつ民衆が日比谷焼き打ち事件を起こした。
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