紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

「うめめ」をみる。

2006-09-26 21:22:54 | 読書
 せんだって書評だけでのめりこんでしまった梅佳代ファースト写真集『うめめ』をついに注文買いした。

 前回のブログで彼女が1981年生まれだと知ったとき、若い!と予感したが、やはりわたしにとっては惜しくもまだ「青い果実」。あと3歩ほど踏み込んでくれたら「おおお~」と感心してあげようと思う。とはいえ、やっぱり面白かった。

 写真集といっても、ひとまわり大きなャXトカードブック程度の大きさなので、携帯に便利だ。写真展の案内絵葉書のオマケ付きである。このサイズはなかなか好きかも。

 表紙の写真は草の上にあおむけに寝そべった子ども。が、カルビーのスナック、ロングフライャeトのようなものを(「じゃがりこ」でしたっけ?)片手に抱え込んだままなので、しかもパッケージの口があいていたので、容赦なく中味のャeトは草の上にこぼれ落ちてしまう。2~3才くらいの、何かに気を取られている子どもの表情と、たぶん空っぽのャeトの容器を抱きしめる腕の感じが、なかなか素敵。

 頁をめくって最初の写真は、木の柵の向こうにくすんだ色の荒れる日本海が波だっていて、やはりくすんだ灰色の空にぼんやりとした虹がかかるロマンティックな風景。なかなか、いい。

 いくつか頁をめくれば、公園でゴザをひいた上に座って話し込むお年寄りふたり。アルミのお鍋とビールの缶を間にはさみ、ひとりはまくしたて、ひとりはうなずきつづける人びとではないかと想像する。

 たぶんまだ字の書けない子どもがつくったと思われる七夕の飾りらしきもの。自画像?と星の飾りが枯れきった笹に付けられている。自画像のからだの部分はお願い事を書くことになっていたらしく、大人の字でこう書かれていた。
「おおきくなったら りすになりたいです たまき」
 「りす」!! だから茶色の紙なのね。
 う~~ん、「お願い事が書いたもの」を読むのは楽しい。神社に下げられた絵馬とかもね。

 ものすごく上品でいかにもリッチな、髪も綺麗にセットしたおばさまが、上着を着せたチワワを「おんぶ」しているのが、なんだか可笑しい。こういう、言うに言われぬ可笑しさが彼女のセンスなのかも。

 それからカブトムシを指にはさんで見せてくれる、ランドセルをしょった男子小学生! 大切な大切なカブトムシを、いとおしそうに眺める表情に、たいていのオンナはイチコロだよ~~。全女子必見! この写真集のなかでは、かなり好き。写真としては、もしかすればなんてことないのかも知れないけど。オンナ心にグッとくるものがある。(わたしだけ!?)

 その一方「魅惑のャ泣m映画3本立」のャXターとスチールの前で熱心に観察するご老体も微笑ましい。食い入るように、とか、よだれを垂らさんばかりに、ではなく、あくまで仔細に観察の上で研究、という無心な探究心が後ろ姿に漂って、しみじみ。

 一方通行の標識に引っかかる、干されていたのが落下したらしい蒲団のシルエットが、人間っぽくて面白い。その向こうの床屋さんのネジネジ看板?の後ろに丸まってるのも、もしかすると・・・?

 小学校の下駄箱付近で、わざとお茶目にメンチ切ってる(目を細めて横目で睨む)男子小学生。そのうしろには、
「明るく、元気に、いつでも どこでも、だれにでも、ひとよりさきに・・・(略・写真が切れていて不明)・・・あいさつしよう」という張り紙が。
 小学生男子は、やっぱり面白い。

 写真集を見た後は、なにか欲求不満だなあ。もっとみたい。はやいとこ、次のお願いします、梅佳代さま。