紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

できる!桂文珍

2006-09-29 10:10:46 | テレビ

 今朝は多少余裕がある休日だったので、新聞のテレビ欄をチェックすることができた。先日の小松政夫以来、NHKの「生活ほっとモーニング」には気をつけておかないと。

 ほらほら~、本日は桂文珍ではないですかー。学生の頃より、桂枝雀とともに桂文珍を密かに注目していた私は、テレビを見ながら出来る家事「部屋の片付け」にチェンジする。今年の冬、近くのホールに、せっかく文珍が(もちろん落語をしに)来たっていうのに、見逃してしまったのが悔しい。たぶん関係ないが、滋賀県守山市には「文珍」という昔から評判のお好み焼き屋がある。
 
 時事ネタを織り交ぜる知性派、慎重で誠実な人柄なので、安心してお付き合い出来そうな??倹lさんだが、文珍が師と仰ぐ立川談志が彼を最大に評価しつつ「奴はアタマがいい、けど常識の内で面白い事やっているね。芸事をやるんだったら、『狂気』、みたいなとこまで、常識を超えて行かなきゃ」とおっしゃっている映像を見ていた文珍の眼光鋭かったこと! もう、ひとことも聞き漏らすまいという全身で聞く姿勢に、シビアな芸事の世界をかいま見た思い。見ているだけで汗がでそうだった。

 番組の間、文珍の目はどれほど変化した事か。柔和、温厚、鋭利、真剣、懐古、慈愛。これほどその場、その場で真剣に対処するまなざしには、めったにお目にかかれない。

 三波春夫が唄っていたように、文珍の基本姿勢は「お客様は神様」。とにかくお客様を楽しませる事、すべてはお客様のために自分のすべてを使い倒して落語をする、というのがポリシー。
 そういえば9月27日の蕃茄さんのブログに池袋東武百貨店の案内の素晴らしさについて書かれていたのが、サービス業のお手本みたいだった。私も実に参考にさせてもらった。たとえ自分ところの利益に関係なくとも、お客様の問いかけに少しでも答えられる努力をする。「しりません」「ありません」で終わるのではなく、その一歩も二歩も先を読んで、ベストを尽くす。

 ウチの職場でもレファレンス以外に、他の図書館、リサイクルショップ、水郷巡りの和船乗り場の場所を教えて欲しいなどという、さまざまな幅広い質問が寄せられる。交番のようによく道路や場所を聞かれるので、観光案内所から観光マップなどを束で貰って来て常備し、お渡ししたりもする。よくあるご質問への対処は怠らないつもりだが、まだまだ穴はいくらでもありそうなので、その都度埋めて行くしかない。

 文珍の話に戻れば、弟子の育て方についても、子育てに通じるものがある。
 「ほっといたほうが伸びる子、ひとつひとつ具体例を出して教えてあげないとわからない子、叱り飛ばして発奮する子、それぞれに教え方がある。そりゃー難しいですよ」

 そうそう。たとえ同じ血を分けた兄弟といえど、その資質はそれぞれに異なる。「同じように育てたのに、どうしてこの子だけ・・・?」と嘆く親御さんの話を読んだりするけれど、そりゃ、オートメーションじゃないんだから、同じじゃね。子どもを見なきゃ。見てたらなんとなく判って来る。始終一緒にいるんだもの。
 それに子ども達が一様に一緒だと面白くない。おお~、お前はそうくるか~、という変化球を味わえるのが、複数の子どもを育てる楽しみなのだ。

 まだまだこれからも楽しみな子育て、いや、桂文珍なのである。

おまけ:さっきまでスポンサードリンクにあったリクルートB-ingのCMです。仮面ライダーのショッカー戦闘員が、「イー」と叫びつつも内心「この仕事は自分を輝かせているのか?」と悩んでいたとは(笑)http://bing.jp/CSP/kanto/shocker/index.html