> 高校二年生夏
> 陸上部に入って一年と四ヶ月
> ぼくたちは人類の永遠のテーマについて考えていた
>
> 競泳水着!
> それすなわち魔法の衣装
> その魅力とは強制された束縛的フェティシズム
> 天使の肢体が布地にきゅうきゅうと食い込み…
>
> ああ
> これぞまさに天上のパラダイス……!
「変態王子と笑わない猫。」。
冒頭からいきなりこれである。
これにはまいったと言わざるを得ない。
(買ったのはマンガ版なのでラノベのほうはどうか知らん)
概してスクール水着とは、自分自身がスクールに通っている最中にはその良さには気付くことができないアイテムである。
同年代の女の子のその雄姿に何とも思わないまま成長し、そして学校を卒業したその後で良さに気がついて後悔するものだ。
それこそがスクール水着であり、スクール水着のもつ悪魔の呪縛である。
しかしこの変態王子は、高校二年生にて既にその領域に到達しているという。
なんと恐るべきか。
さすがは変態王子と呼ばれるだけのこはある。
この物語は、変態王子が身をかなぐり捨てて真実の愛を手に入れたラブロマンスである。
これからは正直に生きよう。
それは彼が教えてくれた大切なことだから(笑)。