教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

あの花に見た思い出を僕はまだ知らない。

2012-01-13 00:02:21 | オタネタ全般
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」
作風がおとなしいにもかかわらず大きな人気を博した作品である。

わたしもけっきょく全話見てしまったのだが、
実のところイマイチよくわからなかった。

設定やストーリーが難解で意味が理解できないという意味ではない。
作者がそこで伝えようとしたものがわたしにだけ伝わっていないという意味においてである。



ある人は言った。
「この作品は、誰しもが持っている青春のほろ苦い思い出をどこかくすぐるのでしょうね・・・」
と。

しかし、わたしの人生において、あの花のストーリーと強い相関がある思い出は存在しない。
だから、あの花のストーリーの意味はわかるのだが、どうもイマイチ魂でそれを理解した気がしないのだ。



恋愛とは、たいがい
「こんなはずじゃなかった・・・」
と感じる何かを経験するものである。

相手が二次元のヒロインであってさえそういう事は起きる。

センチメンタルグラフティーのゲーム本体がブームのオマケだった件とか。
宇宙のステルヴィアの小唄氏ね祭りとか。
カンナギの非処女事件とか。
アイマス2のリストラとか。

まあ、我々であってさえいろんな経験を重ねてきたものだ。
リアルワールドならなおさらだろう。

そしてあの花では、小学生という若い年齢でそれを経験し、そして高校生になるまでそれをひきずって過ごしてきた、そんな少年少女のお話である。
恋愛がうまくいかない事例をまさに地でいっているといっていい。



このアニメは、かつて罹患した初恋という大病によって今なおえぐられると痛い心の傷を負う者にだけ理解できるものなのだ・・・ろうね、きっと。
逆にいえば、このアニメ見て得られた感動の深さによって、その人の受けた傷の深さも推測できる・・・かもしれない。

「おまえら若いんだから、そんな非生産的なことで今さら悩むより、もっと前向きに強く生きるべきだろ!」
としか思わないヤツは、かつて受けた傷が完治し、なおかつ二度と深手を負わぬよう超回復した者であろう。

その者はあの花を楽しめない。
しかし人の到達点は恐らくそこなのだ。