教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

金を買わない理由

2012-01-24 00:06:24 | 経済/経済/社会
いま金がすごい値段になっているのは近所のおばちゃんでも知るところになっている。
こんな値段になるとは完全に予想外だったし、そういう意味では機会コストを払ってしまったと言えなくもないところがあり、自身しくじったと後悔するところもある。

最近、会社の同僚の何人かから
「金ってどうだろう?」
と質問されることがある。
わたしが株だとか何だかんだに手をだしているのを知ってのことだ。

「俺は絶対買わない」
と常に答えている。
もちろんそれには理由がある。



1.

金が高騰する理由の1つとして
「金の埋蔵量は限られている」
というのがある。

しかし、いまは金のほうがプラチナより高い。
これでは金より埋蔵量が限られているプラチナより金のほうが高いことを説明できない。
金属としての本源的価値の上限から見れば金はプラチナの値段未満のはずだ。



2.

金が高騰する理由の1つとして
「新興国の携帯電話などで金の工業需要がどんどん増えている」
というのがある。

新興国の携帯電話の台数はどんどん増えているのかもしれない。
だが、金の工業需要はむしろ減っている。
ワイヤボンディングを金から銅に変更するなどして値段が高すぎるから消費を抑制する技術が進んできているためだ。

金の需要が増えているのは投資目的と装飾目的だ。

さきの説明は統計と矛盾している。
これは人の説明が正しいかどうかを統計情報を使って検証すればすぐわかる。

だいたい
「新興国の携帯電話などで金の工業需要がどんどん増えている」
と語る人のなかで、携帯電話のどこに金が使われていて、その代替としてどういう技術が考えられていて、その代替技術の欠点は何か、それを答えられる人を見たことがない。

ある人は
「カモの特徴は、人からもらった資料だけで投資判断をする人だ」
って言っていたよ。



3.

金投資セミナーの講師がいくらリクツをこねて
「金はまだまだ上がるはずだ」
と言ったところで、どこまで上がるのかの根拠をマトモに言える人など見たことがない。

ウソでもいいから金の理論価格をはじいてみてほしい。

仮に原油なら、深海の油田の採掘コストは70ドル以上するらしいので、いま掘りやすい油田が枯渇すれば原油は70ドル以下には絶対下がらない。
この事実は原油は70ドル以下になれば買いだと判断する材料の1つになる。

ならば金はどうだろうか。
なんちゃってでもいいからそのことを調べてたら今の値段がマトモではないことに気付くはずだ。

わたしに投資相談してきた人には
「セミナーの講師に説教できるくらい自分で調べて知識をつけてからでないと自分の大金をはってはならん」
と言っている。



4.

投資というのは
「自分より愚かなヤツに自分のポジションをなすりつけることで成功するものだ」
と説明する本もある。
言い換えれば、いちばんヘタな人と同じポジションを取ってはならんといってもいいのかもしれない。
いちばんヘタな人の代表例というと、日本人の個人投資家である。
個人投資家というとかっこいいが、ようするに近所のおばちゃんと言い換えても遜色ない。

最近はその近所のおばちゃん向けに金の投資セミナーがぼちぼち開かれるようになっている。
そしてこれまでろくに投資経験もないような人が
「金ってどうだろう?」
と質問してくることこそがまさに天上が近い兆候であると考える。

ベトナム株もそうだったよね。
ベトナム株がちょうど天井のころ、ベトナム株を熱く語る人にベトナムの貿易赤字の大きさの問題や他の新興国と比べてファンダメンタルズでベトナムが優秀だと判断した根拠を聞いてみたが、そいつはわたしの質問を理解できなかった。

アメリカでも
「靴みがきに株式投資指南をうけたら絶好の売り時だ」
と言われているよ。



ここまで言えばわたしのところに来た人は金に投資するのをやめようとする。
とはいっても、金に対する投資はしないと判断して機会損失をまねいたわたしの言うことだからアテにはならんがね(笑)。
株ではかなり勝ったけど為替ではかなり負けてるわけで、そんな儲かる的確なアドバイスができているとは到底思えんし(笑々)。