さて、ベコ旅の山歩き新シリーズです。
今回ベコが訪れたのはなんと立山黒部アルペンルート。
北アルプスの山々を望む雄大な景色の中、トレッキングを楽しもうという計画です。
一方、不安なのは日本列島に近づくダブル台風の動き。
果たして今回はどんなベコ旅になるのでしょうか?
まずは立山黒部紀行の初日です。
やってきたのは美女平。
立山黒部紀行の手始めに、美女平の森で軽くウォーミングアップです。
この森ではいろいろな野鳥が観察できるのだとか。
楽しみですね!
ところが、美女平駅を出てみると…
ベコ 「ひょえー、霧で覆われてるべこ〜」
ドン曇りどころか、あたりは真っ白!
これはちょっとマズイですね…。
引き返そうか迷いましたが、とりあえず案内図を見てみましょう。
遊歩道は短いコースから長いコースまで4種類。
さいわい雨は降っていないので、もっとも短い黄色コースを歩いてみることにしました。
とは言え、
ベコ 「遭難するかもだべこ!」
こんなに霧が深くてホントに大丈夫でしょうか?
何はともあれ地図に従って歩き始めると、最初はなぜか車道。
周囲はオドロオドロしい杉林です。
もしや、この森の中に遊歩道があるのでしょうか?
想像するとちょっと怖いです。
車道を歩いていると、道端に大きな杉がありました。
ベコ 「子育て杉だべこ!」
これは「子育て杉」という巨木。
所々に立っている巨大な杉には名前がついているのです。
それにしても巨大ですなー。
そして、さらに歩くと遊歩道に入るポイントがありました。
ベコ 「い、いよいよだべこ…」
ここから森に入るようです。
少し前を歩いていた観光客は、普段着の軽装のまま森の中に消えていきました。
そして、入り口付近にはクマ注意の貼り紙が!
ベコ 「クマに注意だべこ!」
立山黒部もやはりクマの生息地。
6月には美女平で人がクマに襲われる事件が発生しています。
危険そうだったら引き返すことにして、行けるところまで行ってみましょうか。
それでは、意を決して足を踏み入れてみましょう!
むむ
むむむ!
これは、ホントに遭難するかもしれません…。
ちょっと冷や汗が出てきました。
立山杉の森は霧の中。
しかし、そんな森の中には、巨大な杉の木が立ち並んでいるのです。
ベコ 「ひゃー、巨大な立山杉だべこ!」
のっぽの立山杉です。
一方、こちらはなんとも不思議な杉。
ベコ 「ありゃ、ひん曲がってるべこ」
どうしてこんなに曲がってしまったのでしょうか。
そしてこちらは「おんば杉」という巨木。
ベコ 「おんば杉だべこ」
おばあさんの杉という意味でしょうか?
さらに進むとこれまた大きな老木です。
これは「不老杉」。
この森にはこうした大木があちこちに立っているのです。
どうやら、想像以上にすごいところに来てしまったようです。
お、気が付くと足元に巨大なキノコが。
ベコ 「巨大キノコ発見だべこ!」
立山杉だけでなく、キノコまで巨大化しています。
それはそれとして…
不思議なことに周囲はまったく音のしない無音の世界。
立ち止まって耳を澄ましても、何の音も聞こえません。
これこそホントの静寂です。
ベコ 「うおーっ、静寂だべこ~!」
ベコの叫び声も霧の中に吸い込まれていきます。
こんなことがあるのでしょうか!?
いやー、何とも不思議な世界に踏み込んでしまいました。
深い霧に覆われて、ベコの足音と心臓の音だけが響いてきます。
ベコ 「ド、ドキドキだべこ」
ただ、遊歩道は思いのほか歩きやすくて助かります。
気がつくと、先に歩いていた観光客の気配もまったくしません。
クマ鈴も持たずに行ってしまったので、ちょっと気がかりです。
クマに襲われてなければいいのですが。
森の奥に行くにつれて、一段と霧が深くなってきました。
あたりは完全に真っ白。
歩く速さもだんだんと早足になってしまいます。
あせあせ。
あせあせ。
そんなこんなで、神秘の森を歩くことおよそ1時間。
道しるべの立山杉に突き当たりました。
ゴールが近い印です。
ベコ 「ゴールはもうすぐだべこ!」
この杉を過ぎたら、いったん谷を下るのです。
転落しないよう気をつましょう。
ようやく谷を降りたところで、
最後にこの階段を登らないといけないようです。
ベコ 「ありゃー、ふたたび登りだべこ~」
最後の最後、頑張って高低差を乗り切りましょう!
そして、ようやく
ベコ 「神秘の森を踏破したべこ!」
いやー、かなり怖いトレッキングでしたが、神秘的な体験にベコも感無量。
クマに襲われずによかったですね。
けど、霧の中は湿気が多くて気がつくと汗でびっしょり。
ホテルに戻ってゆっくり温泉に浸かりましょう!
つづく
<ベコたびinformation>
美女平
鬱蒼とした木々の中に巨大な立山杉がそびえる神秘の森。立山ロープウェイの美女平駅前から広大な森が広がっています。多くの野鳥がおりバードウオッチングもできるとのこと。
トレッキングコースとしては初心者向けで、長短合わせて4コース。今回はもっともお手軽なコースで所要時間は1時間ほど。
入口にある案内板やガイドマップがイマイチ分かりにくいのですが、コースのはじめは車道をてくてく歩きます。
しかし、周囲には深い森が広がっており、正直なところかなりビビります。しかも、あたりは霧で覆われてきたため、遭難するのではとの思いが頭をかすめました。
しかし、意を決して森の中に踏み込んでみると、これがまた不思議な世界。奇妙なことにまったく音のしない無音の世界で、霧の中に巨大な木々が浮かび上がります。
この日はたまたま霧が深かったこともありますが、これほど神秘的な森は初めての経験。恐ろしい気持ち半分と、不思議な雰囲気半分で無我夢中で歩きました。
かなり深い森の中に分け入りますが、足元は比較的歩きやすい道なので心配いりません。所々で 急な斜面や細い道がありますが、注意すれば大丈夫。
ただ、野鳥の見学ができるという割には鳥の声は皆無。お天気が悪いと野鳥もお休みなのかもしれません。
なお、有名な「火焔杉」を見ようと、途中で別のコースに進んだところ、ものすごい険しい崖に遭遇。あまりに足元が悪いため火焔杉は断念しました。さすがにあれが初心者コースかと疑問ですが、一歩間違えたら谷底に転落間違いなし。ご注意下さい!