奥高尾“逆沢作業道”に生えている「ソウシシヨウニンジン(相思子様人参)」。ウコギ科トチバニンジン属の多年草で草姿や花はトチバニンジンと全く変わらないが、赤い果実の先端だけ黒いマジックで塗ったようになる変種。去年ここでその果実を見ていたのでこの花もソウシシヨウニンジンと判断した。"相思子”とはマメ科のトウアズキ(唐小豆)の生薬名でその果実は赤く先端が黒い。
府中市立四谷小学校付近の多摩川河川敷に咲いている「コゴメバオトギリ(小米葉弟切)」。オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草でヨーロッパ原産。アメリカやアジアに広く帰化している。日本では1930年に三重県で発見されその後各地で帰化が確認された。花期は5~7月で茎の上部に直径4~4.5センチの黄色い花を多数咲かせる。葉の長さは12~13ミリと小さい。良く似た種のセイヨウオトギリの葉は20ミリ以上になるようだが、当地では見たことが無い。
キツネノマゴ科ハアザミ属の「ハアザミ(葉薊)」。地中海沿岸地方原産の多年草で草丈は1~1.8メートルになり5~7月に長さ4~5センチの筒状の花を穂状に咲かせる。「アカンサス(Acanthus)」とも呼ばれるがアカンサスは属の総称でもある。花は上唇が退化しており白い花弁(下唇)がありその上にブラシのような4本の雄蕊がある。雌蕊は花柱が長く萼片に張り付いて柱頭は2裂している。花弁と蕊を挟むように上には紫色掛かった萼片があり下部には鋭いトゲのある苞葉がある。写真は上部の萼片を持ち上げた状態だがその際に苞葉にある鋭いトゲに触れてかなり痛かった。ギリシャ語のakanthaとは“トゲ”の意味になる。ハアザミはギリシャの国花でその大きな葉は古代ギリシャ以来建築物や内装のモチーフになり“コリント様式”の円柱装飾などに見られる。