現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

ボブ・グリーンの父親日記

2021-08-16 15:14:10 | 参考文献

 1984年に出版された、著者の本の中では最も売れた本のひとつです。

 結婚11年目にようやく授かった娘の出産から、1歳の誕生日までの日々を、克明に綴っています。

 著者は、けっしてイクメンではなく、どちらかというと育児は妻に任せっきりで、仕事にうちこんでいます。

 1947年生まれなので、日本で言えば団塊の世代にあたりますが、そういった点では、日本の同世代の父親たちよりはややましな程度です。

 そうした頼りない父親の目から見た、娘の成長と、同様に頼りない新米母親だった妻が頼もしく成長する姿が、鮮やかに描き出されています。

 出産、退院、授乳、夜泣き、病気、育児書どおりにはいかない成長、初めての歯、寝返り、お座り、ハイハイ、つかまり立ち、立つ、歩く、食べる、言葉など、そうした初めての親子の体験のひとつひとつが、名コラムニストの観察と文章で見事に再現されています。

 私も最初の子を授かったのが八年目だったので、著者の気持ちは痛いように分かりますし、その時の素晴らしい体験を、この本を読むことによって、再体験できました。

 

 

 

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