2019年公開の韓国映画です。
支えつづけていた映画監督が急死したために、映画プロデューサーの職を失った40才の女性の話です。
気がつけば、職だけでなく、お金も、家も、男も、子供もなく、青春は過ぎ去っていました。
彼女と、その周辺の人々(大家さん、女優、そのフランス語の家庭教師など)との交流を、軽いコメディ・タッチで描いています。
女優の家政婦をしながら、本当にやりたいことを探すのですが、なかなかうまくいきません。
お決まりのように家庭教師に恋心を抱くのですが、あっさりと振られてしまいます。
けっきょく、映画に回帰して、脚本を書きはじめるところでお話は終わります。
この作品は監督(女性で、長く特定の監督のプロデューサーをやっていて、本作が監督としては初作品のようです)の実体験に基づいているようで、レスリー・チャン(香港の大スターで自殺しています)の幽霊が出てきたり、小津安二郎の「東京物語」の話がでたりと、かなりマニアックな映画ファン向けの作りになっています。
こうした淡々とした日常を描く作品も、韓国映画にはあるんだなあとやや意外な感がしました。