映画化もされた2008年出版(雑誌連載は2007年)の作品です。
学生時代に犯した集団レイプ事件の犯人と、その被害者である女子高校生のその後の人生を執拗なタッチで描いています。
描写に迫力があって一気に読ませますが、二人の関係が途中でよめてしまって、興ざめさせられる点もあります。
ひとつの事件が二人の一生をこのように狂わせるのは、ありそうでいて実はそうではないのではないかとの疑念を抱かせます。
ただし、この作品は、極端な誇張や設定を使って、偶然性も多用したいわゆるエンターテインメントの書式で書かれているので、そこまでリアリズムを求めるのは野暮かもしれませんが。