戦国時代のたがいに関係の深かった三人の武将(一番年長の斎藤道三は、織田信長の舅(道三の娘の濃姫が信長の正室)であり、明智光秀の義理の叔父(光秀での叔母が道三の正室)でもあります。ご存じのように信長は本能寺で部下の光秀に討たれました)の生涯を描いています。
作者自身があとがきにも書いているように、もともとは道三だけを描く構想だったのが、好評により信長や光秀までが描かれました。
そのため、全体のタッチが統一されておらす、やや奇妙な感じを受けます。
道三の部分は、作者の作品としてはかなり通俗的に書かれていますが、後半は純文学的な歴史小説のタッチで描かれています。
私の印象では、信長の部分が一番良く書けているようで、光秀の部分は付けたし的な感じを受けました。