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現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

白土三平「斬首の巻」カムイ伝所収

2019-05-03 08:50:41 | コミックス
 この巻では、主要な登場人物(カムイ(白オオカミ)は登場しません)が、その境遇を脱しようともがくがゆえに、厳しい試練(親しい人(本人も)たちが次々にむごたらしく殺されていきます)に直面します。
 カムイ()は、可愛がっていた年下の友だち()を百姓に殺され、その敵を討ったために死罪になります(その後、唐突に双子の兄がいたことになって、同じカムイを名乗って復活します。かなりご都合主義ですね)。
 正助(百姓(下人))は、「ねえちゃん」と慕っている同じ村の女性(草加竜之進の恋人)が、強引に領主の側妻にされたために自害してしまいます。
 草加竜之進(家老の息子)は、邪魔な家老を陥れようとする目付の陰謀と、恋人への領主の横恋慕のために、一族郎党を抹殺され、恋人も自害して、彼自身は脱藩します。
 主人公たちの成長につれて、彼らの恋愛も描かれていきますが、それぞれに身分の違う相手同士(草加竜之進(武士)にはオミネ(百姓)、正助(百姓)にはナナ(、カムイの姉))、カムイ()にはサエサ(頭の娘、ただしサエサの片思い))なのは、ここにも身分制度による障害を設けて、より身分による差別を明確にするためでしょう。
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