「草山」 金子みすず
草山の草の中からきいてると
いろんなたのしい聲がする。
「けふで七日も雨ふらぬ
のどがかわいた水欲しい。」
それはお山の黒い土。
「空にきれいな雲がある
お手々ひろげてつかまうか。」
それはちひさな蕨の子
「お日さん呼ぶからのぞかうか。」
「私もわたしも、ついてゆく。」
ぐみの芽、芝の芽、芽萱(チガヤ)の葉
いろんなはしやいだ聲がする。
春の草山にぎやかだ。
草山の草の中からきいてると
いろんなたのしい聲がする。
「けふで七日も雨ふらぬ
のどがかわいた水欲しい。」
それはお山の黒い土。
「空にきれいな雲がある
お手々ひろげてつかまうか。」
それはちひさな蕨の子
「お日さん呼ぶからのぞかうか。」
「私もわたしも、ついてゆく。」
ぐみの芽、芝の芽、芽萱(チガヤ)の葉
いろんなはしやいだ聲がする。
春の草山にぎやかだ。