chuo1976

心のたねを言の葉として

 「空色の花」  金子みすず

2012-11-23 05:54:57 | 文学
  「空色の花」  金子みすず



青いお空の色してる
小さい花よ、よくお聴き。

むかし、ここらに黒い瞳の、
かわいい女の子があって、
さっき私のしてたよに、
いつもお空をみていたの。

一日青ぞら映るので、
お瞳はいつか、空いろの、
小さな花になっちゃって、
いまもお空をみているの。

花よ、わたしのお噺が、
もしもちがっていないなら、
おまえはえらい博士より、
ほんとの空を知っていよ。

いつも私が空をみて、
たくさん、たくさん、考えて、
ひとつもほんとは知らぬこと、
みんなみていよ、知っていよ。

えらいお花はだァまって、
ぢっとお空をみつめてる。
空に染まった青い瞳で、
いまも、飽きずにみつめてる。
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札幌国際芸術祭

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