chuo1976

心のたねを言の葉として

『戦陣訓』 1941/1/7

2020-01-08 05:36:31 | 文学

現代語訳『戦陣訓』


 そもそも戦陣というところは、天皇陛下のご命令をもととして、皇軍の皇軍たる真価を現し、攻撃すれば必ず取り、戦闘すれば必ず勝ち、広く八紘一宇のご聖旨を世界に行き渡らせ、敵軍に、天皇陛下のご威光を仰がせて、その尊さを深く心に刻みつけさせる場所である。だから戦陣にある者は、十分にわが大日本帝国の、世界人類の幸福を増やさねばならぬという、尊い役目を会得して、皇軍の軍人として皇道を顕現するためにふみ行わねばならぬ、正しい道をしっかりと保ち、わが国の威光と恩徳とを、広く世界に揚げ現すように努めねばならない。
 思うに、軍人精神の根本となる道は、恐れ多くも軍人にお下しになった勅諭の中に、はっきりとお示しくださっている。そして戦闘や訓練などについて、よりどころとせねばならない大切な点は、また操典や要務令などの綱領に教え示されている。ところが戦陣の様子や事情というものは、また格別な点があって、どうかすると目先の事柄に気を取られて、大切な根本を忘れ、ひょっとするとその行いが、軍人としての義務に背くようなことがないとは限らない。十分に反省し気をつけねばならぬことではないか。そこで、これまでの戦陣における経験から考えて、常に戦陣で勅諭のご聖旨を頂いて、十分にその大御心に添い奉る行いができるように、いちいち実際の事柄について戦陣での行いのよりどころを教え、そして皇軍の将兵が、八紘一宇のご聖旨を世界に行き渡らすために守り行う道徳を、一層高いものにしようと思う。これがつまりこの戦陣訓本来の趣旨とするところである。


(陸軍省が制定し、1941年(昭和16年)1月7日に上奏、翌8日の陸軍始の観兵式において陸訓第一号として全軍に示達した。)


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