What A Wonderful World

毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

積み重なる「言えない言葉」

2006年10月05日 10時54分56秒 | 
 いやもうなんかねぇ、いっつもお邪魔しているゲーマーな方が、乙女ゲーの中のセリフのやり取りが、旦那様とお付き合いしていた頃の会話と、ばっちりシンクロしたと言う衝撃の体験を語っておいでだったのですよ。ほんとにらぶらぶ(死語?)なご様子で、うん、遠い昔あったなァと郷愁を感じたと言おうか、庭で妖精さんを見た感じと言おうか・・。


 とまァ、前置きは良いとして、先日ご紹介した「こころの傷を読み解くための800冊の本」の中で、大笑いしてしまった一節を載せます。


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ウルズラ・フックス「おじいさんのマフラー」から「すばらしい日曜日」

これに入っている短編はどれもこれも三・四ページしかないのに、そうしてとても日常的でどこにでもありそうな場面なのに、痛い瞬間をとらえていてつらい。

 この物語の家族は共働き夫婦と男の子一人・・・日曜日はせっかく家族水いらずなんだから、とお父さんは三人でドライブに行きたがる。しかし男の子はやりかけの工作をつくってしまいたいのである。でも、そんなことはいえない・・・・。
 お母さんにラクをさせるために、お父さんはレストランで夕食を・・・という。男の子はパンとスープだけだって家で食べるほうがいい、と思うがやっぱりいえない・・・。

 このお父さんは自分に都合の悪い話はきこえないのである。そうして自分が息子の工作を手伝ったり、お母さんのかわりに夕飯をつくろうなんてことは・・・思いつきもしないのだ。


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 私が大笑いしたのは最後の「思いつきもしないのだ」というところ・・・ほんとにそうだから。なので、最初のゲーマーな方のお話が、余計に遠い存在に感じられたのですよ。そういう時代は過ぎたなと言う感慨と、自分の感じているモノとの隔たりです。



 このお話を読んで、男の子に「なんで、言えばいいじゃん?」と言える人は、ある意味羨ましいですよ。

 核家族で、しかも共働きだから、普段は誰も居ない家に帰るこの子が、両親とどのくらい心の隔たりがあるのか思いやられて、心が痛みます。こういう小さい小さい出来事が、積み重なって関係が作られると思うから、何かをきっかけに「爆発」が起きた時に、さぁ何が問題だったんた、さぁやり直そうと言っても、直ぐには無理なんですよ。
 大人な年齢であれば、自分でそれに向き合って癒す(解消する)か、目をつぶってやり過ごすか出来ますが、小さい子どもは、何が原因か判らず、それと向き合う事すら判らずに、ただ苦しい居心地の悪い思いを感じていたりするわけです。

 この男の子の抱えているモノも、お父さんやお母さんのあり方の問題も、昔の自分や今の自分の事のように感じられて、考えさせられる一節でした。
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2 コメント

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おじゃまします (VIVA)
2006-10-06 20:08:16
先日は拙ブログにコメントをちょうだいしありがとうございました。宮城にお住まいなんですね。今日は東京も天気も良くないので何となく気の晴れない一日でしたが、こちらのブログで、楽しい気分になれました。



また時々お越し下さい。私もよろしければおじゃまさせていただきます。失礼しました。



追伸:私も胃が悪く、手術の経験があります。ご自愛されますよう。
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ようこそおいで下さいました♪ (すず)
2006-10-07 10:45:58
 拙宅までおいで頂きまして、有難うございました!



 VIVA様のブログのお話を伺うと、ほんと学校の生徒の気持に戻ったような気持になれます(笑)こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。



 胃を手術されたのですか~、術後も色々大変だと聞きます。お言葉とうり気をつけます。
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