風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

バランスのとれていない国

2008-01-21 05:10:55 | 倫敦うるるん滞在記
しかし日本もそうだけど、イギリスもかなりバランスのとれていない国だと感じる。

楽しい思いも沢山するけど、不快な思いも、沢山する。
私は一時期だけこの国にいる留学生だから、腹立ちつつも興味深くもあり流せるんだけど、もし私がこの先ずっとここで暮らしていく人間だったらそうもいかないだろうなぁとよく思う。

たとえば私の知り合いの女性は、夜の地下鉄で、いきなりイギリス人の親父に「prostitute(売春女)!」と何度も言われ、なんと新聞で顔をバシッと叩かれたそうだ。

そんなイギリス。
一日の買い物だけでも、天使と悪魔が盛りだくさん。

朝、スーパーの入口のところで鉢合ったおじいさん。またもやレディファーストで「Go ahead. Please come in, lady」と笑顔。単なる文化だとわかっていても、気分はいい。Ladyっていうのも、なんかいい響き。

しかーし!その後に行ったBoots(HACみたいな薬局)では。
母親と姉妹の3人親子がいて、その間を通り過ぎた瞬間、娘が「プッ」と笑いやがったのですよ!
もっとも、私はその瞬間は特に気にしなかったのだ。何を笑ったのかわからなかったし。
でもすぐ直後に母親がものすごい剣幕で「What! What did you laugh at now!! Tell me!(何!あなた今何を笑ったの!言ってみなさい!)」みたいなことを叫びつつ娘に激怒し、その後延々説教している内容から知った・・・。
あぁそう、あの娘、私を笑ったのね・・・(母親よ、あなたの大声で気付いちゃったよ、私は)。
何ですか、東洋人だからですか~?
まったくねぇ。さっきのおじいさんみたいなのもいるかと思えば、こういう子供もいる。
「イギリスの子供にバカにされてイギリスという国に腹が立つというより情けなくなった」と言っていた日本人がいたけれど、たしかにバランスのとれていない国だなぁ、と思う。

子供がこうということは、大人も内心では差別しているが、それでも「差別をすることはみっともないことだ」という意識があるから(そこはイギリス人)、それを表に出さないだけの人もいるんだろう。そして、そうじゃない人(心から差別をしていない人)もいるんだろう。

結局最後は、「人対国」じゃなくて、「人対人」なのだとあらためて思う。

しかし、江戸時代にこの国に来た長州ファイブ達や、明治期に来た漱石や(そういえば大鳥圭介もロンドンに滞在してたなぁ)、John Lennonと結婚しちゃったオノヨーコや、こっちの学校に通ってる日本人の子供達は、いっぱいいっぱい色んな嫌な思いもした&してるんだろうなー。

この街でがんばってきた彼らの存在にすごく励まされる毎日だよ。
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