「確かに、日本と比べればそれほど便利じゃないっていうのは皆が言うことで。でも僕らの世代だと、ちょうど小さい頃の便利さ加減っていうのと、それほど変わらないんですよ。僕ら高校生の時には、頑張れば部屋にエアコンが付くんだ! とか、頑張ればお湯が出るんだ! とかさ(笑)、すごく単純な一つ一つの希望があったけど、今東京に出てくる大学生にとっては当たり前のことなんだろうし。今の日本の持つその便利さがいいか悪いかっていうと僕もよく分からないけれども、好きか嫌いかっていったら、あんまり好きじゃなくなってきちゃったのね。今は自分でも『リスタート』ということを考えているので、逆にこのくらいの方が気持ち的に合っているんでしょうね」
(葉加瀬太郎インタヴューより @英国ニュースダイジェスト)
ヨーロッパやアメリカの主要都市を全部周った中でロンドンに最も惹かれ、昨年ロンドン西部に移り住んだ葉加瀬さん。
私はそれほどこの街に惚れこんではいないけれど、日本の便利さがあまり好きじゃなくなってきた、という気持ちはわかる気がする。
西欧ってカッコいい!などと日本人が思っていたのは昔のはなしで、日本にいる私の友人などはロンドンの不便さ(一般家庭のネット普及率の低さ、携帯の型の古さ、その他いろいろ)を見下している人も多い。
でも、日本の便利さってそんなにいいものか?と私は思うのだ。
ATMなどで老人がのんびり手続きしていても、大抵のこっちの人はのんびりと後ろで待っている。東京だとそういうときイライラしていることを隠そうともしない人が多い(少なくとも「後ろに待ってる人がいるんだよ」ということを示そうとする)。
なにをそんなに急いでいるんだろう。
どうしてこんなに生活が便利になったのに、みんなのんびりしていないんだろう。
そんな風に思ってしまうのだ。
繰り返すけれど、ロンドンってすばらしい!と言っているわけじゃないです。
ただ、東京の便利さと紙一重の忙しなさに疑問を感じることも多いこの頃です。
写真は、regent's park。もう桜が満開です。