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新対テロ特措法案は日本に何をもたらすか

2008年01月09日 23時21分24秒 | 外交問題
今の国民の関心事でもない「幽霊法案」と化してしまった感がありますけれども、それでも可決に向けて頑張る所存ということらしい。日本のマスメディアが挙って「薬害C型肝炎」の政治決断を迫ったのと同じくらい、この法案について宣伝活動を行わなかったことを不思議に思う(笑)。日本の国益にとっては非常に大切なのだ、みたいに息巻いている新聞とかが率先して国民に必要性を訴えればいいものを、そういう言論には一生懸命取り組むことができないらしい(笑)。必要なことができないくせに、「誤った感情論」だけをぶちまけ、煽動記事を垂れ流すという低レベルの新聞には、正直驚かされる。彼らにとっての「国益」とは、「自らの誤りを指摘されたことへの反発」だけであり、日本の利益を考えたものでも何でもない、というのが本当の姿である。そういう連中が「国益」などと御託を並べるのが、たいそう滑稽ではある。


現状では、日本国民の賛同はなきに等しいだろう。国民がやるべきだ、と考えているとも思われないし、それをやることによって日本の外交上の交渉で有利に立てるなどという利益が舞い込むものとも思われない。法案可決によって、日本の役割が国際社会に認識され、日本への称賛の眼差しや尊敬が得られるわけでもなく、日本への処遇が変わるというものではない。今頃になって、日本が給油活動を行うことが国益にかなう、とか言ってる間抜けな国会議員たちがいるが、それは真っ赤なウソだろう。いや、これは私がそう考えているだけなのだが。

具体的にお尋ねしよう。過去数年間に渡って活動を行ってきたのだが、それによって得られた利益とは何か?その活動を行っていたので日本は様々な交渉で有利な立場となったりしたのであろうか?もし、それで多大な利益に繋がった、というものがあるのなら、それを挙げてみなさい。米軍再編の交渉で日本に有利になった、北朝鮮との拉致問題で有利になった、中国とのガス田交渉で有利になった、国連常任理事国入りに有利になった、というように、何か得られたものがあったのか?(笑)
移転費用はふっかけられる、再編は言われるがまま、六カ国協議では日本抜き、米朝直接交渉に軸足が移された、中国への圧力は無力どろこか「中国参り」に精を出される、常任理事国は圏外になった、というように、活動の結果得られたのは「ナシ」ということではないのか?これまで長年やってきて無効であったものを、今後やれば必ず「国益」に繋がるっていうのは、一体全体どういった理屈なのであろうか。もしも本当に「国益」となっていたのであれば、日本は何らかの具体的成果、国益とみなせるような「果実」を得ているはずである。それが何なのか言えるはずであろう。国会議員ならばそれが説明可能なものであるはずだろう。だから、それを言ってごらんなさい、と言っているのです。

たとえば日本の稚拙な外交の結果、これまでは国民に説明できるような具体的成果がなかったのであれば、今後給油活動を行っても同じく「稚拙な外交」がある限り、何らの成果も得られないだろう。それは法案可決の成否には無関係な話だろう、ということ。「もしも給油活動がなかったら、~は得られなかったであろう」という評価があるのであれば、それを明らかにするべきであろう。そういうのも一切なしに、ただ「国益、国益」と言っても、普通の人々には全く理解できないだろう。私も同じく判らない。


自ら考えることのできなさそうな議員あたりが「情報が入ってこなくなった」とか言うが、これも単なる井戸端会議に混ぜて欲しいと願っている、どうでもよい参加者の1人にしか見えない。どんな集団でもいいが、仮に会社であるとしよう。会社には、地獄耳を持つ、何故か「色んな噂話」とか「みんなの知らないネタ」とかを掴んでいる不思議な人がいたりするだろう。

「ねえ、これ知ってる?」とか、「ね、ね、聞いて聞いて」とか、「えーっ!おまえ知らなかったの?」とか、様々な情報を持っていて詳しく教えてくれる人がいるかもね、と。そういう人から「オレにも教えてくれよ」ということで、みんなと一緒に何か聞いて知ってみたところで、「だからどうなの?」って話だわな。情報を得て有効に活用できるとか、自分の役に立つ具体的なことでもない限り、知ってみたことろで何らの利益もない。知らなくても結果が一緒なら、関係ないよね。「知りたい?どうしても?なら、何か交換条件で」ということで相手側に利益を与えたとして、聞くことができれば自分の「知りたい」という欲望は満足させられるかもしれないが、聞いてみたってしょうがないことや何らの利益にもならないのなら、無駄だわな。

しかも、その集団内で重要なプレイヤーでない人間としか認識されていないのなら、単なる「その他大勢」の1人でしかない。「コイツに話してみたってあんまり役に立たないし、意味ない」みたいに思われているのに、わざわざ噂話のグループに「ね、オレも入れてよ」と割り込んでいくみたいなものだ。本当に頼りにされている人間は、自分から聞きに行かずとも、相手側から「実は、重要な話があるんだ。聞いてくれるか?」とか、「お前に相談しておきたいことがあるんだ」とか、話を持ちかけられるものだろう。そうでない人物というのはそもそも重要ではない、相手にされてない、ということ(笑)。


情報は聞きに行くことが目的なのではなく、情報をどのように活用し自分の行動決定に活かすか、誰からの協力を得やすいか、どこにどのような働きかけを行えば最大効果が期待できるか、みたいな何かの目的があってはじめて意味のあるものだろう。それを「みんなの輪」に入れてもらうことが目的なのだ、ということでしか考えていないのであれば、自ら出かけて行く意味すらない。自分だけ外れて変人扱いされるのも嫌だし、噂話のグループに加われないのが寂しい、みたいに消極的理由なのであれば、別にどっちでもいい、利益でも何でもない、という話だ。

もっと具体的な「~を達成する(得る)為には○○が必要だ、だから今これをやっておく」というような考えというか、見通しや方針が前提としてあるものであって、それが一切ない見えないのである。方向感がない、と言ってもいい。だったら、別に今海外で活動する意味なんてないとしか思えない。プレゼンスが低下するのは、「~に参加しないから」なのではない。「~をやっていく」というような国家の意思が見えないからであり、その他大勢としてしか振舞わないからである。外交上でも「顔ナシ」になってしまっている、ということ。喧嘩に強いからとか、言いたいことだけ言う人間だけが頼りにされるものではないだろう。

そういうわけで、今の日本であれば「何をどうやっても」無駄骨に終わるだけのように思う。そうであるなら、やらない方がマシだ、ということ。あくまで比較の問題だ。もっと能力が高くなってから(笑)にした方がいいのではないか。