幾度か書いては消し、記事を公開しないでおこうと思ったり、色々と迷った挙句に、やはり出すことにした。
G20が終わって、世界経済には一服感が出始めたようだ。これは、素直に良い兆候といってよいだろう。傷ついた世界経済には、春の陽気と同じくらい明るい話題が必要なのだから。
さて、今回の会合では、日本国内報道のみならず海外でも、「中国の存在感が増している」といった論調の報道があったように思うが、いかがであろうか。世界経済が疲弊しているとて、中国を主役に据えようとする欧米諸国の気持ちが、私にはよく理解できない。実利にこだわるのは判らないではないが、あまりに節操がないのではないかと驚きを隠せないのである。
①中国は共産主義国
節操のない人々というのは、これまで社会主義や共産主義を敵対陣営として認定してきたにも関わらず、そうした主義主張は一夜にして崩れ去るものらしい。自由資本主義やかつての西側諸国というのを政治的拠り所として世界の枠組みを構築してきたのに、共産主義者は米国やEUの偉大なる友人に早代わりしたらしい。
笑止。
軍拡を続ける共産主義国であり、核武装国かつ戦略核ミサイルさえ持つ中国が、世界の潜在的脅威でないと言えるのは何故なのだろうか。度重なる地域紛争の主役であったし、今でもチベットや台湾の問題を抱えたままであることに変わりはない。二枚舌というのは、こういう時に用いるものなのであろう。よりによって、共産主義者に資本主義経済の綻びを肩代わりしてもらいたいと願うなら、自身が早速共産主義国に生まれ変わればいいではないか。資本主義国の敗北を受け入れて、中国のような共産主義国に宗旨替えでもするべきだろう。
②保護主義者を擁護する人々
彼らにルールなどない。あるのは、自分の都合だけである。だから、ルールは自分の都合に合わせて作ればいいだけだ。公平かどうかは、そもそも無関係なのだ。
保護主義は世界経済に悪影響を及ぼすというスローガンを掲げていたのは、誰なのか教えて欲しい。欧米では、自ら主張することと、行動とは全くの別だというのが一般的なのかもしれない。
中国が国内の公共投資を60兆円くらいするよ、というアナウンスを行うだけで、多くの国々が大感謝するらしい。彼らは、中国での使い道を知っているのだろうか。世界経済をたったの60兆円でえ救えるとでも思っているのだろうか。
その中国は、関税障壁を他のどの先進国よりも高く設定しており、国営企業や国内の特定企業の保護には余念がないではないか。60兆円の資金は、そうした企業に多くの金が流れるだけだというのに、何故か諸手を挙げて大歓迎、というのが欧米の反応らしい。その前に、どうして保護主義的な政策を野放しにしておこうとするのか甚だ疑問だ。
これは中国ばかりではなく、EUとてそうした側面はあるだろう。
日本が自動車や電機製品の輸出で稼いでいた時、欧米では何と言ったか?
日本の輸出はおかしい、と言っていたではないか。関税を撤廃させられたではないか。日本は自動車関税をゼロにさせられた。しかし中国は、完成車の関税はなんと25%だ。EUも日本車を輸入すると10%もの関税を取っている。こうした国々は日本に輸出する時には関税ゼロで自由に販売し、日本から輸出する時には関税をガッポリ取る、という、圧倒的に不公平な制度になっているのだ。米国やカナダだって、関税をゼロになんかしていない。日本の電化製品は欧州では高額な関税を取られ、価格競争で不利になるように仕向けられているのである。
要するに、日本にだけは市場が閉鎖的だと攻撃し、関税ゼロを求めるという狡さがあるだけ。
そして、中国人には決して同じようには言わないのだ。むしろ、「おお、共産主義者よ、我らにお恵みを」と物乞いしているようなものだ。だからこそ、中国が国内向け公共事業を決めただけで、各国が大喜びするのだそうだ。ここまで共産主義礼賛を見せられると、反吐が出そうだ。
日本が90年代に大規模な財政支出を決めた時、米国が日本にお説教をしに来るだけで、世界の誰も歓迎などしなかった。日本人は常に騙され続けたのだ。そして、今も同じである。
日本が米国債保有高の世界一であった期間はそれなりに長かったが、日本はどうであったかと言えば、「ぶあか野郎!」ということで米国から怒られ、「お前ら、売らずに持ってろ、このボケが!」とぶちのめされたのだった。だが、僅か数ヶ月前に中国が日本の保有高を越えたという時からは、日本はタダの客の1人に過ぎなくなり、「中国さま」が上客のお得意さまに変身したのだそうだ。日本はその他大勢の1人に過ぎない、ということが、いよいよもって判明したのだということ。
日本が今よりもずっと成長していた時、先進国のどこであろうと、これを歓迎などしなかった。むしろ憎まれ続け、恨まれ、バッシング対象とされた。
日本は、もっと国連分担金やODAに金を使え、と怒鳴り込まれることはあっても、金を払ったからといって感謝などされなかったし、湾岸戦争の時にだって米国に戦費として金を召し上げられただけだった。今は、中国が途上国に自分たちの権益を拡大する為だけに資金をつぎ込んでいても、他の先進国から文句一つでることもなく、安保理の常任理事国であるにも関わらず、権限だけは大きくて金はケチって出さないし、日本みたいに途上国向けに資金提供するどころか日本からは「もっとODAを継続しろ」と金を奪っていく始末なのだ。金だけ奪っていって、存在感もヘチマもなかろうに。常任理事国のくせに、日本以下の金しか拠出していない国々は、発言権を大幅に縮小した方がいいな。
欧米の得意の言い分は何だったか?
株主が偉い、株主が大事、だったんじゃないか?
金を出している株主は出資比率(持株数)に応じて議決権を与えられているが、国連分担金は違うのだそうだ。日本が1千億ドルの新規出資を決めたIMFだって、出資比率に応じて議決権があるらしいじゃないか。笑えるぜ。
無駄に金を多く取られたって、発言力が増すわけでもないのだ。むしろ、圧倒的に少ない中国やロシアなんかの方が、存在感が高まるのだと。ならば、そっちに金を出してもらえばいいだけだ。新興国が影響力を持つだのと言う割りには、金を出さない連中が多すぎる。
こうやって、お人よしの日本は一方的に金を奪われていくだけ。
何かをやっても、金を出しても、文句を言われるか、舐められるだけ。
以上を踏まえて、今後の日本の取り得る選択肢を考えてみたらよい。
日本は、再び鎖国でも考えた方がいいかもしれない。どうせグローバル化や反保護主義とか言っても、日本に不利なルールや仕組みが作られるだけ。残るのは、一方的に不利な立場のみ。北方領土だって、その一つでしかない。あるのは、彼らにとって都合のよい論理だけだ。
だから、鎖国によって隔絶された世界で生きる方がマシ。世界経済なんか無視して、米国債だろうとドルだろうと全部売ればいい。これまでの海外投資や工場なんかも全て引き払って、全額日本に戻せばいい。彼らが望んでいる世界とは、そういう世界だ。中国が60兆円使ってくれればいいだけなんだから。
実際、日本に商売しに来ている外資の連中は、「資金を引き上げるぜ」「スポンサーを降りるぜ」それでもいいのか、というあからさまな脅しを使ってきたんだから、彼らと同じように行動したらいい。これが向こうの論理・やり方なのだから、それに準じればいいだけなんだよ(笑)。彼らが選んだ方法と同じことを、全く同じように返してやればいい。簡単でしょ?
そうでもしなけりゃ、彼らは永遠に思い知ることなどないだろう。日本人が何か言っても、聞く耳を持つ人間など海外にはいないが、本当の行動で示せばどんなに鈍感な連中とて、知る時がやってくるだろう。そこまでやらないと、判りはしない。骨身に染みて判る、ということにはならないだろう。
というわけで、今だからこそ、本当に判らせてやるのさ。
G20が終わって、世界経済には一服感が出始めたようだ。これは、素直に良い兆候といってよいだろう。傷ついた世界経済には、春の陽気と同じくらい明るい話題が必要なのだから。
さて、今回の会合では、日本国内報道のみならず海外でも、「中国の存在感が増している」といった論調の報道があったように思うが、いかがであろうか。世界経済が疲弊しているとて、中国を主役に据えようとする欧米諸国の気持ちが、私にはよく理解できない。実利にこだわるのは判らないではないが、あまりに節操がないのではないかと驚きを隠せないのである。
①中国は共産主義国
節操のない人々というのは、これまで社会主義や共産主義を敵対陣営として認定してきたにも関わらず、そうした主義主張は一夜にして崩れ去るものらしい。自由資本主義やかつての西側諸国というのを政治的拠り所として世界の枠組みを構築してきたのに、共産主義者は米国やEUの偉大なる友人に早代わりしたらしい。
笑止。
軍拡を続ける共産主義国であり、核武装国かつ戦略核ミサイルさえ持つ中国が、世界の潜在的脅威でないと言えるのは何故なのだろうか。度重なる地域紛争の主役であったし、今でもチベットや台湾の問題を抱えたままであることに変わりはない。二枚舌というのは、こういう時に用いるものなのであろう。よりによって、共産主義者に資本主義経済の綻びを肩代わりしてもらいたいと願うなら、自身が早速共産主義国に生まれ変わればいいではないか。資本主義国の敗北を受け入れて、中国のような共産主義国に宗旨替えでもするべきだろう。
②保護主義者を擁護する人々
彼らにルールなどない。あるのは、自分の都合だけである。だから、ルールは自分の都合に合わせて作ればいいだけだ。公平かどうかは、そもそも無関係なのだ。
保護主義は世界経済に悪影響を及ぼすというスローガンを掲げていたのは、誰なのか教えて欲しい。欧米では、自ら主張することと、行動とは全くの別だというのが一般的なのかもしれない。
中国が国内の公共投資を60兆円くらいするよ、というアナウンスを行うだけで、多くの国々が大感謝するらしい。彼らは、中国での使い道を知っているのだろうか。世界経済をたったの60兆円でえ救えるとでも思っているのだろうか。
その中国は、関税障壁を他のどの先進国よりも高く設定しており、国営企業や国内の特定企業の保護には余念がないではないか。60兆円の資金は、そうした企業に多くの金が流れるだけだというのに、何故か諸手を挙げて大歓迎、というのが欧米の反応らしい。その前に、どうして保護主義的な政策を野放しにしておこうとするのか甚だ疑問だ。
これは中国ばかりではなく、EUとてそうした側面はあるだろう。
日本が自動車や電機製品の輸出で稼いでいた時、欧米では何と言ったか?
日本の輸出はおかしい、と言っていたではないか。関税を撤廃させられたではないか。日本は自動車関税をゼロにさせられた。しかし中国は、完成車の関税はなんと25%だ。EUも日本車を輸入すると10%もの関税を取っている。こうした国々は日本に輸出する時には関税ゼロで自由に販売し、日本から輸出する時には関税をガッポリ取る、という、圧倒的に不公平な制度になっているのだ。米国やカナダだって、関税をゼロになんかしていない。日本の電化製品は欧州では高額な関税を取られ、価格競争で不利になるように仕向けられているのである。
要するに、日本にだけは市場が閉鎖的だと攻撃し、関税ゼロを求めるという狡さがあるだけ。
そして、中国人には決して同じようには言わないのだ。むしろ、「おお、共産主義者よ、我らにお恵みを」と物乞いしているようなものだ。だからこそ、中国が国内向け公共事業を決めただけで、各国が大喜びするのだそうだ。ここまで共産主義礼賛を見せられると、反吐が出そうだ。
日本が90年代に大規模な財政支出を決めた時、米国が日本にお説教をしに来るだけで、世界の誰も歓迎などしなかった。日本人は常に騙され続けたのだ。そして、今も同じである。
日本が米国債保有高の世界一であった期間はそれなりに長かったが、日本はどうであったかと言えば、「ぶあか野郎!」ということで米国から怒られ、「お前ら、売らずに持ってろ、このボケが!」とぶちのめされたのだった。だが、僅か数ヶ月前に中国が日本の保有高を越えたという時からは、日本はタダの客の1人に過ぎなくなり、「中国さま」が上客のお得意さまに変身したのだそうだ。日本はその他大勢の1人に過ぎない、ということが、いよいよもって判明したのだということ。
日本が今よりもずっと成長していた時、先進国のどこであろうと、これを歓迎などしなかった。むしろ憎まれ続け、恨まれ、バッシング対象とされた。
日本は、もっと国連分担金やODAに金を使え、と怒鳴り込まれることはあっても、金を払ったからといって感謝などされなかったし、湾岸戦争の時にだって米国に戦費として金を召し上げられただけだった。今は、中国が途上国に自分たちの権益を拡大する為だけに資金をつぎ込んでいても、他の先進国から文句一つでることもなく、安保理の常任理事国であるにも関わらず、権限だけは大きくて金はケチって出さないし、日本みたいに途上国向けに資金提供するどころか日本からは「もっとODAを継続しろ」と金を奪っていく始末なのだ。金だけ奪っていって、存在感もヘチマもなかろうに。常任理事国のくせに、日本以下の金しか拠出していない国々は、発言権を大幅に縮小した方がいいな。
欧米の得意の言い分は何だったか?
株主が偉い、株主が大事、だったんじゃないか?
金を出している株主は出資比率(持株数)に応じて議決権を与えられているが、国連分担金は違うのだそうだ。日本が1千億ドルの新規出資を決めたIMFだって、出資比率に応じて議決権があるらしいじゃないか。笑えるぜ。
無駄に金を多く取られたって、発言力が増すわけでもないのだ。むしろ、圧倒的に少ない中国やロシアなんかの方が、存在感が高まるのだと。ならば、そっちに金を出してもらえばいいだけだ。新興国が影響力を持つだのと言う割りには、金を出さない連中が多すぎる。
こうやって、お人よしの日本は一方的に金を奪われていくだけ。
何かをやっても、金を出しても、文句を言われるか、舐められるだけ。
以上を踏まえて、今後の日本の取り得る選択肢を考えてみたらよい。
日本は、再び鎖国でも考えた方がいいかもしれない。どうせグローバル化や反保護主義とか言っても、日本に不利なルールや仕組みが作られるだけ。残るのは、一方的に不利な立場のみ。北方領土だって、その一つでしかない。あるのは、彼らにとって都合のよい論理だけだ。
だから、鎖国によって隔絶された世界で生きる方がマシ。世界経済なんか無視して、米国債だろうとドルだろうと全部売ればいい。これまでの海外投資や工場なんかも全て引き払って、全額日本に戻せばいい。彼らが望んでいる世界とは、そういう世界だ。中国が60兆円使ってくれればいいだけなんだから。
実際、日本に商売しに来ている外資の連中は、「資金を引き上げるぜ」「スポンサーを降りるぜ」それでもいいのか、というあからさまな脅しを使ってきたんだから、彼らと同じように行動したらいい。これが向こうの論理・やり方なのだから、それに準じればいいだけなんだよ(笑)。彼らが選んだ方法と同じことを、全く同じように返してやればいい。簡単でしょ?
そうでもしなけりゃ、彼らは永遠に思い知ることなどないだろう。日本人が何か言っても、聞く耳を持つ人間など海外にはいないが、本当の行動で示せばどんなに鈍感な連中とて、知る時がやってくるだろう。そこまでやらないと、判りはしない。骨身に染みて判る、ということにはならないだろう。
というわけで、今だからこそ、本当に判らせてやるのさ。