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北方領土のこと

2009年04月27日 12時41分42秒 | 外交問題
不動産の不法占拠とよく似ているな、と思ったのが、ソ連の北方領土占拠である。
国際法上では不明確な点があるということであるが、日本が具体的なアクションを起こさない限り、今の状態が続けられる。これが継続すると、結果的には日本に不利になってゆくだけであろう。

基本的な情報はこれ
北方対策本部|北方領土の国際的取決め


よく不動産の競売などを阻止する為にヤクザ屋さんなんかが居座って、事実上そのヤクザがビルを管理している、というような「実効支配」を確立しているようなケースがあるかもしれない。こういうのは、本来の所有権者とか抵当権者たちの処分などを阻止し、ヤクザの実効支配が長期に及べば居座り続けたヤクザの側にも何らかの権利主張が認められるようになってしまう、というようなことである(現実世界でそのようなことがどの程度起こっているか、通用するか、というのは知らない)。元々は不法占拠で開始されたとしても、長期管理者となった占有者の権利が増大してしまえば、元も子もないのだ。


◇ビルの場合
 ・ヤクザが不法占拠
 ・事実上ヤクザがビルを管理
 ・ビルにはヤクザの実効支配が及んでいる

◇北方領土の場合
 ・ソ連が不法占拠
 ・事実上ソ連が北方領土を管理
 ・北方領土にはソ連の実効支配が及んでいる

こういう状態が長く継続されれば、実効支配している側の権利主張が認められる可能性が出てきてしまうのではないか、という危惧があるだろう。


日本が正統なビルの所有権者であるといったことを国際社会の中できちんと主張しない限り、決して認めてはもらえないであろう。軍事的に奪還するのも、非現実的だしね。ロシア側が突然思い出したかのように、領海侵犯とかを無闇やたらと摘発するのは、「実効支配」を長期に渡り継続している、という既成事実を積み上げようとしているのであろう。「ビル管理者はオレだ」という不法占拠者たちと、行為の中身自体はよく似ているのだ。

例えば香港やマカオは中国に返還されたが、こうした「約束」が現実に効力を持つのは、国際社会の中で「卑怯者」とか「ウソつき」とか呼ばれたくない為であり、軍事的に強制されたからといったような理由からではない。日本側がきちんと論理展開ができ、理路整然と所有の正当性を主張できるのであれば、ロシア側の非行事実を非難してもらえるように、国際社会に働きかけるよりないであろう。日本が単独で返せと言ったとしても、ロシア側が「聞えないね」と言ってしまえば、それで終わりだからだ。

ビルに居座るヤクザを追い出すには、所有者自身が腕力などで排除できないのであれば(普通はできないよね)、他の権力(裁判所とか警察とか)の力を借りるよりないのですから。現状のウヤムヤ状態が長引くと、実効支配側が有利になって行くだけだ。欧州とかの社会が本当に法治国家群の集まりであるなら、法に基づき判断できるはずであろう。そこでは、不法行為があるのであれば、批判して当然だ、ということだ。そうではなくて、欧米諸国がロシア側の肩を持ち日本の権利を認めないということであれば、未来永劫、日本が北方領土を回復することなどできるはずがない。つまりは、不法行為であろうとも腕力で勝てばそれでいい、ということを認める国際社会なのだ、ということ。

そこにあるのは、法ではない。力のみ、である。


非常に残念なことに、日本の外交というのは「芯」がないのだ。
筋が一本、通っていないのである。
だから、行き当たりばったりのようにしか見えないのである。

先日海賊の記事を書いたばかりだが、その中で日本が払う「ソマリアの海賊対策」の費用の方が「インド洋沖の給油活動費」よりも断然少ないよ、と言った。すると、どうだ?
今度は海賊対策に金を拠出すればいい、ということにでもなったのか、大盤振る舞いとなったらしいよ。
ソマリア海賊対策、補正予算で40億円拠出へ 政治 YOMIURI ONLINE(読売新聞)

何でもかんでも、ただ出せばいいってもんじゃないでしょ。
どういう意図・目的で、日本は何をしたいか、何ができて何ができないか、何をしたくないか、何をやめて欲しいのか、そういうのが終始あやふやであり、筋の通らぬ話が多すぎなのだ。で、急に思いついたように、想定外のことをやり始めるのである。そこに至る過程には、何らの戦略もなければ、メッセージもない。あるのは、わけの判らん体裁のみ。国のためにやっているのか、誰か一個人のためにやっているのか、見分けすらつかない。まるで「小手先主義」(そんなもんがあるかどうか知らない)が広く蔓延しているかのようであり、個人的手柄を目指しているようにしか思えないこともしばしばだ。


日本の外交が稚拙だからこそ、未だに北方領土は帰ってこないのかもしれない。




My Stress Test(笑)

2009年04月27日 09時37分04秒 | 経済関連
読んでいて、思わず笑ってしまった。
コーヒーは吹かなかったけれど、笑い声が漏れてしまったよ。

Bloombergcojp 特集記事コラム

項目とか選択肢を考えた記者氏は、中々センスがいいと思うよ。



ところでぼくは、どちらかといえば小心者ではないかと思う。
何故なら、生まれて一度も宝くじを購入したことがないからだ(笑)。
ストレスにも弱そう。
プレッシャーにも打ち克てないかもしれない。

剛毅の者であれば、ぼくなんかと違って「はらたいらさんに全部」と太っ腹な賭けができるかもしれない。おっと失礼。これは冗談ですが、豪胆の持ち主であると「一世一代の大勝負」みたいに大きく賭けるとか大相場を張るとか、できそうな気がする。ぼくにはできそうにないよ。なので、宝くじに1万円購入、とか、そういう大胆な買いのできる人が羨ましいかも。

ストレスに強いか弱いか調べたことがないのだけれど、悩みなんかで夜眠れなくなるとか、一度も経験したことがない。どんだけ深いの、その悩みは、とは思う。確かに、東京の駅とか電車は、多大なストレスを感じる。人ごみの中を歩くのとかも。
などと言いながらも、未だに投資とかは止めてないよ。ストレスに強いか弱いかは不明だけど、投資なんかはもっと別なような気がする。宝くじでハズレ損失を気にするくせに、株式の投資損はどうよ、とは思うね。自分でもよく判らない。ま、自分で自分の向き不向きが何となく判っていればいいのではないかな、と。


さて、全米が泣いたかどうかは知らないが、ストレステストが行われたらしい、ということだ。ぼくが採点する教官の立場ならば、きっと「都合のよい点数」というものを設定するに違いないと思う。だって、ほぼ全員が落第点だ、というのも気まずいし、不合格がたった1人とかだと「やたらと目立つ」ということになって、落ち込むか本当の落ちこぼれとなって脱落する(銀行破綻)かもしれないからね。なので、かつての日本でよくバカにされた「護送船団方式」という、おおよそ横並び状態が結果となるのではないだろうか、ということだね。

事後的ならば何とでも言える、とか批判する人もいるだろうが、自分の抱いたイメージには近かったのかもしれない。

コレね>世界に拡散する伝染病、「不安」

金融機関にストレステストなんてものがあるとは知らなかったけれど、distressは無縁というわけでもないみたい。
Severe Capital Distress Syndrome(SCDS)という命名も悪くはなかったかも、と自画自賛(笑)。


バーゼルⅡの策定前くらいから、「stress test scenario」とか「sensitivity stress test」とか、金融の世界では普通に知られていたようで、それなりのリスクシナリオに基づいて金融機関経営が行われていた、ということらしい。けど、「sensitization」のような現象については判らないのではないのかな、とも思う(元々ないかもしれないし)。最終的には人間が意思決定をしてしまうので、刺激の累積とかで主観的確率に影響しないとも限らないのではないだろうか、とか。


ま、いいか。
今回の危機の根本的な理由というのは、そういうことではないから。

ド素人的な発想だけど、ぼくの中では「こういうことかもな」というイメージはあるよ。

今後米国でのストレステストの結果が知らされるかどうかは、微妙な問題ではあるかもしれない。公表されなくても、逆に疑心や不信感が募るかもしれないし。情報の出し方は、難しい問題となるだろう。