以下のコメントを頂いたので、判る範囲でお答えしておきたいと思います。
(再掲します)
いつも拝見させていただいてます。そして勉強させていただいてます。
一つ質問させていただきたいのですが、西川続投支持派は収益を上げている西川を更迭するのはおかしな話だといいますが、実際のところはどうなのでしょうか?自分で調べろよということかもしれませんが、民営化後の損益の話はあまり耳にしないもので・・・。
お時間が許せばで構いませんので、どうかご教授お願い致します。
=====
西川社長が大変有能だから利益が出るのだ、といったようなご意見は知りませんが、別に普通の能力であっても利益は出ると思います。何故かといえば、「過去の遺産」が大変大きいから、ということになるでしょうか。
これまでに積み上げてきた有利な部分が残されているわけですから、プラスにすること自体はそれほどの困難はないのではないかと思います。
「収益を上げている西川」なんていう意見があるとすれば、それは、見る目なし、ということになるかと思います。
参考までに、西川さんは小泉-竹中時代に郵政公社総裁に迎えられる少し前まで、三井住友銀行の頭取かつ三井住友FG社長とかだったそうですが、どうして郵政なんかに来たかというと経営不振の引責辞任だったそうですよ(笑)。
日本経済が「成長路線」に乗ったとか言われて、戦後最長の経済成長期間真っ只中だったにも関わらず、05年6月くらいに辞め(させられ)た?みたいですけど。
そんなに言うほど優秀な経営者だったのであれば、辞めることなんかなかったんじゃないですかね。よく知りませんが。普通は稼げてるでしょ。赤字なんか出さんでしょ。ま、過去の話はいいですよね。
参考までに、日本郵政公社時代の利益水準ですが、4年間で約6兆4千億円ですから、単年度平均で約1.6兆円でした。郵政選挙直前くらいですと、単年度で2兆円規模の利益が出ていました。西川総裁になってからは、意図的に利益水準を圧縮し損失計上を重ねたので利益水準は半減して1兆円割れとなってしまったようですが。結果的には、国庫納付金は4年間分で約9625億円という、優良企業なみの納付が達成されました。法人税をまるで納めないメガバンク連中の何倍も立派だと言えるかもしれませんね(笑)。
参考:
郵政民営化の考察5
利益が出る理由は、郵貯と簡保で持ってる国債とか預託金の利息収入が多いから、ということになります。
100兆円の元金なら、2%運用だって2兆円もの利息収入になるからです。これが300兆円規模ということになりますから、寝ていても利息収入が入ってくるのです。これを無駄に使い続けるわけにはいかないでしょう、ということはあるかと思います。
利益の出る金融と保険はいいのですが、問題の郵便局と郵便事業においては苦戦、ということになります。特に、将来的に郵便の量そのものが減少していくとなれば、非効率運営を継続すれば投入すべき公金が増大していってしまう可能性があります。郵政選挙直前の数字でしか見ていませんでしたが、郵便事業では「230億円の黒字」という微々たるものだったようです。
民営化に伴って郵便事業の赤字が拡大した背景には、西川体制下で郵便事業と郵便局会社に不利な区分けなどが行われた(保険と銀行に多くの金と利益を持たせる為)とか、過去の損失処理などを増大させた(特に不動産売却損や減損損失など)ことによるのではないかと思いますが、帳簿を見ていないので判りません。会計の赤字なんて、生み出そうと思えば作れますので、「郵便事業はやっぱりダメだ」という印象付けに赤字を拡大させることなど、それほど困難とは思われません。
いずれにせよ、とても簡単に言うとすれば、西川体制になって利益は増えたか、減ったか、と聞かれたら、「減った」ということになるかと思います。過去の会計処理と異なるから(例えば固定資産税も払ってなかった、とか、預金保険料も払ってなかった、とか何とか)一概には言えないと思いますけれども、経営者として「素晴らしい超能力を発揮している」かと聞かれれば、いや全然そんなことはないでしょうね、とは個人的に思いますわな。
一度かなりの赤字に転落させて、次々と人件費削減の為に「人切り」を行って正規職員を激減させ、代わりに非正規雇用を拡大させれば大幅な人件費圧縮ができるのですから、黒字転化するのもそんなに難しい話ではないでしょう。だって、銀行と保険に有利になるように人の数を分けたんだし、お荷物のように郵便局(窓口)会社と郵便会社に大勢の人間を回すつもりでやれば、赤字だろうと黒字だろうと数字を作ることは可能だった、とは思えますね。
かんぽなんて利益が出すぎちゃって、利益圧縮の為に将来の所謂「レガシーコスト」を一括で損失計上しちゃったりしたくらいだしね。
もしも経営者として有能だ、という評価を下す理由として思いつくのは、ある目的の為なら、大義なんかクソ食らえだ、というくらいに汚いことができる、というようなことかな。
正義とか、まっとうな道とか、そういうのを信じるような普通の人間であると、弱さが出るもんだ。悪いヤツラというのは、そういう部分を的確についてくる、攻撃してくる、ということが多いからだ。
大義を目指すような人は人間として普通すぎるので、「何からも守られていないんじゃないか」とか「風評や煽動に攻撃されてダメになってしまうんじゃないか」とか、そういう不安に苛まれたり弱気になったりするもんだ。そうすると釈明しようとしたりするのが、普通なんだ。
だが、何かの企みによって動く人間というのは、多分そうじゃない。どうしてかといえば、企みが打ち破られるかどうかが悪い側の人間しか判らないからだ。企みが打ち破られない限りは、「守ってくれる」盾がある、ということだろうね。だから怯えない。盾があると判っているのだから、当然強気でいられるに決まっている(笑)。企みが打ち破られそうだ、というのは、傍から見ていれば判るからだ。
自分が犯人だとしようか。捜査員たちが捜査している状況は報道で判っている。手掛かりには辿り着けていない、ということが、手に取るように判るのさ。「まだ遠い」と確信している限り、動じたりする必要なんかないのさ。特に、あくどい人間に限って、本物のワルに限ってそうなのさ。まるで妖怪みたい平然としていられる。「自分には届いていない」と確信できるからさ。盾がある、と判っているからさ。
郵政民営化そのものが本当に悪いかといえば、個人的にはそうは考えていない。
しかし、やり口として、特定の利権集団にだけ分け前やオコボレが行くような、阿漕な真似は許せない。しかも、その先頭に立っているのが、社会的に尊敬されるべき立場の人間であるとすれば尚更、許すことができないのだ。
(再掲します)
いつも拝見させていただいてます。そして勉強させていただいてます。
一つ質問させていただきたいのですが、西川続投支持派は収益を上げている西川を更迭するのはおかしな話だといいますが、実際のところはどうなのでしょうか?自分で調べろよということかもしれませんが、民営化後の損益の話はあまり耳にしないもので・・・。
お時間が許せばで構いませんので、どうかご教授お願い致します。
=====
西川社長が大変有能だから利益が出るのだ、といったようなご意見は知りませんが、別に普通の能力であっても利益は出ると思います。何故かといえば、「過去の遺産」が大変大きいから、ということになるでしょうか。
これまでに積み上げてきた有利な部分が残されているわけですから、プラスにすること自体はそれほどの困難はないのではないかと思います。
「収益を上げている西川」なんていう意見があるとすれば、それは、見る目なし、ということになるかと思います。
参考までに、西川さんは小泉-竹中時代に郵政公社総裁に迎えられる少し前まで、三井住友銀行の頭取かつ三井住友FG社長とかだったそうですが、どうして郵政なんかに来たかというと経営不振の引責辞任だったそうですよ(笑)。
日本経済が「成長路線」に乗ったとか言われて、戦後最長の経済成長期間真っ只中だったにも関わらず、05年6月くらいに辞め(させられ)た?みたいですけど。
そんなに言うほど優秀な経営者だったのであれば、辞めることなんかなかったんじゃないですかね。よく知りませんが。普通は稼げてるでしょ。赤字なんか出さんでしょ。ま、過去の話はいいですよね。
参考までに、日本郵政公社時代の利益水準ですが、4年間で約6兆4千億円ですから、単年度平均で約1.6兆円でした。郵政選挙直前くらいですと、単年度で2兆円規模の利益が出ていました。西川総裁になってからは、意図的に利益水準を圧縮し損失計上を重ねたので利益水準は半減して1兆円割れとなってしまったようですが。結果的には、国庫納付金は4年間分で約9625億円という、優良企業なみの納付が達成されました。法人税をまるで納めないメガバンク連中の何倍も立派だと言えるかもしれませんね(笑)。
参考:
郵政民営化の考察5
利益が出る理由は、郵貯と簡保で持ってる国債とか預託金の利息収入が多いから、ということになります。
100兆円の元金なら、2%運用だって2兆円もの利息収入になるからです。これが300兆円規模ということになりますから、寝ていても利息収入が入ってくるのです。これを無駄に使い続けるわけにはいかないでしょう、ということはあるかと思います。
利益の出る金融と保険はいいのですが、問題の郵便局と郵便事業においては苦戦、ということになります。特に、将来的に郵便の量そのものが減少していくとなれば、非効率運営を継続すれば投入すべき公金が増大していってしまう可能性があります。郵政選挙直前の数字でしか見ていませんでしたが、郵便事業では「230億円の黒字」という微々たるものだったようです。
民営化に伴って郵便事業の赤字が拡大した背景には、西川体制下で郵便事業と郵便局会社に不利な区分けなどが行われた(保険と銀行に多くの金と利益を持たせる為)とか、過去の損失処理などを増大させた(特に不動産売却損や減損損失など)ことによるのではないかと思いますが、帳簿を見ていないので判りません。会計の赤字なんて、生み出そうと思えば作れますので、「郵便事業はやっぱりダメだ」という印象付けに赤字を拡大させることなど、それほど困難とは思われません。
いずれにせよ、とても簡単に言うとすれば、西川体制になって利益は増えたか、減ったか、と聞かれたら、「減った」ということになるかと思います。過去の会計処理と異なるから(例えば固定資産税も払ってなかった、とか、預金保険料も払ってなかった、とか何とか)一概には言えないと思いますけれども、経営者として「素晴らしい超能力を発揮している」かと聞かれれば、いや全然そんなことはないでしょうね、とは個人的に思いますわな。
一度かなりの赤字に転落させて、次々と人件費削減の為に「人切り」を行って正規職員を激減させ、代わりに非正規雇用を拡大させれば大幅な人件費圧縮ができるのですから、黒字転化するのもそんなに難しい話ではないでしょう。だって、銀行と保険に有利になるように人の数を分けたんだし、お荷物のように郵便局(窓口)会社と郵便会社に大勢の人間を回すつもりでやれば、赤字だろうと黒字だろうと数字を作ることは可能だった、とは思えますね。
かんぽなんて利益が出すぎちゃって、利益圧縮の為に将来の所謂「レガシーコスト」を一括で損失計上しちゃったりしたくらいだしね。
もしも経営者として有能だ、という評価を下す理由として思いつくのは、ある目的の為なら、大義なんかクソ食らえだ、というくらいに汚いことができる、というようなことかな。
正義とか、まっとうな道とか、そういうのを信じるような普通の人間であると、弱さが出るもんだ。悪いヤツラというのは、そういう部分を的確についてくる、攻撃してくる、ということが多いからだ。
大義を目指すような人は人間として普通すぎるので、「何からも守られていないんじゃないか」とか「風評や煽動に攻撃されてダメになってしまうんじゃないか」とか、そういう不安に苛まれたり弱気になったりするもんだ。そうすると釈明しようとしたりするのが、普通なんだ。
だが、何かの企みによって動く人間というのは、多分そうじゃない。どうしてかといえば、企みが打ち破られるかどうかが悪い側の人間しか判らないからだ。企みが打ち破られない限りは、「守ってくれる」盾がある、ということだろうね。だから怯えない。盾があると判っているのだから、当然強気でいられるに決まっている(笑)。企みが打ち破られそうだ、というのは、傍から見ていれば判るからだ。
自分が犯人だとしようか。捜査員たちが捜査している状況は報道で判っている。手掛かりには辿り着けていない、ということが、手に取るように判るのさ。「まだ遠い」と確信している限り、動じたりする必要なんかないのさ。特に、あくどい人間に限って、本物のワルに限ってそうなのさ。まるで妖怪みたい平然としていられる。「自分には届いていない」と確信できるからさ。盾がある、と判っているからさ。
郵政民営化そのものが本当に悪いかといえば、個人的にはそうは考えていない。
しかし、やり口として、特定の利権集団にだけ分け前やオコボレが行くような、阿漕な真似は許せない。しかも、その先頭に立っているのが、社会的に尊敬されるべき立場の人間であるとすれば尚更、許すことができないのだ。