遂に破綻したJAL。
企業再生支援機構主導による、会社更生法申請ということになった。今後の再生がどうなるかは、今のところ、不透明ではある。航空業界の厳しい競争に生き延びることができるかは判らないようである。
参考記事:
JALの社長人事に介入した政府
どうすれば、日本はデフレを脱却できるか?~その5
①日本航空にとっての1985年
この年は、JALにとって「特別な年」であった。
日本の空を巡って、極めて特殊なことが起こったのである。
>論談:日本航空、昔話
◎7月:
日航の取締役会で、長期の為替予約を決める話し合いが行われた。
11年間に渡って、1ドル=184円の平均レートという為替予約をしたのだ。その後の円高によって、当然の如く大幅な赤字を蒙ることになったわけである。一方では、為替予約の反対側の取引があるわけだから、儲かる相手というのは存在したはずである。それは一体誰だったのか?
日航は、この取引により約2000億円以上もの巨額損失を蒙ることになったのである。
◎8月12日:123便墜落事故
言わずもがなの、日航ジャンボ機123便の御巣鷹山墜落事故である。
原因は未だに定かではないが、大韓航空機事故から数年後の出来事であった。
◎9月22日:プラザ合意
日航が長期為替予約をしてから僅かに約1ヶ月後、先進国蔵相会議が開かれた。
日本の円安是正という名目で、協調介入という美名の円への介入政策が取られることとなったのだ。合意事項については、事前協議が進められていたため、大蔵省内部には「今後には、確実に円高がやってくる」という情報が得られていたはずであろう。多国間の外交協議が、僅か数日前に合意文書が作成されるなどということは難しいからである。すなわち、協議開始は、このはるか以前からのことであり、大蔵省が要求を呑むことも以前から決められていたはずであろう。
そうした背景があって、なおかつ日航に対し「隠然たる力」を有していたはずの大蔵閥がいながらにして、長期為替予約を行ったということである。
◎12月:運政審の答申
いわゆる、「45/47体制」終焉、航空業界の自由化・規制緩和推進、日航の民営化、という路線へと突き進むきっかけとなった。
日航にまつわる勢力―大蔵省と運輸省―がNOと言い続けていたであろうから、「既得権益死守の守旧派」対「自由化推進の規制緩和派」という、典型的構図があったのではないかと予想される。
恐らく、日航の墜落事故がなければ、このヤマを乗り越えることはできなかったかもしれない。トップ交代劇など、ドラスティックな変革が行われたのも、事故後のことだったからである。
バブル期にはデリバティブで損失を出す企業は珍しくはなくなったかもしれないが、当時のJALのように長期為替予約で大きな損失を出す企業というのは、極めて特異だったのではないだろうか。その損失は、長きに渡り尾を引くことになったのである。
②原油先物で大損失計上
08年になってでさえ、乱脈経営的な体質は変わっていなかった。
怪しげな増資を繰り返した挙句に、増えたはずの手元資金で無駄に高額な機材投資や原油先物取引に手を染めてゆくことになるわけである。
あれほど投機的であると警告した原油先物になんぞに、何故手を出したのか。
このまま上がり続けたら困るから、というような、安易なレベルで素人が先物などに多額の金をつぎ込むというのが、そもそもの間違いなのではないか。これでやはり2千億円超級の損失を出したわけでしょう?ニュースではまともに報じられてはいないのだけれどもね。
逆に、ちょうちん記事(笑)だけはあるけれどもね。
>日航「燃油先物」解約へ 会社更生法申請で 金融ニュース マネー・経済 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
必死だな。
政府保証つきで注ぎ込んだ追加融資の1000億円以上の金は、こうした先物の業者に支払う為の資金となってしまった、ということだろう?
なんて愚かなんだ。
結局、自分の金なんかじゃないからだ。
他人の金なんだよ。天下り官僚にとっても、そうさ。所詮は、「国が出してくれる金」だからだ。
おバカな「士族の商法」っぽい日航なんかには、まんまと高値で掴ませて大儲け、という図だろ。
こういうのは、「なによりも投資」推奨教団だの、「開かれた国ニッポン」教団だの、そういう連中の口車に乗せられて、一緒に「日本国売り」に大挙して参入していたからなんじゃないのか?
例の、私大が軒並み投資損の大損食らった図と、あまりによく似てないか?(笑)
つまるところ、どこかの誰かに、いいようにタカられ、毟られ、最後には、「国で面倒みてやれ」というお決まりのパターンに落ち着いた、ということですわな。そういうマヌケ揃いだということに、世間は気づいてなかったし、上の方では気づいていても内緒にしてきた、ということです。
これが、JALの法的整理の実態、ということですわな。
こういったことは、新たな経営陣がタカリ軍団の仲間であると、ずーっと隠されたままで過ぎてしまい、誰も責任を問われることもないだろうけどね。
あとは、国民負担でヨロシクです、ってか?(笑)
JALの末端職員が泣いてくれ、と。
企業再生支援機構主導による、会社更生法申請ということになった。今後の再生がどうなるかは、今のところ、不透明ではある。航空業界の厳しい競争に生き延びることができるかは判らないようである。
参考記事:
JALの社長人事に介入した政府
どうすれば、日本はデフレを脱却できるか?~その5
①日本航空にとっての1985年
この年は、JALにとって「特別な年」であった。
日本の空を巡って、極めて特殊なことが起こったのである。
>論談:日本航空、昔話
◎7月:
日航の取締役会で、長期の為替予約を決める話し合いが行われた。
11年間に渡って、1ドル=184円の平均レートという為替予約をしたのだ。その後の円高によって、当然の如く大幅な赤字を蒙ることになったわけである。一方では、為替予約の反対側の取引があるわけだから、儲かる相手というのは存在したはずである。それは一体誰だったのか?
日航は、この取引により約2000億円以上もの巨額損失を蒙ることになったのである。
◎8月12日:123便墜落事故
言わずもがなの、日航ジャンボ機123便の御巣鷹山墜落事故である。
原因は未だに定かではないが、大韓航空機事故から数年後の出来事であった。
◎9月22日:プラザ合意
日航が長期為替予約をしてから僅かに約1ヶ月後、先進国蔵相会議が開かれた。
日本の円安是正という名目で、協調介入という美名の円への介入政策が取られることとなったのだ。合意事項については、事前協議が進められていたため、大蔵省内部には「今後には、確実に円高がやってくる」という情報が得られていたはずであろう。多国間の外交協議が、僅か数日前に合意文書が作成されるなどということは難しいからである。すなわち、協議開始は、このはるか以前からのことであり、大蔵省が要求を呑むことも以前から決められていたはずであろう。
そうした背景があって、なおかつ日航に対し「隠然たる力」を有していたはずの大蔵閥がいながらにして、長期為替予約を行ったということである。
◎12月:運政審の答申
いわゆる、「45/47体制」終焉、航空業界の自由化・規制緩和推進、日航の民営化、という路線へと突き進むきっかけとなった。
日航にまつわる勢力―大蔵省と運輸省―がNOと言い続けていたであろうから、「既得権益死守の守旧派」対「自由化推進の規制緩和派」という、典型的構図があったのではないかと予想される。
恐らく、日航の墜落事故がなければ、このヤマを乗り越えることはできなかったかもしれない。トップ交代劇など、ドラスティックな変革が行われたのも、事故後のことだったからである。
バブル期にはデリバティブで損失を出す企業は珍しくはなくなったかもしれないが、当時のJALのように長期為替予約で大きな損失を出す企業というのは、極めて特異だったのではないだろうか。その損失は、長きに渡り尾を引くことになったのである。
②原油先物で大損失計上
08年になってでさえ、乱脈経営的な体質は変わっていなかった。
怪しげな増資を繰り返した挙句に、増えたはずの手元資金で無駄に高額な機材投資や原油先物取引に手を染めてゆくことになるわけである。
あれほど投機的であると警告した原油先物になんぞに、何故手を出したのか。
このまま上がり続けたら困るから、というような、安易なレベルで素人が先物などに多額の金をつぎ込むというのが、そもそもの間違いなのではないか。これでやはり2千億円超級の損失を出したわけでしょう?ニュースではまともに報じられてはいないのだけれどもね。
逆に、ちょうちん記事(笑)だけはあるけれどもね。
>日航「燃油先物」解約へ 会社更生法申請で 金融ニュース マネー・経済 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
必死だな。
政府保証つきで注ぎ込んだ追加融資の1000億円以上の金は、こうした先物の業者に支払う為の資金となってしまった、ということだろう?
なんて愚かなんだ。
結局、自分の金なんかじゃないからだ。
他人の金なんだよ。天下り官僚にとっても、そうさ。所詮は、「国が出してくれる金」だからだ。
おバカな「士族の商法」っぽい日航なんかには、まんまと高値で掴ませて大儲け、という図だろ。
こういうのは、「なによりも投資」推奨教団だの、「開かれた国ニッポン」教団だの、そういう連中の口車に乗せられて、一緒に「日本国売り」に大挙して参入していたからなんじゃないのか?
例の、私大が軒並み投資損の大損食らった図と、あまりによく似てないか?(笑)
つまるところ、どこかの誰かに、いいようにタカられ、毟られ、最後には、「国で面倒みてやれ」というお決まりのパターンに落ち着いた、ということですわな。そういうマヌケ揃いだということに、世間は気づいてなかったし、上の方では気づいていても内緒にしてきた、ということです。
これが、JALの法的整理の実態、ということですわな。
こういったことは、新たな経営陣がタカリ軍団の仲間であると、ずーっと隠されたままで過ぎてしまい、誰も責任を問われることもないだろうけどね。
あとは、国民負担でヨロシクです、ってか?(笑)
JALの末端職員が泣いてくれ、と。