ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

[韓国語] 中国の都市名のハングル表記について

2015-04-21 12:53:58 | 韓国語あれこれ
 昨夜からソウルに来ています。
 久しぶりに大韓航空です。羽田→金浦で安い航空券を検索すると、たいてい夜8月過ぎのアシアナがヒットするので、このところずっと続けて利用していましたが、今回は20分くらいでも早く着こうと思って大韓航空にしました。

 機内で読んだ新聞数紙に興味深い記事がいくつかありました。「アジア経済」の「韓国はアジア唯一の腐敗した先進国」とか。(「ヘラルド経済」1面にも同様の大きな記事あり。) ・・・が、それは今時間がないのでおいといて、とりあえず座席前のディスプレイの、わりとよく見る(かな?)この画面に注目。

 독도(独島)竹島のようなちっぽけな島がしっかり表示されているのはずいぶん以前からですが、いつからのことだったか? また동해(東海)日本海についても同様。
 それはそれとして、これまたいつからかよく思い出せないのが中国の都市名の表記について。以前は延吉は연길、北京は북경、上海は상해といったように、漢字を韓国式音読みで表記していましたが、今では延吉は옌지、北京は베이징、上海は상하이と、中国語の発音に沿った表記になっています。

 で、上の画面で示されている中国の都市を上から順に見てみると・・・。

 옌지延吉
 ・푸순撫順
 ・선양瀋陽
 ・단둥丹東
 ・다롄大連
 ・웨이하이威海
 ・칭다오青島
 ・옌청塩城
 ・난퉁南通
 ・상하이上海


 ・・・ということで、前から知っていたのが少し、地理&音で見当がつくものがそれなりに。調べてわかったのが塩城と南通。どちらも800万人近い人口の大都市なのか、ふうん。瀋陽の「瀋」が심とかじゃなくて선になるというのも知りませんでした。
 しかしこの地図、どういう基準で都市を選んでいるんでしょうね? 韓国では「原州があるのになんでウチがないんだ!」とたとえば全州の人だったら抗議するかも・・・。(?)

 ※そうか、原州や群山には空港があったか・・・。しかし、そうすると(空港がある)蔚山・清州等々の立場はどうなるんだ?? 
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韓国書「日本語翻訳スキル」は、日本の韓国語学習者にも勉強になるゾ!

2015-02-26 23:45:39 | 韓国語あれこれ
 韓国語を自然な日本語にするのも苦心しているレベルなので、日本語を自然な韓国語にするのははるかにむずかしいのはいうまでもありません。自然でなくても相手に意味が通じる韓国語を話したり書いたりするのでさえ大変なのに・・・。
 私ヌルボ、以前中級レベルの韓国語の講習で教わった「自然な韓国語にするコツ」で憶えているのは次の2点です。
①日本語が名詞に重点を置くのに対して、韓国語では用言に重点がおかれる。
 たとえば、日本語では「今日はいい天気ですね」というのを、韓国では「今日は天気がいいですね」という。
②韓国語の表現は直接的で明快。日本人はよく「私は彼が間違ってると思います」という言い方をするが、韓国人は「彼が間違っています」とストレートに言う。日本人が「私もそう思います」と言うのを、韓国人は「マジャヨ(맞아요.その通りです)」という。

 まあそんな程度で、あとは漢字の多くが日韓共通であり、文法も似通っているのをいいことに、日本語をアタマの中で韓国語にほぼそのまま置きかえてしゃべったり書いたりしている状態。
 しかし、たまに韓国の新聞や本等を読んでいて「これが韓国語らしい表現なのか」とほんの少しステップアップしたように思うこともないではありません。
 で、そんな「韓国語らしい表現」といえば昨年暮れに通販で購入した韓国本が大正解でした。


 タイトルは「일본어 번약 스킬(日本語翻訳スキル)」。 文字通り日本語の訳し方についてのテキストなのですが、ポイントは「いかに自然な韓国語に訳すか」ということ。したがって、(ヌルボのような)日本人の韓国語学習者にとってもおおいに勉強になるというわけです。
 このテキストは、名詞・動詞・形容詞・副詞等々の品詞別の他に、慣用句の訳し方についても多くの例を載せています。ほかにも実践翻訳にもかなりのページを割くなど、多岐にわたって緻密に構成されています。
 そしてヌルボがとくに注目したのが<韓国人がしばしば犯すミス>という項目。つまり日本人が韓国語を韓国語っぽい日本語に訳してしまうのと同様に、韓国人が日本語を日本語っぽい韓国語に訳してしまいがちだということで、その例を8つあげています。
 それぞれ、原文を掲げた後にまず直訳的な「一般翻訳」を提示し、最後に推奨の韓国語らしい「代案翻訳」を載せるという形式になっています。

①漢字熟語をそのまま音訳してはダメ。
   
 同じ漢字でも日韓で意味が違うものはけっこうありますからねー。
 また、通じないことはないが微妙にニュアンスが違う言葉ももちろんたくさん。ほかのページを見ると、たとえば次のような例が載っていました。
 ・気力(기력)だけで走りぬけた。→精神力(정신력)
 ・即戦力となる労働者(즉전력이 되는 노동자) →実戦能力を持った勤労者(실전 능력을 갖춘 근로자)
 ・動画(동화)を作成(작성)する。→動映像(동영상)・製作(제작)
 ・向上心(향상심)→開発精神(개발 정신)

②日韓の進行形表現の違いを区別せず「~고 있다」と直訳しないこと。
   

   
 この微妙な違い、去年も「初級を卒業した人のための韓国語文法」で学習したんだけどなー。「가방이 열렸어요.」(カバンが開いています。)「옷에 껌이 붙넜어요.」(服にガムがついています。)等々。・・・しかし、あいかわらず苦手。

③受け身表現を乱発しないように。
   
 韓国では「피동표현(被動表現)」というのですね。

④二重否定を乱発しないこと。
   
 昔、韓国語学習を始めた頃のテキストには「~않으면 안된다」が先に載っていて、がんばって覚えた後に「~야 한다」が出てきて肩すかしをくらったことがありました。

⑤日本式の敬語表現をそのまま翻訳しないこと。
   
 これも韓国では「대우표현(待遇表現)」といいます。韓国式の敬語の方がシンプルでわかりやすいかも。

⑥終助詞の「よ」を「요」と錯覚しないように。
   
 日本人も錯覚しがち。

⑦「この国」、「わが国」を「이 나라」「우리 나라」と機械的に訳さず、どの国を指すのか明確に表示して誤解のないように訳す。
   

   
 日本人が韓国に行って「ウリマル」なんて言ったらややこしくなりそう。

⑧格助詞「は」を「는(은)」「が」「가(이)」とそのまま訳してはダメ!
   
 「トイレどこですか?」「화장실 어디예요?」ですね。

 以上ですが、読んで思ったのは、やっぱり意味が明快だということ。したがって、これも以前教わったことですが、極力わかりやすい日本語に直した上で韓国語に直すとよいということ。
 しかし、韓国語は表現がストレートということは、日本に向けての(「反日的な」といわれる)政治的な意見・主張も、その内容のみならず韓国語の特性もあって強度が増幅されているといえるでしょうね。

※この本の宣伝動画があったので、貼っておきます。

 速すぎてわからないよ~(笑) 読んでちゃダメ。瞬間的に見る!のかな?
 自分のペースで読める<yes24>のこの本のページは→コチラ
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問題を解く楽しさがぜ~んぜんない2015センター試験「韓国語」は、ただむずかしいだけだった・・・。

2015-01-19 23:45:30 | 韓国語あれこれ
 私ヌルボ、2010年1月から毎年センター試験の韓国語の問題に挑戦してきました。自分の韓国語学習及び問題分析のためです。
 また、それらについて毎年ブログ記事を書いてきました。あ、昨年は載せなかったか。
 一応、各記事は次の通りです。内容は見出しでおよそ見当がつく、かな?

・2010年→<センター試験韓国語の平均点148点。 難易度はかなり高いが・・・>
・2011年→<修能の「日本語」-正解がわからないぞ~ センター試験の「韓国語」-むずかしいぞ~>
・2012年[その1]→<センター試験の韓国語の難易度について - 難しいのか? 簡単なのか? これは難しいぞ・・・>
・2012年[その2]→<センター試験の韓国語の難易度について[2] - 韓国人が苦手な問題も出題されているとか・・・>
・2013年[その1]→<やっぱりゼロから始めた高校生にはむずかしい問題レベル>
・2013年[その2]→<発音問題は重箱の隅から2題だけ>

 そして今回もやってみました。問題&正答は→コチラからダウンロードできます。
 出題傾向や難易度はこれまでと大きくは変わらないのですが、年々むずかしくなる傾向はまだ続いているようです。
 ヌルボの韓国語レベルについては、以前次のように書きました。
 「正直に申しますと、韓国語能力試験の方は5級(最低1級から最高6級まである)の真ん中くらい、ハングル検定試験(最低5級から最高1級まで)は準2級合格という、つまり<上級の下>といった程度。」 ←これが6年ほど前(?)で、以後少しはレベルアップはしているはずですが最高レベルはまだまだといったところ。一応韓国語の本は(わからない単語はあっても)読めるし、TVニュース等の内容はほぼわかります。
 で、過去数年間のセンター試験韓国語の得点は大体160点くらい。すなわち正答率8割といったところでした。ところが今回は7割がやっとでした。
 どうも近年は韓国語能力試験だと3級、ハングル検定だと4級程度の中級の下レベル」が自信を持って答えられるような問題がほとんどないように思います。

 しかし、私ヌルボが今回言いたいのは、問題の難易度もさることながら、問題を解くおもしろさについてです。
 タイトルには「問題を解く楽しさがぜ~んぜんない」と書きましたが、それどころか「怒りさえ覚えた」というのがホントのところ。(笑)
 べつに出来がよくなかったから言うわけではありません。パズルは簡単すぎてもつまらないし、逆に難解でもおもしろいパズルはいろいろあります。それと同じ、かな?
 たとえば、韓国版センター試験というべき修能試験(大学修学能力試験)の第二外国語中の日本語の問題と比べてみればよくわかります。
2015年1月・センター試験「韓国語」より2014年11月[韓国]修能試験「日本語」より

 このように見映えが全然違います。センター試験の方はめんどうそうな長文だけをピックアップしたわけではありません。大きい問題が全5問あって、その第4問と第5問がこのような長文問題です。修能試験の方はこんな長文問題は全然ありません。
 一見してわかるのは修能試験の方のイラストの多さ。センター試験には皆無です。そのイラストを2つ紹介します。
     

 この修能試験「日本語」の問題については、→コチラの過去記事で少し紹介しました。
 そこでは、出題傾向を次のようにまとめてみました。
[A]会話が多い。・・・上のイラスト(左)のような買い物の場面の他、日常の挨拶や医者との会話等、内容もさまざまです。
[B]韓国人が間違いやすい発音は必出。・・・母音の長短、清音と濁音の区別等で、毎年必ず出題されています。
[C]日本人の生活様式や、日本の伝統文化を説明・紹介するような問題文が多い。・・・これも毎年必ず出題されています。これまでも「寿司」「温泉」「こたつ」「タクシーの乗り方」等が取り上げられました。2015年度は「花見」と「駅弁」の問題です。
[D]日本の街などで見かける掲示物、広報等に関する問題が出る。・・・上のイラスト(右)の銭湯の注意書きのような日本の生活・社会に関係するもの。「のんだら のらない」というポスターもありました。前年は地下鉄の「ひらくドアにご注意!」という貼り紙についての出題でした。
[E]日本語会話というよりも、日本人の会話の特色についての問題文がある。・・・「日本人はよくあいづちをうつ」という問題文が2012年度にありました。(→コチラ。) 今回は「あいまいなことば」についてです。
 そして、これら[A]~[E]の他に、日本のセンター試験や多くの語学検定試験と比較して特筆すべき特色は、昨年にも書きましたが「小説やエッセイ等の読解問題は皆無!」ということ。
 つまりは実用性を重視しているということです。日常会話だけでなく、日本でよく見かける掲示物や、社会的なマナー等、日本への旅行や、仕事・留学等による日本での生活に役立つような内容になっています。

 このような修能試験の日本語と正反対なのがセンター試験の韓国語。
 言語を通じて韓国の生活・社会・文化を知ろうという視点が全然ありません。中級レベルの韓国語学習者でも初めて見るような単語はいくつもある一方、日常的によく使われるような言い回しは少ないようです。
 長文問題の内容も、第4問はある日本人が韓国語に興味を持って学習するようになったきっかけについて。高校時代に来校した釜山の高校生に歓迎の言葉を述べたが通じなかったというものです。しかし、私ヌルボとしては韓国人が日本語に興味を持って学習するようになったきっかけの方が知りたいんじゃないかな?と思います。
 そして第5問は睡眠について。調査によると日本の中高生の半数以上が5~7時間寝ているとか早起きは健康に良いとか・・・という話のどこがおもしろいというのかっ??
 それから、第3問は友人同士3人の会話文といっても、これまたほとんど長文読解問題。あえて全文載せます。


 友人同士3人と、彼らの話に出てくる1人の計4人の間の関係は日本語に訳してもややこしくパズルみたいで、文章自体の難易度はそれほどでもないのに、読解力以外の能力も問うているみたい。おまけに4人の名前がジフン、ジョンヒ、ジホ、ジョンホとは! わざと紛らわしい名前をそろえたとしか思えません!

 1月6日の<ライブドアニュース>に「センター試験の韓国語が意外に難しいと韓国ネットで話題」という見出しで韓国の掲示板を紹介した記事がありました。(→コチラ。) 「1番の問題から早速間違えた」「こんなビミョーな違いをどうやって勉強するっていうんだ?」「韓国の大学入試の日本語はもうちょっと問題に面白みがある」といった感想はヌルボとしては「さもありなん」です。

 以上いろいろ文句を並べましたが、日本と韓国では事情が違うことは承知しています。
 修能試験は受験者総数約60万人中「日本語」を8千人近くが受験するのに対して、センター試験は受験者総数50数万人中「韓国語」は200人足らずの「精鋭」しか受験しません。
 修能試験の「日本語」が英語とは別枠の第2外国語中の1つであるのに対し、センター試験の「韓国語」は英語と同じ外国語の枠に入っています。
 そして、センター試験の「韓国語」は一部で(?)「在日が有利ではないか」との声があったりして、作問者の側はなんとか平均点を低くしようと努めてきたようで、過去記事で書いたように韓国人がむしろ間違いやすい問題を作ったりもしたようです。
 こんなことから、上記のようなおもしろくない、ただむずかしいだけの問題になったともいえるかもしれません。もっとも、昔ヌルボが学校で受けた英語の授業のほとんども英語圏諸国への興味をかきたてるようなものでもありませんでしたが・・・。(この頃はもっと楽しい授業・解くのが楽しい試験問題になってるのかな?)
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韓国の2015年度大学修学能力試験(修能):第二外国語「日本語」は今年も良問だがちょっと疑問も・・・

2014-11-21 19:24:28 | 韓国語あれこれ
※この記事は2014年11月実施の修能についての記事です。2015年11月の修能「日本語」については→コチラの記事をご覧ください。

 14日の記事で書いたように、11月13日韓国では大学修学能力試験(修能)が実施されました。
 その第二外国語の中に「日本語」があります。
 本ブログでは、2009年11月以降毎年この「日本語」の問題を解き、分析した記事を載せてきました。(あ、初回はうっかり2008年実施の問題を載せてしまいましたが。)
 今年の問題もさっそく見てみました。→コチラのリスト中の<일본어Ⅰ_문제>(日本語Ⅰ 問題)をクリックしてPDFファイルをダウンロードして下さい。正答はその下をクリックすればOK。

 さて、そこでわかったことのひとつは、私ヌルボのようなふつうの日本人でも必ずしも満点が取れないということ。2年に1度は首をひねってしまう問題があります。
 たとえば2011年度の問題。(→コチラ。)
 時間の(a)何分 (b)3分 (c)6分 (d)14分 の「分」の読み方、どれが「ふん」でどれが「ぷん」だか、いまだによくわかりません。(正答を見ると、「ぷん」と読むのが(c)と、(d)なんですと!)

 また2013年度の問題(→コチラ)では、「①去年 ②人形 ③住所 ④ニュース ⑤コップ の中で長さ(拍子)が他の4つと異なるものは?」という問題。
 「あれ、どれも2音節じゃないの?」と考える日本人は多いのでは? もちろん字数でもないし・・・。(②だけが4拍子で、他はすべて3拍子。)

 そして今回の2015年度ではこれ。

 「文法表現が正しいものだけを選べ」という問題です。
 まず、aはまず問題なし、ですね。bは、「あとに」より「あとで」の方が自然じゃないか?とか、もしかしたら「飲まれました」に何かちょっと引っかかるものが・・・という人もいるかもしれませんが、まあいいでしょう。
 問題はcで、「日本に来てすぐなので」とか「日本に来たばかりなので」ならわかりますが、「日本に来たところなので」は不自然。しかし言わんとしているところはわかります。これを正しくないとすべきか否か? 私ヌルボは自信のないまま誤りと判断し、またそれが正答となっていました。サークル仲間に訊くと、ほぼ同様の意見でした。

 上記のような問題はあったものの、全体としては昨年と同様良問だったと思います。
 ※昨年については→コチラ参照。

 さて、この修能「日本語」の近年の出題傾向・特色としては、次のようなことがあげられます。

[A]会話が多い。
 ・・・全30問中11問と、3分の1以上が会話文の問題になっています。挨拶や、友人等との会話、買い物や医者との会話等、内容もさまざまです。

[B]韓国人が間違いやすい発音は必出。
 ・・・母音の長短、清音と濁音の区別等で、毎年必ず出題されています。
下は今回の問題。

 日本人にとっては簡単ですけどね。あ、清音と濁音の区別はむずかしいか?

 なお、発音以外でも韓国人だから間違えやすいかなという問題が今回2つありました。

 正答はもちろん②ですが、韓国語では「薬を飲む(약을 마시다)」でも「薬を食べる(약을 먹다)」でもOKなので、③を選んでしまった人が多かったかもしれません。

 韓国語の「보다」には「見る」と「会う」の両方の意味があるので、韓国人にとっては引っかかりやすいかも・・・。正答の①ではなく③を選んで人はけっこういたと思います。

[C]日本人の生活様式や、日本の伝統文化を説明・紹介するような問題文が多い。
 ・・・毎年必ず出題されています。これまでも「寿司」「温泉」「こたつ」「タクシーの乗り方」等が取り上げられました。今回は「花見」と、そして次の「駅弁」の問題です。

 駅弁の歴史が130年というのは知らなかったな。

[D]日本の街などで見かける掲示物、広報等に関する問題が出る。
 ・・・上記[C]のような日本の生活・社会にも関係するもの。昨年は地下鉄の「ひらくドアにご注意!」という貼り紙についての出題でした。今回は、「のんだら のらない」というポスターと、次のような銭湯の注意書きについての2つが出題されています。

 こういう実用的な問題は良いと思います。銭湯のマナーについては、小樽の「外国人お断り」裁判等いろいろ問題になったりしましたねー・・・。

[E]日本語会話というよりも、日本人の会話の特色についての問題文がある。
 ・・・「日本人はよくあいづちをうつ」という問題文が2012年度にありました。(→コチラ。) 今回は「あいまいなことば」についてです。

 ①は「‘お茶、おかわり どう?’はあいまいな表現である。」
 ②は「‘あ、いいね’は拒絶する時に使用することができる」。
 ③は「‘いい’に‘もう’をつけると承諾の意味にもなる。」
 ④は「‘飲みたいね’はひかえめに辞退する時にも使う。」
 ⑤は「‘いい’は場合により相反する意味としても用いられる。」
 ・・・もちろん⑤が正解。

 さて、これら[A]~[E]の他に、日本のセンター試験や多くの語学検定試験と比較して特筆すべき特色は、昨年にも書きましたが「小説やエッセイ等の読解問題は皆無!」ということです。
 つまりは実用性を重視しているということ。日常会話だけでなく、日本でよく見かける掲示物や、社会的なマナー等、日本への旅行や、仕事・留学等による日本での生活に役立つような内容になっています。
 ※上にあげたお医者さんとの会話は3年前も出題されていたなー。(→コチラ。)
 ヌルボが先に「良問」と書いた理由はその点にあります。
 一方、日本のセンター試験「外国語」中の「韓国語」はむずかしいばかりで楽しくありません。
修能試験の「日本語」の受験生は8千人近くいる(今回)のに対して、センター試験の「韓国語」の方は200人足らずの「精鋭」しか受験しないという違いも難易度の差の原因の1つでしょう。
 しかし、中学・高校の英語の授業&定期テストなんかはもっとこんな実用的な内容を増やした方がいいと思います。それでも昔に比べるとかなり変わってきてはいるのかな?

 ちなみに、このレベルの修能の「日本語」で受験生が何点くらい取っているかというと・・・。
 下の表は昨年(2014年度)の「日本語」の得点別等級区分です。
    (50点満点)
 これをみると、大体半分くらいできて平均程度といったところですね。
 しかし、最上級の1等級に入るには、3つ以上の間違いは許されません。(配点が1点の問題と2点の問題がありますが。) そんなにむずかしくないといっても、トップクラスに入るのはさすがにたいへんだと思います。

 今回の修能試験についてこれが3つ目の記事です。
 他の科目はどうかなと思い、さっき無謀にも「韓国語」の問題をちょつと見てみましたが、やっぱり無謀でした。
 2012年度「国史」では、独島関係の問題が出たことが日本でも報じられました。それ以外でも、歴史関係では日本とは「歴史認識のズレ」があるようです。・・・ということで、ちょっと見てみようと思います。あ、2014年度(昨年)「国史」から「韓国史」に科目名が変わったのですね。知らんかったわ。
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[韓国語] 「泥棒雪」ってどんな雪? *** いろいろある雪の呼称 ***

2014-11-05 23:51:23 | 韓国語あれこれ
 キム・エランの小説「どきどき 僕の人生」(クオン)を読んでいたら、子どもがお母さんに雪について話す場面がありました。
 「雪といってもいろんな雪があるんだよ。ぼたん雪、綿雪、粉雪・・・。泥棒雪というのもある。」

 日本にも雪の呼び名はいろいろありますね。誰でも知っている粉雪にぼたん。それから私ヌルボが思いつくところでは、わた雪・ざらめ雪・みず雪・かた雪、それから春待つ氷雪と・・・、おっと、これは新沼謙治「津軽恋女」そのまんまだ、ははは。

 さて、上記の「泥棒雪」というのは初耳。[注1]と番号がついているのに、章末を見ても説明は見当たらず、電子辞書を引いたらありました。

 도둑눈=(人の知らぬ間に)真夜中に降ふった雪.(=도적눈)。

 見てみれば「なるほどね」といった感じ。ハングルでgoogle検索するとヒット件数は約15,700件。「知ってる人は知っている」レベルでしょうか?
 ※春以来、韓国音楽界でブームになっている新人兄妹デュオミュージシャン「Galaxy」という歌の中に次のような一節があります。(→コチラに歌詞付き動画あり。)
 도둑눈에 숨이 멎어 도망가 버린 고백 말이(夜に降った雪に息が止まって逃げてしまった告白の言葉が)
 저 하늘 희미하게 반짝이고 있는(あの空にばんやり輝いている)


 さて、ことのついでに「○눈」(○雪)とよばれる韓国語のさまざまな雪の呼称をいくつかの韓国語サイトから拾ってみました。
 日本語同様、降る雪自体の形状を示すもの、積雪の状態を示すもの、降雪の時期や時間を示すもの等々に分類できそうですが、メンドーなのでごちゃまぜのまま羅列します。

 가루눈=「粉雪」。粉状に降る雪。
 떡눈=「もち雪」。水気があってべたつく雪。
 싸라기눈(싸락눈)=「砕米雪」。あられ(霰)。雨が急に冷たい風に当たり凍って落ちる米粒状の雪。
 사랑눈=「愛の雪」。싸라기눈の慶北道方言。 ※「愛」とは関係なく、上の싸락눈に由来した言葉。
 쇠눈=「鉄(?)雪」。積もり固まって溶けない雪。
 마른눈=「乾いた雪」。雨が混じらず降る雪。
 함박눈=「芍薬雪」。ぼたん雪。
 송이눈=「房(かたまり)雪」。함박눈の古語。
 영감눈=「令監(ヨンガム)雪」。함박눈の慶北道方言。
 자국눈(자욱눈)=「跡雪」。やっと足跡がつくほど少し降った雪。
 발등눈=「足の甲雪」。足の甲が埋まる程度の比較的多く降った雪。
 소나기눈=「夕立(にわか雨)雪」。急に降る大雪。
 가랑눈=細雪。粉雪。少しずつ細かく降る雪。 ※가랑비は粉糠雨。細雨。
 길눈=「背丈雪」。人の背丈ほどに降り積もる雪。
 묵은눈=「宿った雪」。積もった雪が長く溶けず氷のようになったもの。根雪。
 사태눈=「沙汰(なだれ)雪」。なだれとなって崩れ落ちる雪。
 숫눈=「純雪」。降り積もったままの誰も踏まれていない雪。
 풋눈=「新雪」。初冬に入って少し降った雪。
 복눈=「福雪」。福をもたらすという、冬たくさん降る雪をさす言葉。
 포슬눈=細かくぱらぱらと降る雪。
 その他、만년눈=「万年雪」、밤눈=「夜雪」、봄눈=「春雪」、솜눈=「綿雪」、첫눈=「初雪」等はそのまんま。

 あ、첫눈も初雪同様「その冬最初の雪」と「新年最初の雪」の両方の意味があります。(첫눈は一目(ひとめ)というのもあるから紛らわしい。)

 全体的に、かなり共通しているようですね。
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[韓国語] 「カドラ通信」と、その関連事項 ①意味と由来等

2014-11-02 14:39:21 | 韓国語あれこれ
 <コリアン・シネマ・ウィーク2014>(at韓国文化院)で観た「チラシ:危険な噂」については、10月26日の記事(→コチラ)でもいろいろ書きました。
 この作品について、<DAUM映画>の評点のページ(→コチラ)を見てみると、専門家の1人として「シネ21(씨네21)」のソン・ギョンウォン(송경원)記者が6.0という評点とともに次のような寸評を記していました。

  알고 보면 별거 없는 ‘카더라’ 통신
  わかってみればたいしたことないカドラ通信

 この카더라 통신(カドラ通信)も(1つ前の記事の진동 설정(振動設定)同様)私ヌルボの知らない言葉でした。

 調べてみると「出処も、内容の真偽もはっきりしないうわさ話」といった意味です。
 「○○という話だ」という伝聞(&回想)の表現を、標準語で「○○+고 하더라」というところ、慶尚道方言では<고 하>→<카>となって「○○+카더라と変化します。これが카더라 통신の由来とのことです。
 かなり以前から使われている言葉のようなので、新語というよりスラングといったところでしょうか。<韓国ウィキペディア>に「카더라」という項目がある(→コチラ)こと等をみると、それも十分市民権のあるスラングと思われます。

 日本のネット内で見てみると、すでに2005年に韓国記事を翻訳したブログ記事(→コチラ)に「カドラ通信」という言葉があり、また요우커(ヨウコ)という言葉をヌルボよりずっと早く紹介していたブログ<福岡発 コリアフリークなBlog>は、この「カドラ通信」に至っては2007年と、実に7年も前にこの言葉について紹介・説明記事をアップしているのですね。(→コチラ。) 以後、この言葉をふつうに用いているブログ記事はそれなりにあります。(単にヌルボの情報感度が鈍いということか?)

 さて、このカドラ通信がネタとしてよく取り上げるのは、まずはやはり芸能関係のゴシップ。先の2005年の記事もそうだし、10月26日の記事で例示したチラシの内容もそうでした。これが元となったスキャンダルや悲劇はいくつもありました。
 「チラシ:危険な噂」では、焦点となったチラシの内容は国会議員と女優とのスキャンダルでした。つまり、政治経済方面でもカドラ通信がいろんな影響を及ぼしていて、またそれを「利用」するということも行われているのですね。
 そういえば、例の朴槿恵大統領の所在をめぐる産経新聞の記事も、ネタ元は「証券街の情報誌」(つまり「チラシ」!?)で、これもまさにカドラ通信のたぐいではないですか。
 ・・・と、こんなことをいろいろ調べている間、たまたま開いた月刊「新東亜」11月号の記事中に카더라톡’(カドラトーク)という言葉を発見。その内容はというと・・・、まだ少し長くなりそうなので、以下は続くということにします。
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[韓国語] ケータイの「マナーモード」は何と言う? メノモドゥじゃなくて・・・

2014-10-31 23:47:08 | 韓国語あれこれ
 一昨日(29日)韓国文化院で「最後まで行く」を観ていて思ったことの1つは、これはケータイ(韓国語で휴대폰(or핸드폰)がなかった時代では成り立ちえない映画だということでした。
 ケータイが出てくるシーンは30ヵ所くらいはあったように思います。家族間・職場関係・ナゾの男等々。そして思いがけない時に思いがけない所で着信メロディーが鳴り始めてあせったりするシーンも・・・。(ジツはカンオケから!)
 2つ前の記事(→コチラ)でも書いた韓国映画「チラシ:危険な噂」や、これも最近観た「監視者たち」でも同様で、ケータイが味方同士の連絡手段としてだけではなく、敵や味方の居場所を探知する道具としても用いられています。
 今や(とっくの昔から?)とくにアクション物には不可欠なツールですね。恋愛物でもかな? 「君の名は」はよく知りませんが、名簿の電話番号欄に(呼)マークがあった時代を経て、ほとんどの家庭に電話が普及した60年代後半以降でも、彼女の自宅に電話した時に彼女本人が最初に受話器を取るかおっかないオトーサンが出るかで一生が変わったりした例もあっただろうと思います。たぶん。

 閑話休題。9月18日の記事(→コチラ)で紹介した月刊「新東亜」の連載小説・イ・ウォンホ「黎明」もケータイなくしてはありえない小説です。開城工団の話かと思ったら副主人公の北朝鮮女性が親戚の有力者の粛清のあおりで脱北する事態となり、それを主人公の韓国人男性が自ら中朝国境まで助けに向かうという展開になっちゃっています。
 その間、主人公は連絡用として彼女に自分のケータイを渡し、新品を購入して番号も変え、中国に入ってからは当局(韓国の国家情報院!)の探知を避けるためそれも捨てたりと、ケータイを駆使し続けます。

 ・・・と、ここまでが(いつもの)長すぎる前置き。(アララ・・・。)
 その「黎明」の9章(「新東亜」11月号)に次のようなくだりがありました。

  진동 설정한 휴대전화가 부르르 떨었을 때는 11시 15분이다.
  (振動設定した携帯電話がブルルと震えた時は11時15分だ。)

 ここで진동 설정(振動設定)マナーモードを意味することはすぐわかります。しかし、この言葉は私ヌルボ、知りませんでしたね。韓日辞典や日韓辞典にないばかりか、NAVER辞典にもなく、google翻訳やexcite翻訳でもただ「振動設定」と変換されるだけです。そして日本語で「マナーモード」と打ち込むと매너모드(メノモドゥ)」としか変換されません。

 この「매너모드」も韓国内のネットを見てみると全然使われていないということではなく、「휴대폰 매너모드」の2語で検索すると約 90,000件がヒットします。しかし「휴대폰 진동설정」の場合は約408,000件、「휴대폰 진동모드」だと約179,000件で、やはり「振動設定」「振動モード」の方がずっと多いですね。

 ところで、日本ではマナーモードではない、音が出るモードを何というのか、私ヌルボ3分前まで知りませんでした。どうも「通常モード」といっているようですね。しかし、通常「マナーモード」にしている人が(たぶん)多いと思われる今、「通常モード」というのも違和感を覚えますが・・・。
 韓国の場合は、この音が出るモードのことを벨소리모드(ベル音モード)」とか벨소리 설정(ベル音設定)」といいます。
 また、音もせず、振動もしないモードを日本ではサイレントモード(サイレントマナーモード)と言っていますが、韓国では무음모드(無音モード)」。これは韓国の方が短くてわかりやすいと思います。

 次々に新しいモノが登場する現代で、紙の辞書や電子辞書だけでなく、インターネット辞典でさえも時代のスピードについていくのはタイヘンなようです。
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[韓国語の新語]増える一方の「ヨウコ」にソウルのホテル数が足りない、・・・ってどういうこと?

2014-10-21 23:45:27 | 韓国語あれこれ
 10月3日の「中央日報」(日本語版)の<時視各角>欄に「中国人観光客、ソウルで泊まれない理由」と題した記事がありました。(→コチラ。)
 近年中国観光客が急増しているのに、ソウルのホテル数がそれに対応しきれていないというのがその主旨です。

この記事内容についてはひとまず後に回して、 私ヌルボがまず注目したのは、この記事のモトの記事(→コチラ)の見出し。
 요우커, 서울에서 못 묵는 까닭」(요우커(ヨウコ),ソウルで泊まれないわけ)」となっています。
 問題はこの요우커(ヨウコ)の意味。日本語版の見出しと照らし合わせてみると、요우커(ヨウコ)が「中国人観光客」に相当するということはおよそわかりますが・・・。
 ふつうの韓日辞典にはなく、愛用のNEVER辞典で検索すると、新語を対象としている<지식iN 오픈국어(知識INオープン国語)>中にありました。「遊客•중국인 관광객(遊客・中国人観光客)」との説明文が付いています。

 いつ頃から使われている言葉なのか、ちょっと探ってみたところ、<DAUM T!P>というQ&Aサイトで2011年10月に次のような質問がありました。(→コチラ。)
 Q.「最近新聞やニュースで"요우커"という単語をよく見ます。中国人をさす言葉のようですが、なぜ요우커というのですか?」
 これに対する回答を読むと、中国語で「観光客」を指す「游客」を音読したもので、ちなみに国内の観光客のことは「旅客」(뤼커.ルイコ)というのだそうです。つまり、中国語で一般に観光客をさす言葉が、韓国では「中国人観光客」を指す言葉になったというわけです。

 なお、関連記事をいろいろ見ていて目についた言葉が「チャンケ」です。中国人を指す言葉(蔑称)として、この頃主に嫌中・嫌韓サイトを中心にしばしば見かける言葉です。ハングルでは「짱깨」。韓国では以前からあった言葉で、韓国ウィキペディア(→コチラ)によると、19世紀末に中国商人たちが大挙入ってきた頃からの、櫃(箱)を意味する蔵柜(zàng guì)、あるいは店の主人を意味する掌柜(zhǎng guì)に由来するとされている言葉だそうです。 チャジャンミョン(or中華料理)や中華料理店、あるいはその店主をチャンケということもあるとのことですが、中国人を指す軽蔑的な言葉として使用されることが多いようです。
 このようなご時勢ゆえか、「짱깨 관광(観光)」の2語でgoogle検索すると約953,000件もヒット。いくつか読んでみるのもおもしろいかも、と思いつつ、それは後回しにします。そうでなくても、以前からわりとふつうに用いられている言葉のようですが・・・。(「チョッパリ」「日本奴(イルボンノム)」「倭奴(ウェノム)」も同様。)
 ※軍隊の一部ではこの짱깨がカウィパウィボ(じゃんけん)の隠語として用いられているとか(?)←エンハウィキ・ミラー(→コチラ)より。(ホンマカイナ?)

 冒頭で紹介した「中央日報」の記事は、ソウルのホテル不足と新築をめぐる問題はいろんな要素を含んでいて、考えてみなければ、という内容。(「地域の教育環境」とか「規制緩和」とか「安ホテルの否定的イメージ」等々。)
 外国人に対する蔑称についても、調べてみるといろいろありそうですが、まあこれも継続課題ということにしておきます。

※この요우커(ヨウコ)という言葉について、半年以上前(今年2月)に<福岡発 コリアフリークなBlog>(→コチラ)や<もっともっと韓国>(→コチラ)で記事がアップされていました。どちらもためになる記事が多く時おり見ているブログですが、この件については見落としていました。
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[韓国語]厳選! おもしろい韓国のなぞなぞ全20問

2014-10-09 23:48:16 | 韓国語あれこれ
 大掃除をしていたら、10年ほど前の懐かしい品々がいろいろと出てきました。
 その中の1つが下の韓国本。수수께끼(なぞなぞ)と유머(ユーモア.笑い話等)の本です。


 見つかった本をつい読み耽ったりするのは大掃除の常。一気に読了しちゃいました。そのなぞなぞの中で、同音異義語を利用したもの等、日本語には訳せないものもたくさんあります。
 また、韓国の文化・社会にある程度通じていないとわからないなぞなぞもあります。
 それらの中で、私ヌルボがとくにおもしろいと思ったものをピックアップしてみました。

赤字は問題文
青字は一応の訳。(「一応」というのは、別の意味がある場合もあるので。)
・答は、→ の右の部分を範囲指定すれば読めます。長く書いているものもあるので、ちょっと後の方まで見てみてください。
・黒字は私ヌルボのコメントです。

①잘못한 사람이 잘 먹는 과일은?
 失敗した人がよく食べる果物は?
 答→
사과 りんご(沙果)。謝罪(謝過)と同音。
 おなじみの問題で小手調べ。「仁寺洞(インサドン)へ行ったらまずすることは?→挨拶(インサ)」と同レベルかな?

②개 중에서 가장 아름다운 개는?
 犬の中で最も美しい犬は?
 答→
무지개(虹)
 これもそんなにむずかしくないレベル。しかし「가장 빠른 개(最も早い犬)」とか「가장 큰 개(最も広い犬)」となるとお手上げ。それぞれ(번개(雷))と(안개(霧))です。

③남대문을 엉어로 하면?
 南大門を英語で言えば?
 答→
지퍼(ジッパー)
 南大門の「もうひとつの意味」を知っているかどうかがカギ。(これについては→過去記事参照。)

④‘죽이다’의 반대말은?
 「殺す」の反対語は?
 答→
밥이다.(ご飯だ。) 죽이다は「おかゆだ」ともとれる。
 なーんだ。これは肩すかし。しかし、これを反対語と言う?

⑤눈 사람의 반대말는?
 雪だるまの反対語は?
 答→
일어난 사람(起き上がった人) 눈を눕다の過去連体形ととればこうなる。
 有名な(?)「サンナクチ(산 낙지)の反対語は?」というなぞなぞを思い出しました。

⑥언제나 위로 흘러가는 물는?
 いつも上に流れていく水は?
 答→
음식물(飲食物)。위を胃と解釈。
 これは平易にしてよくできているなぞなぞだと思います。

⑦어떤 경우에도 하지 말라는 말은 하지 않는 것은?
 どんな場合にも「やるな」という言葉を言わないものは?
 答→
해(太陽) 「やれ」という意味をかけている。
 なーんだ。答は単純。

⑧산 사람을 태우는 사람은?
 生きた人間を燃やす人は?
 答→
버스기사(バスの運転手) 「燃やす」も「乗せる」も태우다。
 あの人たちはそんな怖ろしい仕事をやっているのか!?

⑨기적을 가장 많이 일으키는 사람은 누구?
 奇跡を最も多く起こす人は誰?
 答→
열차 기관사 列車の機関士。기적には汽笛という意味もある。
 漢字語の同音異義語はたくさんありますからねー。

⑩사람들의 몸무게가 가장 많이 나갈 때는?
 人の体重が最も重くなる時は?
 答→
철들 때(物心がつく時)。「鉄(철)を持ち上げる時」とも解釈できるので・・・。
 ヒント:「物心(分別)がつく時」でわかりますか?

⑪커도 자라라고 하고 작아도 자라라고 하는 것은?
 大きくても「育て」と言い、小さくても「育て」と言うものは?
 答→
자라(すっぽん)
 こういう肩すかしもある。

⑫‘물고기가 한 번에 낳은 알의 수’를 네 글자로 줄이면?
 「魚が一度に産んだ卵の数」を4文字に縮めると?
 答→
알 수 없다(わからない)
 ハハハ。ここからなぞなぞというよりジョークが続きます。

⑬서울 시민 모두가 동시에 말을 하면 무슨 말이 될까요?
 ソウル市民皆が同時に話をすると、どのような言葉になるでしょうか?
 答→
천만의 말씀(とんでもない)
 1千万都市ソウルだからこそ成り立つ問題。

⑭담배만 있고 불이 없는 사람을 무엇이라고 하나요?
 タバコだけあって火がない人を何というか?
 答→
불필요한 사람(不必要な人) 불필요한を「火が必要な」と解釈。
 答を見るとわかりやすい。

⑮백설공주는 뭘 먹고 죽었나요?
 白雪姫は何を食べて死んだ?
 答→
나이(年) 年をとって死んだ。
 これはしてやられた感じ。

⑯하늘에 별이 없으면 어떤 일이 벌어질까요?
 空に星がなければどんなことが起こりますか?
 答→
별 볼 일 없다.(どうってことない。)
 これもけっこうおかしい。

⑰날마다 아침에 생기는 나라는?
 毎朝できる(生じる)国は?
 答→
일어나라(起きろ)
 いずこも同じ朝の一コマ。

⑱고래와 새우가 싸우면 누라 이길까요?
 クジラとエビが戦ったらどちらが勝つか?
 答→
새우(エビ) クジラは밥(飯.餌食)だがエビは깡(負けん気)がある。고래밥も새우깡もポピュラーなお菓子。
 ヒントは「お菓子」。辞書に出てくる言葉しか知らない人にはわからない。

⑲놀부 여동생은 놀순이. 그렇다면 남동생 이름은?
 ノルブの妹はノルスニ。では弟の名前は?
 答→
흥부(フンブ.興夫) 有名な昔話「興夫伝」に登場する兄弟。
 ホントはひっかけ問題なんですけどね。私ヌルボ思うに、正答よりもひっかかって놀돌이(ノルドリ)と答えた人が上を行ってますね。

⑳강아지 가면을 쓰면 ‘멍멍’하고 짖고, 고양이 가면을 쓰면 ‘야옹야옹’하죠. 그러면 오징어 가면을 쓰면 어떤 소리를 낼까요?
 子犬のお面をかぶったら「ワンワン」と吠え、ネコの仮面を被ったら「ニャーニャー」と鳴きます。ではイカの仮面をかぶったらどんな声を出しますか?
 答→
함 사세요!(函を買って下さい!) 伝統的な結婚の風習を知らないとわからない。
 これについては<KONEST>の記事(→コチラ)参照。この中の「函(ハム)の引渡し 結婚式の直前」のあたりを読めばわかります。
 下の画像は、→コチラの動画中にあったスルメのお面をつけた人です。(だんだんと消えつつある習慣のようですけどねー。)

 今回は以上ですが、本ブログではこれまでにも→コチラや→コチラの過去記事で韓国のなぞなぞを紹介してきました。
 まだ見ていなくて、ヒマを持て余している方はドーゾ。
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[韓国語] 「チョンボン」は何の略語? 「電番」と書けばわかるかも・・・

2014-09-26 23:46:40 | 韓国語あれこれ
 最近「新東亜」の連載小説「黎明」を読んでいたら、つぎのようなくだりがありました。

 오늘 새 전화를 개통하면서 전번까지 바꾼 것이다.
 今日新しい電話を開通して、전번まで変えたんだ。

 (「開通」はちょっとヘンだな・・・。)
 전번は初めて見た単語ですが、前後から判断がつきますね。
 漢字だと電番。つまり전화번호(電話番号)の略語です。
 전번で検索すると、전화번호も自動的にヒットします。それだけふつうに用いられているのに、電子辞書にもNAVERやDAUMの辞典にも載っていません。

 ネット内を探すと<教材にはない韓国語@Korean_tango>というアカウントがあって、→コチラの<twiends>で文字通りこれまでの教材にはない韓国語をいろいろ見ることができるのですが、その中にこの「전번」もありました。
 よく使われる単語です。韓国のほとんどの携帯番号は「010」から始まります。
 ・・・という説明がついています。

 同様の漢字語の略語では、他に비번(秘番)も載っています。비밀번호(秘密番号)の略語で、パスワードのことです。

 日本で原子力発電所のことを、韓国ではふつう원발(原発)ではなく원전(原電)ということは、韓国語学習者の皆さんの間ではわりと知られているのではないでしょうか?

 元は同じ漢字語の熟語でも、日本では使わないような韓国独自の略語は他にもいろいろあります。
 以下、私ヌルボが知っているもの&ちょっと調べて知ったものをいくつか紹介します。

단관(団観)단체 관람(団体観覧)
 ・・・・諸施設のサイト中に「단관の申請(申込み)は・・・」という説明があったりします。

명퇴(名退)명예 퇴직(名誉退職)
 ・・・・日本でいう早期退職なんですがね。リストラといっていいかも・・・。今年間40万人が「名誉退職」に追い込まれていて、その平均年齢は53.6歳だそうです。

강퇴(強退)강제 퇴장(強制退場)
 ・・・・スポーツでの反則等による退場に対して使われるほか、ネット掲示板等でルールに反したり、迷惑な書き込みをしたりして強制的にメンバーから外されることにも用いられます。

강추(強推)강력 추천(強力推薦)
 ・・・・これは過去記事で書いたことがありました。日本だとイチオシですかね。反対語は비추(非推)

조폭(組暴)조직 폭력배(組織暴力輩)
  ・・・・ヤクザ。この言葉は漫画や映画でおなじみ。

전훈(転訓)전지 훈련(転地訓練)
 ・・・・プロ野球ロッテジャイアンツについて、サイパンでの해외전지훈련(海外転地訓練)を終えたという記事に「전훈서 웨이트 트레이닝 성공적 근육량 크게 늘어」(「転訓」でウェイトトレーニングに成功し筋肉量大きく増える)という見出しがついていました。
 Google翻訳で「훈련」と入力すると、最初に「合宿」という訳語が出てきます。意訳すればたしかにそうなるんでしょうけどね。

경협 (経協)경제 협력(経済協力)
 ・・・・新聞でたまに見る言葉。

증시(證市)증권 시장(證券市場)
  ・・・・ヌルボとは無縁の言葉。韓国語の漢字表記では「証券」ではなく「證券」。

국대(国代)국가대표(国家代表)
 ・・・・ 「国家代表」はとくにスポーツ関係でよく使われますが、この言葉に込められる思いは日本人をはるかに超えるものがあるようです。
 下の画像は9月20日「朝鮮日報」掲載の現代自動車の全面広告。仁川アジア大会開幕に合わせた広告でしょうが、こういうポーズは日本だとちょっと違和感がありますねー。
 略語の국대はNAVER辞典にも載っていませんが、エンハウィキ・ミラーの「国家代表」の説明文(→コチラ)の中にありました。それによると2009年からチェーン店を展開している국대떡볶이(クッテトッポッキ)の국대はこの국가대표の略語だそうで、<KONEST>の記事(→コチラ)にもそう書いてあります。

 上記以外に、국정원(国情院)は昨年来新聞に毎日といっていいほど載っている言葉です。きちんと書くと국가정보원(国家情報院)ですが、日本でも「国会対策委員会→国対」といった類の略称が山ほどあるように、この手の言葉はたくさんありすぎるのでおしまいにしておきます。
 あ、1つだけ。
 日本で公正取引委員会に当たる機関は韓国では공정거래위원회(公正去来委員会)です。「取引」が韓国語では「거래(去来)」になるのは、初~中級での学習事項だったと思います。
 で、日本だと略称は周知のとおり「公取委(公取)」ですが、韓国の略称は「공거위(公去委)」とはならないで「공정위(公正委)」となるのですね。

 1つ前の記事といいこの記事といい、言葉の問題をあれこれ考えたり調べたりすると、ホントにキリがないですね。(あ、他のこともそうか。)
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[韓国語] ディスハダは「ディスる」だが、チンハダは「チンする」ではない

2014-09-25 23:58:25 | 韓国語あれこれ
 今朝(9月25日)の「毎日新聞」に<国語世論調査:「名詞+する」定着 チンする、お茶する…>という見出しの記事がありました。
 文化庁が24日公表した2013年度「国語に関する世論調査」によると、「チンする」「お茶する」といった動詞表現が、日常語に定着していることがわかった、という内容です。今回は初めて調べたという「〜する」という形の10個の動詞の使われ方は下の表の通りです。


 私ヌルボの場合は「きょどる」「タクる」という言葉は知りませんでしたね。タクシーも挙動不審も日常生活ではほとんど縁がないし・・・。

 さて、これらを見て韓国語関連で考えたことをちょっと書いておきます。

以前、初めて「찡하다」という言葉を何かで見た時、「(レンジで)チンする」という意味かと思ってしまいました。
 「朝鮮語辞典」を引くと「(強い感動を受けて)じいんとなる」となっていて、日本語の「じいん」が韓国では「チン」となることを知りました。
 辞書には「가슴이 찡하여 말이 안 나왔다.」(胸がじいんとして言葉が出てこなかった)という例文も載っています。
 ところが、その後この言葉をいろんなところでみましたが、この例文のように가슴이 찡(がじいん)よりも가 찡」(がじいん)の方が多いような気がするのです。
 で、今検索してみました。
 その結果は、「코가 찡」が約1,930,000件、「가슴이 찡」約1,660,000件で、ヌルボの実感通りの数字でした。 韓国の人たちはこの2つをどれほど意識して使い分けているのかまではわかりませんが・・・。
 たしかに、鼻がじいんとするのもわかりますね。ただ、日本語で「鼻をチンしなさい」と言えば子どもに鼻をかませる時の言葉ですが。あ、これは関係ないか。

 なお「レンジでチンする」は韓国語でどういうかといえば、
 전자렌지(레인지)에 돌리다.
 直訳すると「電子レンジに回す。」
 전자렌지에(로) 데우다.=「電子レンジに(で)温める」でもいいみたいですが、上の「回す」の方がずっと多く使われているようです。

「ディスる」は、英語のdisrespect(軽蔑する、馬鹿にする)がモトになった言葉とみられています。ネット用語といってよさそうです。
 韓国のネット社会でも4~5年前から(?)「디스」(ディス)という新語が使われています。言葉の出処も同じ。意味も「攻撃・非難」だからほぼ同じ。そしてこの動詞形が「디스하다」です。
 こういう(たぶん)出処を同じくする日韓のネット用語がどのような経緯で定着していったのか、日韓相互の関連性はどうなのか、興味深いところではあります。

ネット社会は新語に満ちあふれています。その中に、上記の10の言葉と同じような構造の「ふぁぼる」があります。
 特定のツイート等をお気に入りに追加する行為を意味する言葉で、英語でお気に入りを指すfavoriteの「favo」からできた言葉です。しかし、「ファボる」よりも、なぜかひらがなで「ふぁぼる」と書くのがふつうのようです。
 この言葉は、全国民レベルではどの程度知られているのでしょうね?
 なお、この言葉にそのままあてはまる韓国語はないようです。
 「お気に入り」は韓国語では「관심글」なので、説明するとすれば「관심글에 추가하는 것」となります。

「ふぁぼる」と音が似ているのが「ファビョる」。実はこの言葉にふれたいがために③を書いたようなものです。
 これは英語由来ではなく、韓国語の「화병(火病.ファビョン)」が語源です。これもネット用語ですが、とくにいわゆる嫌韓サイトでよく使われる言葉です。
 <Hatena Keyword>(→コチラ)には次のような説明が記されています。
 「ファビョる」とは - 火病る。 ネットスラングの一つ。 顔を真っ赤にして逆切れすること。
 議論の場で反論ができなくなったら理不尽なまでに怒ることや、些細なことで大げんかに発展すること。

 ・・・と、ここまではまあいいとしても、続けて[由来]として次のようなことが書かれています。
 1996年にアメリカの精神科協会において、「火病(Hwapyung)」が韓国人に特徴的な症状として紹介されたことが元となっている。(キーワード:火病を参照)
 このことから2ch上で韓国人が逆切れする様子が「ファビョる」と表現されるようになった。
 のちに韓国人でなくとも理解不能なまでに癇癪を起こすことなどをあらわすようになった。

 ・・・私ヌルボ、この説明文はかなり問題があると思うゾ。
 なお、この「火病」という言葉はウィキペディアの項目にもなっています。(→コチラ。)
 読んでみると、コチラにも次のような記述が・・・。
 朝鮮民族特有の精神疾患と指摘されている病気である。元来は環境要因による風土病と考えられている。韓国の会社員の35.2%が、好ましくない上司と後輩を見た時に、火病になるとされている。
 ・・・と、これまた根拠に乏しい差別的内容。
 この冒頭には「この記事には差別的または侮蔑的な記述・表現が含まれています」とただし書きが付いているのですけどね。「含まれています」という以上に含まれてるゾ。

 あ、だんだん話がずれていってるかな?
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なんで台風8号の名前が韓国語のノグリ(たぬき)なのかというと・・・・

2014-07-09 18:59:53 | 韓国語あれこれ
 続けて休めそうなので、遠くに旅行に出かけるかと思ったところへあいにくの台風8号接近で数日の間は自宅にこもるしかなさそうです。

 今朝早く、パソコンでKBSテレビを視聴。KBS2ではW杯サッカーのドイツvsブラジル戦をやっている時間帯ですが、接続を試みても「著作権の関係で視聴できません」とのこと。で、KBS1の方でニュースを聞き流していました。すると「台風ノグリは・・・」と台風情報を緊迫した語調で繰り返し大きく報じています。画面を見てみると浦項の港の実況、各地の道路冠水や強風のようす、温室を補強している農家、沖縄や九州の今のようす等々、ほぼ日本の台風報道と同じ感じ。

 台風という漢字をそのままハングルに置き換えるとなんですが、韓国では台風のことをと書きます。その漢字は「」。つまり颱だと激音のになるのですね。

 さて、上記の「台風ノグリ」のノグリ(너구리)とは韓国語でタヌキのこと。
 「なんで韓国語? なんでタヌキ?」という疑問は日本人だけでなく韓国人の多くも同じのようで、昨日7月8日の「ハンギョレ」の記事(→コチラ)に説明が記されていました。以下はその要点です。
 ※「ノグリといえばラーメンじゃないか!?」との反応もけっこうあるようです。
   【農心のノグリラーメン。べつにタヌキが入っているわけではありません。↓】
          

 このような台風の名前は、北東アジアに位置する次の14ヵ国で構成されている<台風委員会>が定めたものです。
 ※韓国・北朝鮮・中国・日本・カンボジア・香港・フィリピン・ラオス・マカオ・マレーシア・ミクロネシア・タイ・ベトナム・アメリカ
 これらの国々が10件ずつ出し合った計140個の名前を順番につけていくという方式で、2000年から始まりました。ラストの140番目の次はまた最初に戻ります。

 韓国が提出した名前は以下の10個です。
 개미(ケミ)’=アリ、나리(ナリ)’=ユリ、장미(チャンミ)’=バラ、미리내(ミリネ)’=天の川、노루(ノル)’=ノロジカ、제비(チェビ)’=ツバメ、너구리(ノグリ)’=タヌキ、고니(コニ)’=ハクチョウ、메기(メギ)’=ナマズ、독수리(トクスリ)’=ハゲワシ
 北朝鮮は次の10個です。
 기러기(キロギ)’=ガン、도라지(トラジ)’=キキョウ、갈매기(カルメギ)’=カモメ、무지개(ムジゲ)’=虹、메아리(メアリ)’=こだま、소나무(ソナム)’=松、버들(ポドゥル)’=柳、노을(ノウル)‘=朝焼け・夕焼け、민들레(ミンドゥルレ)‘=タンポポ、날개(ナルゲ)‘=翼

 ・・・ということで、すべて固有語。あっ、장미(チャンミ)’は漢字語(薔薇)か。
 とくに北朝鮮の方はそのまま幼稚園のクラス名にしても良さそうな、朝鮮らしい、ゆかしい言葉が並んでいますが、台風の名称としてはいかがなものかという疑問もなきにしもあらず。
 韓国側は、国家台風センター関係者によれば内外の公募を通して候補を決め、その中で発音しやすい2~3字程度の短い言葉を選んだ。方針はとくにない」とのことです。
.
 なお、台風の名前はこれらの140個が繰り返して使用されますが、大きな災害をもたらした台風は以後は使用しないように変更することがあるとのことで、2005年日本に大きな災害を与えた台風14号’나비(ナビ)‘=チョウチョが 독수리(トクスリ)‘に代えられたのがその一例だそうです。

 この記事を書き始めてからあとで知ったことですが、実は気象庁のサイト中の「台風の番号と名前
」という記事に全140個の名前が全部載っていました。→コチラ
 日本が付けた10個の名前はとみると次の通り。
 天秤・やぎ・うさぎ・カジキ・かんむり・クジラ・コップ・コンパス・トカゲ・ハト
 なんか雑多でとりとめがないな、と思ったら全部星座名なのか。

 で、今回の「ノグリ」はその表中の53番目。お、「ノグリ」でなく「ノグリー」になってるぞ。 この台風名のネタについての各記事の表記がほとんど「ノグリー」になっているのはコレが元だったのか!?
 他を見てみると、あらら、韓国と北朝鮮の28個の大半が最後に「-」がついているではないですか。つまり長母音になってるということ。「ケーミー」「ナーリー」「コーニー」等と丸ごと間延びしている表記もありますね。「カルメギ」が「カルマエギ」になっているのは英文表記をそのまま読んだのでしょうね。うーむ・・・。

 ・・・などと、まだ雨も降るか降らぬか程度の空模様の横浜で安穏と書いている間に、ちょっと前まで朝鮮半島に向かって北上していた台風が済州島の南で東に方向転換したゾ。進路予想図通りか。このままだと日本列島縦断じゃないの! やめてくれよー!
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韓国語の母音の長短とハングル表記の問題 ★オードリー・ヘプバーン、ジョージ・バーナード・ショーは?

2014-06-25 18:47:13 | 韓国語あれこれ
 6月16日の記事<駅の掲示板のハングル表示の問題>(→コチラ)で「上大岡」という駅名のハングル表示についてふれたところ、とくにハングルにおける長母音の表記や発音の問題についていくつかの興味深いコメントをいただきました。

 昨日は、映画にも韓国語にも(&その他もろもろ)造詣が深いconfuocoさんが映画「ローマの休日」の韓国語ポスターについて教えて下さいました。(→confuocoさんのブログの関係記事)

(<DAUM映画>より)


 上左の黄色い字で書かれている名前に注目!です。
 오-드리-・헾버-ㄴ(オードゥリー・ヘプボーン)
 그레고리-・팩(グレゴリー・ペク)
 윌리암・와일러-(ウィリアム・ワイラー)
 
 長母音もしっかり表記しています。短母音だと「」(ボン)となるところを「버-ㄴ」(ボーン)と分割して、「ㄴ」(n)を単独で表記している点などは現在ではまず見られないでしょう。(本か何かで見た記憶はありますが・・・。)

 「ローマの休日」(米.1953)の日本公開は1954年。韓国でも1955年に公開されたそうです。つまり、その時点ではこのような長母音の表記が一般的に行われていたのですね。

 母音の長短はこのような外来語だけでなく韓国語にも本来的にはありました。固有語・漢字語を問わずです。
 固有語の例でよくテキストにあげられているのは(ヌン)や(マル)です。
 前者は「ヌン」=目、「ヌーン」=雪、後者は「マル」=馬、「マール」=言葉 と、母音の長短により意味が違ってきます。

 辞書を見ると、漢字の発音にも長短の別が示されています。
 たとえば、私ヌルボが以前から気になっていた漢字語に「대장」(テジャン)があります。
 ところが、この表記に相当する熟語は「大将」「隊長」「大腸」「台帳」といろいろいあります。
 ちなみに「소장」(ソジャン)にも「少将」「所長」「所蔵」「小腸」といろいろあるので、過去記事の<これは楽しい(?)韓国語クイズ② [同音異義の漢字語編]>(→コチラ)でちょっとふざけて(?)出題した「소장은 대장이 좋지 않다고 말했다.」などという文は、実に多様な解釈が可能になってしまいます。
 で、この2つの漢字音の長短についても、次のように辞書では区別されています。
・・・・[短]隊・台
      [長]大・代・対
・・・・[短]長・場・腸
      [長]将・醤
 まあ、この「대장」も漢字で書いてくれていれば問題なしなんですけどねー。また、もし母音の長短が明確に区別されて発音され、その通り表記されていれば少しは誤解は減るというものですが、今の韓国をみるとそうはいかないのです。

 最近(6月13日)刊行の野間秀樹「韓国語をいかに学ぶか」(平凡社新書)にこの件について1ページあまりを充てて次のようなことが書かれています。

・標準語では(本来的には)母音の長短で単語の意味を区別する。アナウンサー等はこうした長母音を意識して発音する。

・1950~60年代くらいまで、ソウル言葉の話者たちはこうした母音の長短で単語の意味を区別していた。現在でも高齢者には区別を保持している話者がいる。

・70年代頃になり、若い層は長母音を長く発音しなくなった。現在、辞書には長母音記号の記載ははあり、学校の「国語」の教科書にも長母音の存在が記述されているが、教師自身の発音からして長母音がなくなっていて、目も雪も「ヌン」と短く発音している。
今、膨大な数の長母音の単語をおおむね認識しているのは、一部の韓国語学者くらいのものである。

・このような、長母音が50年やそこらで崩壊する変容は実に驚くべきことである。

・学習にあたっては、長母音がかつて存在したという知識として知るに留め、基本的にすべて短母音で発音してよい。


 ・・・というわけです。
 したがって、昔は「オードゥリー・ヘプボーン」と発音していた韓国人も、今は「オドゥリ・ヘプボン」になっているとみてよさそう。昨年~今年の韓国映画の大ヒット作「怪しい彼女」では主人公の女性が「オードゥリー」と名乗ったりしています。7月11日日本公開ということなので、そのあたりも聞いて確認してみます。(作品自体も大期待作ですが・・・。)

 長母音がいくつも入る外国人の名前は、と考えてなんとなく思いついたのがタイトルに書いた「ジョージ・バーナード・ショー」でした。確認してみると、ハングル表記は「조지 버나드 쇼」と、韓国語学習者にはとくに驚くこともない綴りでした。カタカナ書きすると「ジョジ・ボナトゥ・ショ」。
 人名以外では「マハーバーラタ」とか「サーターアンダーギー」なんてのが気になるところ。確かめてみたら前者はやはり「마하바라타」(マハバラタ)。後者は未確認ですが、おそらく「サタアンダギ」なんだろーうなー。

 なお、「한국」(韓国)の「한」(ハン)も本来的には長母音なので、「ハングク」ではなく「ハーングク」が正しい!・・・って、皆さんご存知でしたか?


【野間先生、4月の「日本語とハングル」(文春新書)に続いて刊行。精力的に仕事をされています。】
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[韓国語の新語] 厳しい現実を描いたコメディは、まさに「ウップダ」!

2014-05-12 23:47:24 | 韓国語あれこれ
 4月14日から韓国で「10分」という映画が公開されています。
 私ヌルボ、最初このタイトルを見て、ハラハラドキドキのアクション映画かと思いましたがそうではなく、放送局PDの正規採用をめざして試験を受けた青年を主人公にしたコメディです。
 「10分」というのは、最後の方で主人公の青年が自らの人生を決する決断を迫られる、その制限時間です。
 若年層の就職難という、まさに現代韓国の大きな社会問題を背景にした作品で、観た映画ファンたちの評判も上々のようです。

 <DAUM映画>で、この映画に対する評価(10点満点)と寸評を見てみました。(→コチラ。)

 「本当に共感できる映画ですね。(10.0)」、「困難な現実を経験する堅実な青年の苦悩をよく表現していた。(10.0)」といった寸評&高ポイントとともに目についたのは、主人公と同じ世代と思われるファンのコメントです。
 「20代中盤のわれわれの悲しい自画像 (7.0)」とか「コメディだが全然笑えない映画 (10.0)」というのももしかしたらそうかも。

 そしてコレもたぶん。
 "웃프다"という表現がこの映画に最も似つかわしい単語ではないかと思う! (8.0)」

 ところで、なんだ、この"웃프다"というのは?

 この単語を初めて見たという人も、先に並べた感想と照らし合わせたら「あ、そうか!」とわかるかも・・・。実は私ヌルボもその1人でした。

 電子辞書にはない単語ですが、<NAVER辞典>(→コチラ)を見ると、オープン国語辞典の方、つまり新語として載っていました。説明文はおよそ次の通りです。

 웃프다웃기다(笑わせる.可笑しい)と슬프다(悲しい)の合成語で「ㅋㅋ」 (笑を表す記号)と「ㅠㅠ(涙を表す記号)」を合わせた「큐큐」と共に使えば最上の組み合わせ。

 ちなみに、<NATE知識>で「웃프다とはどんな意味ですか?」という質問が登場したのは2011年1月です。(→コチラ。)

 なるほど、この映画の内容を考えるとよくわかります。
 で、自分でもこの웃프다を用いて短文でも作ってみるかと思いましたが、情けない自虐ネタばかりが次々と浮かんできて、気持ちが落ち込んでいきそうなのでやめます。
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[韓国語] 妻(アネ)の表記は韓国と北朝鮮で異なる

2014-05-12 09:36:04 | 韓国語あれこれ
     

 以前文京区白山のコリアブックセンターで購入した北朝鮮本を読んでいます。
 「홍의장군 곽재우(紅衣将軍郭再祐)」という、壬辰倭乱の時の将軍・郭再祐(クァク・ジェウ)の物語です。
約200ページですが、各ページの3分の2は絵で、活字も大きめの子ども向きの本なので、すいすい読み進められます。
 と言っても、会話は時代劇風だし、用語・用字は北朝鮮風なので、今のフツーの韓国語に慣れている私ヌルボ(と、たぶん大方の韓国語学習者)にとっては目が留まってしまうこともしばしば。
たとえば・・・・

 이곳은 녀진들이 둥지를 틀고 있는 곳과 가까으므로
 ここは女真どもが住み家を構えている所と近いので
 ・녀진(北朝鮮)→여진(韓国)
 ・가까왔으므로(北朝鮮)→가까웠으므로(韓国)

 아버님,나라에 왜적들이 쳐들어와 큰 란리가 났소이다. 소자는 기어이 왜적과 싸우려고 하오이다.
 父上、国に倭敵が攻め込んで大きな戦乱となりました。私はなんとしても倭敵と戦おうと存じます。
 ・란리(北朝鮮)→난리(韓国)
 ※소자(小子)は、王や父母等に対して自分を指して言う謙譲語。
  別の所で、소녀(小女)という言葉も出てきます。女性が目上の人に対して自分を指して言う謙譲語。もちろん少女と同じスペルです。
 [5月12日の訂正]※왜적は倭賊と思って最初そのように記しましたが、たまたま別の言葉を<NAVER辞典>で調べたら、この語が倭敵という漢字とともに出てきました。同音なので紛らわしいです。よくあることですが・・・。

 そして、実はこの本を読むまで私ヌルボが知らなかったのが안해という北朝鮮の言葉。
 発音してみると「아내」となるので、前後の脈絡からも韓国語の아내(妻)ということはすぐにわかるのですが・・・。

 この語を「朝鮮語辞典」(小学館)の電子辞書で引くと「<共和国で>家内,妻.→아내.」とあります。<NAVER辞典>(→コチラ)にも아내の北韓語または古語とあります。やはり、北朝鮮の表記が本来の形ということですね。

 韓国ウィキペディアの「아내」の項目には、さらに詳しい説明があります。
それによると、語源には次のような諸説があります。
 ①안(內)+해(物)。つまり「(家の)内の物」。
    ※慶尚道方言では「おまえの物だ(네 것이다)」という意味で「니 해라」と言うことが今もあるそうです。
 ②안ㅎ(內)+에(方向を示す先格助詞)。つまり「(家の)内の方」。
 ③안(內)+해(人を意味する接尾辞)。つまり「(家の)内の人」。
 これ以外に、妻は「家の中の해(太陽)」だと主張する意見等もありますが、これは妻をより尊重しようという考え方によるもので、語源とは関係がないとのことです。

 ついでに、エンハウィキにも아내についておもしろい説明がありました。(→コチラ。) ちょっと抜粋。

 결혼을 한 남자에게 있어 가장 무서운 천적 가 자신의 상대 여자를 지칭할 때 쓰는 말.
 사실 무슨 말만 하면 안해! 안해! 안한다고! 안해!!!를 외쳐서 아내라고 한다. 반대로 남편은...
 結婚した男性にあって最も恐ろしい天敵が自分の相手の女性を指す時使う言葉。
 事実、何か言葉をかけるとやらない!(안해!) やらない! やらないったら! やらない!!!)を叫ぶので아내という。反対に夫は・・・

 統一部(!)のFASEBOOK(→コチラ)にも、次のような例文がありました。
 다시 태어나면 안해와 결혼 안해!!
 もう一度生まれたら、妻とは結婚しない!!

 たしかに안해やらないと同義なので、実はヌルボも誤解しかけました(笑)。

 「紅衣将軍郭再祐」の内容等については、読み終えたら書きます。たぶん。
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