ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

「ハンギョレ」に12年間連載していた「ピビムトゥン」は歴史に残る漫画

2013-06-08 23:38:18 | 韓国の漫画
 1999年5月10日~2011年12月28日の12年7ヵ月の間「ハンギョレ」に連載されていた漫画「ピビムトゥン」は、私ヌルボが好きな漫画でした。
 代表的左翼紙の「ハンギョレ」らしくない、政治批判的な要素がほとんどなく、園山俊二と西岸良平を足して2で割ったような(??)タッチの、ほのぼのとした家族漫画です。

 しかし「好きな漫画」といっても「ハンギョレ」のサイトでたまに見たりする程度で、「ハンギョレ」の本紙で見たことは過去10回あったかどうか・・・。

 その漫画が11年の暮れに作者ホン・スンウの意思で3000回以上続いた連載を終えたことは、その前後の韓国サイトのニュースで知りました。その後「ハンギョレ」のサイトでこの漫画が見られなくなったのも残念なことでした。
 昨年(2012年)7月に、連載の最終回までを収めた単行本の「ピビムトゥン 9」が刊行されたので、去る4月に久しぶりに教保文庫に本をまとめて注文した時に、これと「ピビムトゥン 1」の2冊も迷わず購入することにしました。
で、他の本を先に読んでいたので、この漫画に取りかかったのがようやく一昨日。そしたらおもしろくて2冊イッキ読み。ブログ記事を3日間更新しなかった一因でもあります。

            

 左の第1巻の方も9巻と同日に出された改訂版です。
 あ、タイトルの「비빔툰 (ピビムトゥン)」は、「ピビンパプ(混ぜたご飯)」の「ピビム(混ぜること)」と「카툰(cartoon.カートゥーン)」の合成語です。「混ぜ混ぜ漫画」って感じですかねー?

 第1巻は、主人公チョン・ボトン(정보통)と妻セン・ファルミ(생활미)の新婚初日から始まります。チョン(鄭)という姓は金・李・朴・崔に次いで多い姓ですが、センに相当する姓はありません。それよりも、このハングル名を見て思いつくのは「情報通」及び「生活美」という漢字語。実はこの漫画は「ハンギョレ」連載開始の1年前(1998年5月)に、地域新聞「ハンギョレ・リビング」でスタートしていた「チョン・ボトン セン・ファルミ」を引き継いだものなのですね。その地域紙の性格に合わせて名前をつけたとのことです。

 第1巻では、新婚生活と、ほどなく妊娠して、男の子が生まれて、子育てに追われて・・・と、どんどん進展する生活の中での笑いを誘うエピソードがいろいろ盛り込まれています。ときおり風刺の込められたものもありますが・・・。

   
【模様だけタコ】    
 (ファルミ)「ボトンさん? ファルミだけど、晩ごはん何食べたい? ちょっと言って!」
 (同僚)「何の電話?」 ボトン「うん、家内が食べたいものあったら言ってだってさ」
 (ボトン)「‘ナクチチョンゴル(タコ鍋)’、どうかな?」 (同僚)「いやあ、チョン・ボトンさんは幸せな男だねー」  

   
 (ボトン)「そうか・・・? よし! その料理僕も好きだよ!」 (同僚)「・・・」
 (ボトン)「ハハハ・・・タコ鍋よりずっと美味しい物を作ってくれるみたいなんだけど?」 (同僚)「いや~何かな、それ?」
 結婚生活1ヵ月・・・ 私はその日の夕飯で妻が作ってくれた‘トッポッキ’を‘タコ鍋’より百倍千倍美味しく食べた。


 ・・・韓国映画を見ると、会社で仕事中に奥さんから電話がかかってくる場面がずいぶん多いような・・・。ただ、だんだんと私用電話は控えるのが通念になりつつあるようではあります。

 肝心なことは、作者のホン・スンウ氏もこの漫画を始めた頃は主人公と同じく新婚で、その後男の子が生まれ、さらにその妹が生まれ、というのも同じ。つまり作者自身の家族がそのままモデルなんですね。
 作中では男の子の名はチョン・ダウン、女の子はチョン・ギョウンです。ハングルだと정다운(情のある)、정겨운(情に満ちた)という意味になります。
 第1巻では、とくに奥さんのファルミの奮闘ぶりが印象に残ります。(子どもを抱っこしたまま足の指を駆使するとか・・・。) 妊娠~子育ての時期はどこの国のおかあさんも同様でしょうが・・・。

 次に第9巻から2つ。連載終了時には、ホン・スンウ氏の長男と長女も中1と小5になっています。漫画の方も併行して進行してきました。→コチラは<チョン・ボトンの家族、いつか帰ってきますよ>と題された家族写真入りの記事です。

   
 【‘アジョ’と‘トイ・ストーリー3’】 
 (ボトン)「こんな日がまた来るとは思わなかったな。10何年かぶりだね」 (ファルミ)「そうね。特別な日だわ」
 [1スクリーン‘アジョシ’] (ファルミ)「18禁映画を見に夫婦2人きりで映画館に来るとは」 (ボトン)「子どもたち、大きくなったな」

   
 (ファルミ)「憶えといて! 今回の‘アジョシ’と‘トイ・ストーリー3’だけど」 (ボトン)「‘アジョ’と‘トイ・ストーリー3’になるようだが・・・」
 (ファルミ)「時間だわ。ここまで!」 スッ

   
 [6スクリーン‘トイ・ストーリー3’3D]
 (ギョウン)「クハハッ」 (ダウン)「ハッ!」
 (ダウン)「すごいおもしろかった!」 (ギョウン)「パパはどこまで見たの?」 (ボトン)「‘アジョ・・・’まで」 いいよ。残りはあとでケーブルTVで見るから。


 ・・・シネマ・コンプレックスはこういう利用法があるんですね。(知らんかった私ヌルボ。)

   
 【何だ?・・・】    
 (男)「首に手をまわしてポッポ(キス)!」
 (ボトン)「・・・」 (ボトン)「首に手をまわしてポッポ!」

   
 (ボトン)「これをキスの年輪というべきか、俺に対する憎悪の表示というべきか、紛らわしいもんだなあ・・・」 (ク記者)「・・・」


 最後のコマの右側の男性を「ク記者」としたのは、連載終了時に<ハンギョレはいかにしてピビムトゥンを獲得したのか>という記事(→コチラ)を書いた担当のク・ボンジュン記者が、漫画にしばしば登場するこの男性のモデルが自分であることを明かしていたからです。
 この記事で興味深いのは、連載開始当時は漫画の注目度が高まってきていた時期で、とくに「ハンギョレ」に先行して人気を集めた新聞漫画が「朝鮮日報」の「광수생각(クァンスの考え)」(パク・クァンス作)と、「東亜日報」の「도날드닭(ドナルド・タク(鶏))」(イ・スイル作)。リンク先でそれぞれの絵を見てみてください。懐かしいなー。「광수생각」はずっと前に買って読んだぞ。
 もっと興味深いのは、「ハンギョレ」の社内でホン・スンウ氏と最終選考まで残ったもう1人の漫画家があのカン・ドハだったこと。「あの」と言ってもご存知ない方がずっと多いでしょうが、本ブログの過去記事<韓国の代表的漫画家15人>とか<「女性自身」連載 カン・ドハの漫画「華麗なるキャッツビー」>で紹介した漫画家です。彼が有名になったのは後のことで1999年当時はカン・ソンスという本名で書いていたそうです。

 さて、今回の記事のタイトルで「ピビムトゥン」は歴史に残る漫画と書いたのは、たんに読者の人が高かったというだけでなく、この12年の韓国社会と庶民の日常生活を、人々の内面まで含めてよく描写しているから。一家族の具体的なエピソードそれぞれが、多くの家庭にも通じる一般性ももっているのです。
 そしてまた、その12年間が、歴史の中の限られた一部であるとともに、時代を超えて相通じるような要素もあるということ。それを一言で言うと家族愛ということになるのかもしれません。
 ホン・スンウ氏は、別に「朝鮮男子、子供を育てる」という漫画を書いています。これは朝鮮時代唯一の育児日記を書いた官吏イ・ムンゴンの「養児録」の漫画版です。innolieの紹介記事(→コチラ)によると、「家門の長老である祖父が、自ら孫を養育し、孫の成長過程としつけについて詳しく記録した詩篇日記」とのことです。
 たぶんホン・スンウ氏自身、昔の男性の心に互いに響き合うものを感じたのではないでしょうか? ・・・って読んでないけど、これも読んでみたくなりました。
 あ、その前に第2~8巻も読まなくては・・・。

            
  【第1巻(左)と第9巻の裏表紙。赤い字で「今日のわれわれの文化賞」受賞、「大韓民国出版漫画大賞」出版賞受賞とある。】 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ソウルで買い込んだ本[その5 漫画で見る韓国の過去と現在②」] チェ・ギュソク「泣くには少し曖昧な」

2013-01-23 23:54:41 | 韓国の漫画
 <ソウルで買い込んだ本[その4 漫画で見る韓国の過去と現在①]最近の大ベストセラー、ユン・テホ「未生」>の続きです。

漫画③チェ・ギュソク「泣くには少しあいまいな」

         
  【このタイトル、読みにくいですが「울기엔 좀 애매한」です。立って笑っている少年が主人公ウォンビン。】

 今回は、すでにイッキに読み終えた漫画です。
 この漫画、正確には私ヌルボが買ったのではなくて、プレゼントとしていただいたものです。
 読み始めてすぐ気づいたことは、この作者チェ・ギュソク「100℃」「漫画チャジャンミョン」という作品をすでに読んでいたこと。
 「100℃」は80年代民主化闘争の中で投獄された若者とその母の話、「漫画チャジャンミョン」は、詩人・作家のアン・ドヒョンが中華料理屋の出前持ちの少年の成長を描いた<大人の童話>「チャジャンミョン」が原作です。
 どちらも、厳しい社会状況で懸命に生きる人々を描いた漫画ですが、この「泣くには少しあいまいな」は、まさに現代の若者にとって切実な問題を具体的に扱っています。
 それは「大学登録金(대학등록금)」問題。つまり大学入学金+授業料が高額であること。そのために親の負担が大きく子どもを進学させられなかったり、大学に入れてもアルバイトに追われて休学することになったり大きな借金を背負い込んでしまったり等々。
 この本が刊行されたのが2010年6月ですが、それ以前から問題化していたようです。これについては、2011年6月の→コチラのブログ記事に詳しく記されています。

 で、この漫画の内容ですが、舞台は美術系大学をめざす受験生のための美術学院。「学院(학원)」とは日本の予備校・塾のことです。主要登場人物は、そこの漫画科に通い始めたカン・ウォンビン(←顔は名前と正反対!)。離婚して食堂を切り盛りしている母親が苦しい中無理して彼を学院に行かせるのです。その学院の先輩ウンスは、いい大学に受かったものの登録金が払えずバイトを続けながらの学院通い。そのバイトの収入を母親が勝手に下ろしてしまいますがそれにも事情があります。そして学院の講師チョン・テソプ。この人物像には、2、30代にやはり美術学院で教えていた作者自身が投影されているようです。その他カップラーメンが昼の常食になっているやはり苦しい生活の女生徒たち。1人いる金持ちの娘は結局金の力で「随試(수시)」(随時募集)つまり推薦入試で合格してしまいます。彼女を責める女の子たちに対し彼女を弁護したいウォンビンは「金も才能だ」と言いますが、それに対する女の子たちの反駁がとても真に迫っています。ウォンビンに「顔がかわいいのも才能だから飲み屋で高い時給がもらえる」と言われた女の子は「かわいいおかげで時給7千ウォンもらってありがたいけど、オンマが病気なのも才能なの?」とつめよられたり・・・。

 私ヌルボ、大学登録金問題が今も続いていることは知っていましたが、この漫画を読んでその現実を具体的に知ることができました。

     
   【このタッチはいかにも美術学院の先生らしい雰囲気です。日本に同じような画法の漫画家いるかな? 】

 この本の表紙裏にチェ・ギュソクの紹介が書いてありました。
 1977年生まれ。智異山(チリサン)の麓の山奥の村で建設労働者の子ども6人の末っ子で、生徒数100人の小さな初等学校に通っている時にソウルの子どもたちから「恵まれない友だちに」送られてきた物の中に漫画雑誌があったのが漫画との最初の出会い。都会に転校して中高生当時は漫画を描くヤツとしてちょっと知られ、高3の時に友人に脅されて一緒に美術学院に通い、祥明(サンミョン)大学に4大初の漫画学科が設けられたその年、級長に「おまえのためにできたような学科だな」と言われた言葉を真に受けてそこに進学したとのこと。
 1998年の新人漫画公募展での金賞受賞、以後漫画家として初めて固定収入を得た作品が2004年から「京郷新聞」で連載された「湿地生態報告書」。昨年(2012年)6月KBSでドラマ化され、10月にKBS WORLDでも放映されました。(→コチラ参照。)
 私ヌルボは見なかったというか、知らなかったというか、それ以前にこのタイトルから自然関係(生物学関係)の作品かと誤解していたんですけど・・・。

          
  【「湿地生態報告書」の表紙。「泣くには少しあいまいな」とはかなりタッチが違います。】

 <YES24>のサイトでこの「泣くには少しあいまいな」について見たら、<韓国出版文化振興院 推薦図書>となっていて、なーんだ、これはプレゼントしてくれた彼女の勤務先の推薦じゃないの、というわけで、彼女及びその勤務先及びこの本や作者及び李明博(→朴槿恵)等々をめぐる政治的背景までいろいろ考えてしまいましたよ。(その内容は略す。)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ソウルで買い込んだ本[その4 漫画で見る韓国の過去と現在①] 最近の大ベストセラー、ユン・テホ「未生」

2013-01-21 20:33:47 | 韓国の漫画
 3つ前の記事<ソウルで買い込んだ本[その3 チュ・ホミン「神と一緒に」 えっ、人気ウェブ漫画が有料化!?]>の続きです。

漫画②ユン・テホ「未生」(上)」

        
 昨年(2012年)11月4日の記事<韓国のベストセラー漫画 [教保文庫の1~20位]>で紹介した漫画です。その時点で1位だったのがこれ。同じランキングを見ると、現在の1位はこの「未生」の第4巻で、20位以内に1~4巻がすべて入っています

 内容は、前の記事をそのままコピペすると次の通りです。
 ユン・テホは、映画「黒く濁る村」の原作漫画「苔(이끼)」の作者。
 この作品は、囲碁の1989年の第1回応氏杯で、薫鉉9段(韓国)と聶衛平(中国)という当時の韓中の第一人者が対決したことが背景になっているそうです。
 主人公は幼い時から町内の囲碁教室に通い、両親の期待を受けてプロ棋士だけを目標に生きてきた青年。11歳の時棋院に入ったが、7年後父の事業は傾き、彼もプロ入りに失敗。結局、学歴は検定試験の高卒のみで趣味・特技もない彼がどんな会社員生活を送るか・・・、というのがこの漫画の基本設定。


 ・・・この「薫鉉9段と聶衛平が対決したことが背景」というのが私ヌルボ自身わかっていなかったのが、実際に見てみてわかりました。
 下の画像のように、その対局1手ごとが各章の初めのページに対応しているのです。
        
 つまり、この場合は第15章。右ページにはその解説が書かれています。物語自体の展開とどう関係するのかな?

 しかし私ヌルボ、この漫画の最初の方だけ少し目を通したかぎりでは今ひとつ気が乗らないんですよ。その図柄を見てみると・・・。

        
 主人公の顔(下の段の真ん中のコマの鼻の高い青年)の表情が一貫してパッとしないし、個々のセリフが概して長すぎるし・・・。主要登場人物の呉(オ)課長の白目部分が「赤目」なのも異様だし・・・。
 しかし、これだけ人気を集めているからには、当然なんらかの魅力があるのでしょう。 ・・・まあそのうち読み通した後で、また記事を書くことにしましょう。

※「週刊京郷」のサイトに、ユン・テホのインタビュー記事(韓国語)がありました。(→コチラ。)
それによると、影響を受けた漫画家や作品は、という問いに「(「食客」の)ホ•ヨンマン先生ですよ」とか、「井上雄彦「スラムダンク」大友一洋「AKIRA」」と答えています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ソウルで買い込んだ本[その3 チュ・ホミン「神と一緒に」] えっ、人気ウェブ漫画が有料化!?

2013-01-19 17:02:44 | 韓国の漫画
 3つ前の記事<ソウルで買い込んだ本[その2 なぞなぞのポケット版]>の続きです。

 12冊買い、2冊もらった本計14冊のうち漫画が5冊。それも全3巻揃いを買うと重いしかさばるので最初の1冊だけにしたのが2作品あるからなー。
 映画や小説もそうですが、韓国優先であれこれ見たり読んだりしていると、日本の最近の注目作については疎くなったり、知っていてもつい後回しになってしまうのが当然のなりゆきとはいえ残念なところ。分身の術が使えたらいいのに・・・。

 その漫画5冊のうち2冊は上下2巻本なので作品数は4つ。一挙に全部紹介するつもりが、最初のだけで「特殊事情」があって長くなりそうなので、今回はその1つだけにしておきます。

漫画①チュ・ホミン「神と一緒に 神話編(上)」

      
 1月14日の記事<2012年に読んだ「圧倒的!」な本5冊>で紹介した本です。詳しい内容はソチラをご覧ください。
 そこでも書いたように、元はウェブトゥーン(ネット漫画)です。「あの世編(全3巻)」「この世編(全2巻)」「神話編(全3巻)」に分かれていて、それぞれ独立のものとしても読むことができます。昨年9月に完結し、その間韓国のファンの間でも大きな人気をよび起こしました。
 私ヌルボ、「神話編」の最後を方は未読だったのと、他の人にも薦めようと思って本を買っておくことにしたのですが、3冊だとかさばるので上巻だけとりあえず購入しました。
 ところが、14日の記事で「<NAVER漫画>で、予告編から読むことができます。→コチラ」と書いてリンクを張っておいたところ、一昨日その目録を確認してみると、各編の最初の数話しか見ることができなくなっていることに気づきました。

 その理由を探ると、なんとごく最近(2012年12月)<Press by PLE>に「NAVERウェブトゥーン無料民営化?」という記事(→コチラ(韓国語)があって、「NAVERがウェプトゥーン作家の安定収益のために人気ウェプトゥン "神と一緒に"を有料に変える予定だ」と書かれているではありませんか。(これが上記の「特殊事情」です。)
 その作者のチュ・ホミンは、自分のブログで「収益を生まない産業は存在しえない。・・・より良い創作環境と質の良い漫画のための投資だと思ってください」と書いたそうです。
 DAUMも「純情漫画」等カンプル作品10編を含めて10人余りの作家の完結ウェブトゥーン25作品を再び見る場合には料金を受け取るそうです。
 チュ・ホミンは「ほとんどの作家は、ポータル原稿料外収益がなくて、次の作品を準備する余力がなく、結局、毎日高強度創作労働をすることになり、才能と情熱が擦り減ってしまう」と訴えているとか・・・。
 そして完結作品については<NAVERbook>を通して電子書籍で購入してください、とのことです。
※1巻あたりの購読料は500ウォンです。・・・え、3日以内に読まなくてはならないのか!? (永久貯蔵だと10倍の値段。)

 そういえば、私ヌルボの「お気に入り」の中にチュ・ホミンのブログを置いていたことを思い出し、久しぶりに見てみると、12月13日に<完結作品有料化案内>と題した記事がありました。(→自動翻訳。)
 そこに上述のような理由とともに、この措置は「"完結されたウェブトゥーン"の有料化で、その時点では連載終了後3〜4ヵ月後」であること、連載中の作品についてはこれまで同様無料で見られること等が記されています。

 私ヌルボの感想としては、まあ致し方ないかな、といったところです。以前何かで見たら、以前大ヒットした映画の「猟奇的な彼女」の場合でも、原作(ネット小説)の作者は500万ウォン(?)もらったくらいだったとか・・・。チュ・ホミンにしてもカンプルにしても、人気漫画家の収入をたとえば日本と比べると天地ほどの差があるのではないでしょうか?

※2012年8月の「中央日報」(日本語版)に記事には<韓国ポータル人気連載漫画を無断掲載する中国サイト>という見出しで、中国のウェブサイトが「神と一緒に」等の韓国の人気ネット漫画30作品を違法掲載中であると報じています。そして「ネイバー側は「作家と相談して対策を考える」とも書かれています。このことも、有料化と関係があるかもしれません。また、別のサイトでは、児童・生徒に「有害」と思われる作品も見ることができてしまうという問題も指摘されていました。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国のベストセラー漫画(2012年11月) [教保文庫の1~20位]

2012-11-04 17:49:02 | 韓国の漫画
 前回、韓国のベストセラー漫画についての記事を載せたのがいつだったか見てみたら、2011年8月。<デジタル漫画奎章閣>のサイト中にあるランキングをそのまま「韓国漫画編」「外国漫画編」(※すべて日本漫画)
に分けて紹介しました。

 それからもう1年以上も経ってしまったんですね。・・・ということで、久しぶりに最新情報をお知らせします。
 しかし、前の記事に記したように、<デジタル漫画奎章閣>のランクは何に基づいているかがよくわからず、大手ネット書店の<YES24>のランキングと照らし合わせてみると、「ビミョー以上に違いがあるような」感じもあるので、今回はその<YES24>のランクを紹介することにしました。

 ・・・と、ここまで書いて、その<YES24>の漫画ランキングを見て「ありゃ??」と少々ビックリ!
1位が이시부미 이치에이 저/미야마 제로 그림「하이스쿨 DxD 5」となっている。つまり石踏一榮:作、みやま零:画「ハイスク-ルD×D」でないの! これってライトノベルじゃん。(←ヌルボは横浜人) さらに下を見ていくと、10位には마츠 토모히로(松智洋):作、나카지마 유카(なかじまゆか):画「아빠 말 좀 들어라! 8(パパのいうことを聞きなさい 8)」というのもあります。
 <YES24>の「漫画」の内訳を確かめてみると、教養・恐怖・純情・アクション・歴史等々19種のジャンルがある中で、最後に「라이트노벨(ライトノベル)」なんてちゃーんと入ってる・・・。
 これは日本人の感覚とはちょっと違うんでないの !?

 ・・・と思いつつ、今度は<教保文庫>の漫画ランキングの方を見たところ、コチラにはラノベはなし。念のため「小説」のジャンルの中を見てみると、コチラに「라이트노벨」が入っていました。

 そういうわけで、今回は<教保文庫>の週間漫画ランキングの1~20位を紹介します。20作中、韓国の作品が11で、半分以上になっているのはめずらしいかも・・・。

①ユン・テホ(윤태호)「未生(미생):未だ生きられない者 1(아직 살아있지 못한 자 1)」
     
 ユン・テホは、映画「黒く濁る村」の原作漫画「苔(이끼)」の作者。
 この作品は、囲碁の1989年の第1回応氏杯で、薫鉉9段(韓国)と聶衛平(中国)という当時の韓中の第一人者が対決したことが背景になっているそうです。
 主人公は幼い時から町内の囲碁教室に通い、両親の期待を受けてプロ棋士だけを目標に生きてきた青年。11歳の時棋院に入ったが、7年後父の事業は傾き、彼もプロ入りに失敗。結局、学歴は検定試験の高卒のみで趣味・特技もない彼がどんな会社員生活を送るか・・・、というのがこの漫画の基本設定。

②ユン・テホ(윤태호)「未生(미생):未だ生きられない者 2(아직 살아있지 못한 자 2)」
 プロ棋士を目指したもののかなわなかった会社員の主人公。小心で内省的なように見えて、実は内に勝負師魂を秘めていた・・・。・・・ということで、会社員たちの共感をよんでいる漫画だそうです。

③椎名軽穂(Karuho Shiina.시이나 카루호)「君に届け(너에게 닿기를) 16」
     

④亜樹 直(Tadashi Agi):作、オキモト・シュウ(/Shu Okimoto):画「神の雫(신의 물방울) 34」

⑤よしなが ふみ(Fumi Yoshinaga)
「きのう何食べた?(어제 뭐 먹었어?) 6」

⑥尾田栄一郎(Eiichiro Oda)「ONE PIECE(원피스) 67: Cool Fight」


⑦チョン・チョリョン(정철연)「MAJO&SADY(마조앤새디) 2」

     
 イラストレイターで主夫のマジョ(クマ)と、会社勤めの妻サディ(ウサギ)の夫婦の、心がホンワカとなるような漫画エッセイ、というか・・・。<カメコミー。>というブログの先月の記事では「帯についていた30秒に1度の爆笑というのはあながち嘘ではなかった」とか「メインは面白い話なのだけれども、中にはぐっとくるようなものもあったり・・・」とのこと。その次の記事では1話分日本語に訳されて紹介されていました。
 オリジナルのNAVER連載中のウェブトゥーンは→コチラ

⑧青山剛昌(Aoyama Gosho)「名探偵コナン(명탐정 코난) 77」

⑨ろびこ(Robico)「となりの怪物くん(옆자리 괴물군) 10」

⑩矢吹健太朗(Kentaro Yabuki)、長谷見沙貴(Saki Hasemi)「To LOVEる -とらぶる- ダークネス (투러브 트러블 다크니스) 3」

⑪チュ・ホミン(주호민)「神と一緒に あの世編 セット(신과 함께 저승편 세트)」
     
 私ヌルボが今年前半に読んだ中で一番の大感動・大収穫の漫画です。本ブログでは5月21日の「韓国漫画名作100選」の記事の冒頭で少し触れ、「本ブログで紹介するのはちょっと先伸ばしにします」と書きましたが、それっきりになっています。「あの世編」だけでも近いうちに紹介しようと思います。
この「あの世編」は現在「ヤングガンガン」で三輪ヨシユキ:画による日本語版が連載中です。その作品紹介は→コチラで、7月には単行本第1巻が刊行されました。
 物語は、若くして亡くなってしまった会社員が主人公。彼は閻魔大王(韓国では閻羅大王.염라대왕)の使いに従い冥界に向けて旅立つのですが、日韓の「仏教的あの世観」が共通していることを知るとともに、この作家の創造的イマジネーションにびっくり! またあの世に行く手段として深夜の地下鉄に乗ったり、49日の裁判を受ける過程で、最初から彼の担当の新米弁護士が有能ぶりを発揮したり等々、あの世もつまりは現代の反映、という描き方もおもしろかったです。
 <NAVER漫画>で、予告編から読むことができます。→コチラ

⑫大場つぐみ(Tsugumi Ohba):作、小畑健((Takeshi Obata):画「バクマン。(바쿠만) 19」

⑬ネオンB(네온비):作、キャラメル(캐러멜):画「ダイエット(다이어터) 3 健康持続編(건강지속 편)」
     
 25歳の平凡な女性銀行員は93kgの高度肥満。しかし肥満体質というものはなく、太る理由はすべて生活習慣、食習慣のためで、これを正していくことが大切、というコンセプトで書かれたダイエット挑戦漫画。昨年<DAUM漫画>でキャラメルが連載が始まると人気を集め、単行本化されると全3巻合わせて10万部売れたそうです。韓国でもダイエットに対する関心がそれだけ高いということですね。直接この漫画を見てみたいという方は→コチラで(予告編から)。
 ネオンBさん(27歳.女性)は元々はキャラメル氏のファン。3歳上の彼と昨年11月結婚したそうです。

⑭ネオンB(네온비)「ダイエット(다이어터) 2 運動適応期編(운동적응기 편)」

⑮ユン・ジウン(윤지운)「アンチ・レディ(안티 레이디) 5」
 会計事務所で働くOLの、職場での人間関係や、恋愛模様を描く。
 この作品も<DAUM漫画>で読むことができます。(→コチラ。)
     
  【<DAUM漫画>で見る「アンチ・レディ」。韓国漫画は、日本と違ってまずネット連載から。】

⑯ネオンB(네온비)「ダイエット(다이어터) 1 食餌調節編네(식이조절 편)」

⑰空知英秋(Hideaki Sorachi)「銀魂(은혼) 44」

⑱チョン・チョリョン(정철연)「MAJO&SADY(마조앤새디) 1」

⑲ナンダ(난다)「アコースティック・ライフ(어쿠스틱 라이프) 1」
 新婚夫婦の日常生活でおきる暖かく、穏やかな漫画エッセイ。
 これまた<DAUM漫画>で読むことができます。(→コチラ。) 韓国語ができなくても、絵を見ると雰囲気はわかります。

⑳ユン・テホ(윤태호)「内部の者たち(내부자들) 1」
 「未生」の作者ユン・テホが2010年から<ハンギョレ>のサイトで連載している政治漫画で、→コチラで見られます。内容は、<ハンギョレ(日本語版)>の記事「20年ぶり…うれしい、政治漫画」(→コチラ)に詳しく記されています。韓国の種々の組織・機関の中で自分の利益のために隠密に活動する「内部者たち」の醜悪な取引と陰謀を扱っている作品、ということです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

<韓国漫画名作100選>② 専門家が選んだベスト10 

2012-06-03 15:45:50 | 韓国の漫画
 5月21日の記事「<韓国漫画名作100選>① ベスト10を紹介 ★第1位は「恐怖の外人球団」の続きです。
 ①では、「ソウル新聞」と韓国漫画映像振興院の共同企画「韓国漫画名作100選」の1~10位を紹介しました。
 今回は、4月23日付「ソウル新聞」の「[韓国漫画名作100選] 80年代をリードした「恐怖の外人球団 思い出を超えて伝説へ」に載っていた、専門家が選んだベスト10を紹介します。
 先の記事と重なる作品については説明を省略します。

    
           【この表の左の列が専門家推薦の順位。】

【専門家推薦】   

①イ・ヒョンセ(이현세.李賢世)「恐怖の外人球団(공포의 외인구단)」(1982)

②キム・スジョン(김수정)「赤ちゃん恐竜 ドゥリ(아기곡룡 둘리)」(1983)

③ホ・ヨンマン(허영만.許英萬)「おー! 漢江(ハンガン)(오! 한강)」(1987)
 「食客」等々、現在も第一線で活躍しているホ・ヨンマンですが「私が選んだ70年代最高の漫画家ベスト10」という韓国のブログ記事にはすでに彼の名前が入っています。この「おー! 漢江」は80年代民主化運動が最も高揚した1987年刊行。本ブログの過去記事「韓国の代表的漫画家15人」では、「デモ学生が正しいとした、画期的な<80年代運動圏の必読漫画>とのこと」と書きましたが、その後も未読のまま。(少し昔の漫画は相変わらず入手困難で、再刊もされていません。) 
 しかし、今回は韓国サイトをいくつか見て若干情報を得ました。中でも「ホ・ヨンマンの「おー! 漢江」を再び読む」というブログ記事によると、前半こそ主人公は革命的情熱に燃えたが、後半は懐疑的になり煩悶して、ラストではやや陳腐な反共の内容に落着してしまった、ということで、「安企部の支援を受けた反共漫画ではないか」との臆説も広まったそうです。しかし、この記事の筆者は、今読み直して、むしろその後半に深く感動したと記しています。

       
           【「おー! 漢江」第1巻】

④コ・ウヨン(고우영.高羽榮)「三国志(삼국지)」(1968)

⑤コ・ウヨン(고우영.高羽榮)「林巨正(イム・コクチョン)(임꺽정)」(1974)
 コ・ウヨンは、大人向け長編歴史劇画の先駆者。「林巨正」は洪命憙(ホンミョンヒ.홍명희)の歴史小説が原作。他に「十八史略」「一枝梅」等も描いています。

⑥ユン・スンウォン(윤승운.尹勝雲)「メンコンイ書堂(맹꽁이 서당)」(1983)
 書堂(学塾)の先生が弟子たちに歴史を教えるという形式の、歴史学習漫画の元祖。この漫画のことは、一昨年(2010年)富川のミュージアム漫画奎章閣に行って初めて知りました。(過去記事参照→コチラ。) 「メンコンイ」はアマガエルの一種のジムグリガエル。孔子(コンジャ)と孟子(メンジャ)の名から1字ずつ取った「孔孟書堂」が本来の書堂の名ですが、それをふざけて逆にしたもの。漫画雑誌の「ポムルソム(보물섬.宝島)」に25年間連載され、連載終了時には「ハンギョレ」にも記事が載りました。(→コチラ。) 
     
    【富川市・ミュージアム漫画奎章閣の「メンコンイ書堂」展示物。(2010年9月)】

⑦キル・チャンドク(길창덕.吉昌悳)「コボンイ(꺼벙이)」(1970)
 キル・チャンドクは、上記のユン・スンウォンやシン・ムンス(申文壽)等とともにいわゆる<明朗漫画>の開拓者。「コボンイ」は、1968年から14年間「少年韓国日報」に連載された「チェドンイ」と並ぶ彼の代表作。2010年81歳で亡くなりましたが、そのニュース記事によると「チェドンイ」の連載回数4800回は韓国最長連載記録だそうです。 
     
 【これもミュージアム漫画奎章閣の「コボンイ」の展示物。手前、犬に追っかけられている少年がコボンイ。】

⑧ヤン・ヨンスン(양영순)「ヌードルヌード(누들누드)」(1995)
 2001年タイガーコミックスとして日本語訳が出た韓国漫画中の1つ。私ヌルボはこの作家の「千一夜話」は表紙(→コチラ参照)に惹かれて購入しましたが、内容は今ひとつ、だっかな。「ヌードルヌード」は未読ですが、アマゾンのコメントには1件とはいえ「アイロニカルというかシュールというか、ただのエロマンガではありません。子供にはもったいない、大人のための1冊です」と★5つをつけた方がいます。

⑨キム・サンホ(김상호)「正義の使者 ライパイ(정의의 사자 라이파이)」(1959)
      
      【タイトルも図柄も時代を感じさせます。】
 この漫画については知りませんでした。→コチラの韓国ブログで、往年の漫画ファンがこの作品への思い入れを何枚もの画像とともに綴っています。

⑩ユン・テホ(윤태호)「(이끼)」(2007)
 笞(むち)ではなくて苔(こけ)ですよ。2010年日本でも公開された映画「黒く濁る村」の原作漫画です。

 先に掲げた表の2列目は「読者選好度」。一般読者による順位ですが、これは前回のものと同じなので説明は略します。

【読者選好度】

①イ・ヒョンセ(이현세.李賢世)「恐怖の外人球団(공포의 외인구단)」(1982)

②ホ・ヨンマン(허영만.許英萬)「食客(식객)」(2002)

③パク・ソヒ(박소희.朴韶希)「(궁)」(2002)
 
④カンプル(캉풀)「あなたを愛しています(그대를 사랑합니다)」(2007)

⑤チョン・ククチン(전극진)作:ヤン・ジェホン(梁載賢양재현)画「熱血江湖(열혈강호)」(1994)

⑥キム・スジョン(김수정)「赤ちゃん恐竜 ドゥリ(아기곡룡 둘리)」(1983)

⑦チョン・ゲヨン(천계영)「オーディション(오디션)」(1998)

⑧チョソク(조석)「心の声(마음의 소리)」(2006)

⑨キム・セヨン(김세영)作:ホ・ヨンマン(허영만.許英萬)画「タチャ[イカサマ師](타짜)」(1999)

⑩イ・ウォンボク(이원복.李元馥)「遠い国 隣りの国(먼나라 이웃나라)」(1987)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

<韓国漫画名作100選>① ベスト10を紹介 ★第1位は「恐怖の外人球団」 

2012-05-21 23:54:12 | 韓国の漫画
漫画雑誌「ヤングガンガン」で2011年12月から連載がスタートした漫画「神と一緒に」にハマっています。・・・といっても、その三輪ヨシユキ:画の日本語版の方ではなくて、NAVERウェブトゥーンに連載されている原作者チュ・ホミン(주호민)氏自身が絵も描いている原作の方。
 今40話あたりを読んでいますが、全187話なのでまだまだ先の上、現在も継続中の作品なので、本ブログで紹介するのはちょっと先伸ばしにします。
 読んでみたいという方は予告編(→コチラ)から。続きは画面最下段の<다음화(次の画)>をクリック。垣間見てみたいという方は神話編の中の寒楽宮伊(ハルラククンイ)伝(할락궁이전)全12話をとりあえず読んでみてください。→コチラから。

 さて、この漫画を含めて最近の韓国漫画についての情報を集めていたら、先月(2012年4月)「ソウル新聞」と韓国漫画映像振興院の共同企画で「韓国漫画名作100選」を選定し、公表していたこと知りました。
 漫画家や漫画評論家等100人が選定し、さらに読者1000人を対象に人気度を調査したもので、 その100作品のリストは→コチラの記事に掲載されています。また、個々の作品については、漫画映像振興院のサイト中の記事で見ることができます。1~50位は→コチラ、51位~100位は→コチラです。

 これを全部訳して紹介するのは労力がタイヘンなので、いずれなんらかの方法で記事にするとして、とりあえずはベスト10だけ紹介します。

   

[青字]は上の画像についている説明文の訳です。[黒字]は私ヌルボのコメント。

①イ・ヒョンセ(이현세.李賢世)「恐怖の外人球団(공포의 외인구단)」(1982)
 財閥の娘オムジに惚れて野球を始めたカチ(オ・ヘソン)と、オムジの新しい恋人マ・ドンタク、そしてその2人から愛されるオムジ、3人が野球を舞台に繰り広げる運命の一番勝負。
 1986年アン・ソンギ等が出演して映画化されたんですが、私ヌルボ、残念ながら漫画も映画も未見です。映画の説明は→コチラ

②ホ・ヨンマン(허영만.許英萬)「食客(식객)」(2002)
 主人公ソンチャンと雑誌記者ジンスが天下第一の味を探すため全国八道の山河を廻る話を中心とした美味しい漫画。
 「美味しんぼ」に優るとも劣らない! 韓国の地方料理や方言等々の勉強にもなります。映画が日本でも公開され、それなりに知られてはいますが、漫画の翻訳本は少し出たきりで話題にもならず中断中?

③パク・ソヒ(박소희.朴韶希)「(궁)」(2002)
 大韓民国が立憲君主制という設定の下に、皇太子と政略結婚をすることとなった平凡な女子高生チェギョンの物語を描いた漫画。
 ヌルボはちゃんと読んでませんが、日本でも「らぶきょん」のタイトルで人気漫画に!

④カンプル(캉풀)「あなたを愛しています(그대를 사랑합니다)」(2007)
 1人で暮らしているソン・イップン婆さん、頑固一徹のキム・マンソク爺さん、痴呆を患っている妻と暮らしているチャン・クンボン爺さん等、老年の愛を描いた作品。
 これは感動的な漫画です。(涙) 本ブログの関連記事は→コチラ。映画化され、カンプル原作の映画としては初めてヒットしました(160万人以上?)が、日本では翻訳本も映画の公開もないのかなー・・・。ホントに感動的な漫画なのに・・・(涙涙)。

⑤チョン・ククチン(전극진)作:ヤン・ジェヒョン(梁載賢양재현)画「熱血江湖(열혈강호)」(1994)
 邪派最高の人物天馬神君の弟子ハン・ビグァンと、正派最高の奇人である剣皇の孫娘タム・ファリンが関わる武林の世界を背景に繰り広げる武侠漫画。
 「週刊コミックバンチ」で2001~02年翻訳連載したようですが、早々に打ち切られたようです。どうも武侠物の漫画とか読み物はなぜか日本では流行らないみたいですね。韓国ではないけど金庸の小説なんてすごくおもしろいんですげねー。って、この漫画は第1巻の表紙と中身パラパラ程度しか見てません。内容以前に、絵が日本人好みてはないのかも・・・。

⑥キム・スジョン(김수정)「赤ちゃん恐竜 ドゥリ(아기곡룡 둘리)」(1983)
 氷河で目覚めた、超能力を持った赤ちゃん恐竜「ドゥリ」がコ・ギルトンの家に入ってドゥリ、トッチ、トウノ、マイコル等の多様な友だちとともに過ごしながら展開する物語。
 韓国の国民的な人気キャラクター。よく目にはするが、漫画はちょっと読んだことがあったかな、という程度。

⑦チョン・ゲヨン(천계영)「オーディション(오디션)」(1998)
 財閥の娘だった宋明子(ソン・ミョンジャ)が、父の遺言に従って遺産を相続するために4人の天才たちを探して「再活用バンド」を結成、新人オーディションコンテストに出る過程を描いた作品。
 これは知らなかったゾ・・・。

⑧チョソク(조석)「心の声(마음의 소리)」(2006)
 「すごいよ!!マサルさん」のセンスを、「行け! 稲中卓球部」のドタバタを跳び越えた! 日常生活をユーモラスに再解析して描いたコミック漫画。
 <NAVER漫画>で人気のウェブ・トゥーン(ウェブ上のcartoon=連載漫画)で、本になったのを第1巻だけ買って読みました。ちょっと屈折した感じ(?)のギャグで、ウーム・・・。

⑨キム・セヨン(김세영)作:ホ・ヨンマン(허영만.許英萬)画「タチャ[イカサマ師](타짜)」(1999)
 生まれながらの勝負師コニ、伝説のイカサマ師ピョン・ギョンジャン、人間的なイカサマ師コ・グァンニョル、賭博の花の設計者チョンマダム、そして多様な人間群像が繰り広げる謀略と裏切り、欲望と葛藤の壮大な賭博オデッセイ。
 これも映画化されました。詳細は→コチラ。これまた漫画も映画も見てなくて、語る資格なし。

⑩イ・ウォンボク(이원복.李元馥)「遠い国 隣りの国(먼나라 이웃나라)」(1987)
 ヨーロッパ、韓国、日本、アメリカまで、生きている世界歴史と文化を紹介して、世界市民の心を提示した漫画。
 教養漫画ですね。ヌルボは「日本編」だけ読みました。記述はなかなか詳しく、そんなに「反日」が前面に出てはいなかったという印象があります。

※本ブログ2009年9月1日の記事「韓国の代表的漫画家15人」で紹介した漫画家や作品と当然ながらかなりダブっています。

※冒頭に記したチュ・ホミン(주호민)「神と一緒に(신과 함께)」は100選のリストに最新作として入っています。順位は19位。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カンプルの漫画「26年」と5.18光州民主抗争

2011-10-31 23:56:51 | 韓国の漫画
 私ヌルボ、いろいろ仕入れた韓国関係のネタ(インプット)と、ブログ記事(アウトプット)がほぼ等量だといいのですが、慢性的にインプットが溜まっていって、記事の方が追いついていけない状態になっています。
 この9月以降にしても、光州旅行については簡略版だけしか記事にしていないし、金沢旅行では実は尹奉吉の密葬地といういかにも韓国オタクらしい所にも行ったのですが、調べはじめるとキリがつかなくなってきてまとめるのが難しく、今に至っています。

 そこで思いついたのが2つのネタの合体。
 ・・・ということで、今回はカンプルの漫画と5.18光州民主抗争について。

 カンプルの漫画については、これまで何度も本ブログでとりあげてきました。ネット漫画家の草分け的存在で、これまでほとんどの作品が映画化されています。
 ただ、映画でヒットしたのは今年前半の「あなたを愛しています(당신을 사랑합니다)」が初めて。彼の作品の多くが群像劇で、時間軸・空間軸が複雑に交錯する緻密なプロットが大きな持ち味になっていますが、それをどう構成するかが映画表現での難しいところだと思います。

 彼の作品で、日本で翻訳本が出ているのは初期の「純情物語 1~4」(双葉社.2005)だけ。
 若い会社員と、同じマンション(韓国ではアパート)の女子高生との文字通り純愛を描いた物語ですが、私ヌルボとしてはちょっと純情すぎて、彼の作品のランクとしては水準以下ってとこですねー。

 2004年の時点での彼の紹介記事で、すでに彼のことを「猟奇漫画家(ここではギャグ漫画のこと)」「純情漫画家」「運動圏漫画家」と紹介しています。
 これにもう一つつけ加えると「恐怖漫画家」でしょう。

 上記の「純情物語」以降、翻訳書は出ていませんが、韓国ではネット連載の完結後に本として刊行されています。
 ヌルボは今までほとんど読んできました。ちなみにベスト3(順不同)をあげると、
 ○「바보(パボ.馬鹿)」 
 ○「26년(26年)」
 ○「그대를 사랑합니다(あなたが好きです)」


の3作品。
 恐怖漫画では「timing」あたりですかねー。

 彼の本を購入するのがめんどう、という人は「DAUM漫画」のサイトで読むことができます。

 今年刊行された「당신의 모든 순간(あなたのすべての瞬間)」全30話は→コチラから。
 そして今は「조명가게(照明器具店)」を連載中です。→コチラから。いずれも恐怖漫画です。
※こういうのをイチイチ読んでるのもブログ記事が書けなくなってしまう一因。
 
 さて、上記紹介記事にあったように、カンプルの一側面は運動圏漫画家です。
 「運動圏」とは、学生運動・労働運動、反政府の市民運動の側を一般的にさす言葉です。
 今年6月20日の記事で書きましたが、カンプルは今年問題化している大学登録金(授業料)値上げ反対闘争についても漫画で支援しています。→コチラ参照。
 また、李明博政権批判の本「악 법이라고 : 10년을 거꾸로 돌리는 MB악법 바로보기(悪法だって: 10年逆戻りする李明博の悪法を正しく見る」の筆者にも名を連ねています。

 さて、ここからが本論。

 9月の光州旅行で、偶然の出会いで案内していただくことになった金容哲さんが車で5.18民主墓地まで送って下さいました。
 墓地中央に追慕塔が立っています。この塔にはデジャヴュ(既視感)・・・じゃなくて、明確に見た 記憶がありました。先述のカンプルの漫画「26年」の一場面で初めて見たのです。
 5.18光州民主抗争は、もちろん運動圏の人たちにとっては象徴的な意味をもつ出来事です。この

     
    【国立5.18民主墓地。左はカンプルの漫画「26年」から。】

 この「26年」も「運動圏漫画家」のカンプルらしい漫画の代表です。
 1980年から26年後、自分の親を5.18抗争の中で殺された当時の子どもが成長して、「親の敵(かたき)である全斗煥を亡きものにしようと計画を練り、実行に移す、という話です。(実在の人物をターゲットにした漫画は、日本では発表できるのでしょうか?)
 この漫画も緻密に構成された群像劇で、音楽でいえば、いくつもの楽器のそれぞれの旋律が、最後の瞬間に響きあい収束する、という感じです。
 この漫画も、詳しくは→コチラで直接見ていただくとして、その中に1974年生まれで1980年当時7歳(韓国は数え年がふつう)だったカンプルがどのようにして光州民主抗争を知るようになったかを自ら話し言葉(パンマル)で書いた部分があります。→コチラ

 これを読んでわかったことを略述します。

・カンプルにとって「5.18」という言葉が初めて心に残ったのは中学2年の時(1987年?)。帰宅途中、新川駅の地下道を歩いていると、大学生らしい学生が地下道の壁いっぱいに写真を貼っている。目を開けて見られないほど凄惨な屍体の写真で、言葉にできないほどの衝撃を受けた。説明を見ると、皆光州で同じ日に死んだ人たちだった。少し後に警官が追っかけてきたので、学生たちは走り去った。 
 警官は写真を破っていったが、カンプルはその場に茫然と立ったままだった。あの人たちはなぜ死んだのだろうとの疑問が残った。それが彼と「5.18」の最初の出会いだった。
※今ここでヌルボが知った新事実! カンプルとヒョンビンは同じチャムシン(蚕新)中学校卒です。ただしヒョンビンは1982年生まれなので学年はカンプルの(たぶん)8年下。

       

・高校生の時、明洞に遊びに行ったら、大勢の人が群がっていた。「80年に光州で多くの人を殺した全斗煥は殺人魔だ!」とスピーカーを持った男が叫んでいた。そこでも光州の犠牲者たちの写真を見た。それが「5.18」との2回目の出会いである。

       

・カンプルは大学に入って、先輩から「5.18」がどんなことだったのか教えてもらった。
 カンプルを漫画の道に導いてくれた漫画は、朴在東(パク・チェドン.박재동)先生の「ハンギョレ漫評」だった。カンプルも「5.18」に関する漫画を大字報の形で続けて描くようになった。

・大学1年の時、非常な人気を集めたドラマが「砂時計」。その中で「5.18」が断片的だが出てきた。主人公テスの弟分だった光州の若者は、素手で鎮圧軍に立ち向かうという。その言葉が印象に残る。

      

 映画「ペパーミントキャンディ」も、過去の傷(「5.18」の時の加害者)が現在まで続いていることを思った。

・しかし、その後文民政権が成立した後も、「5.18」の歴史はきちんと清算されていない・・・。


 このようなカンプル自身の経験は、1980年当時、リアルタイムでマスコミ報道がほとんどなされなかった韓国で、直接の体験者ではない多くの人々がどのようにして「5.18」の知識を得ていったかを示す好例といえるのではないでしょうか?

 また、最近のソウル市長選挙で、進歩陣営の無所属・朴元淳氏が当選した背景に<SNS世代>ともいわれる20~40代(<2040世代>ともいう)の若い層の政党離れがある、と韓国メディアは報じていました。カンプルや、彼の主要読者層も、革新性向を示すこの世代の一般的な構成員ということでしょうか。
※<SNS>とはソーシャル・ネットワーク・サーヴィスの頭文字。

★★★ 2011年11月23日の付記 ★★★
 <夾竹桃日記>というブログ中の記事<韓国のマンファ ストーリーが秀逸?>で、この記事が紹介されていました。→コチラ 
 韓国の漫画について、当記事を参考にして下さるのはうれしいですが、さらに補足しておきます。<夾竹桃日記>にカキコミしようと思ったのですが、うまくいかなかったので・・・。

○漫画の漢字を個別に発音(「漫、画」と)するとマンファですが、続けるとマヌァとなります。

○韓国漫画の歴史について。ソウル近郊の富川(プチョン)市にある漫画ミュージアムに行ったことがあります。その記録もブログ記事にしてあります。→コチラ
 そこにも書きましたが、「日本の漫画の流入や影響について全然触れられていない!」という大きな問題があります。「意識的に(精力的に、必死になって・・・)日本の影響を漫画の歴史叙述&展示から除去していった」とのことです。
 関連で「コネスト」という韓国関係サイト中に「韓国漫画事情」(←オススメ!)という連続(3回)記事があり、歴史や現況をかなり詳しく紹介しています。

○ベストセラー上位20位以内に、現在韓国漫画は6点、他はすべて日本の漫画です。
 韓国の漫画ファンも、作家の国籍とは関係なく作品のレベルで選んでいるわけなので、数は少ないにしても、韓国漫画の中にも高い評価を得ているものがあるのは事実です。

○カンプルの漫画は、「絵がヘタ」というのは韓国内でも指摘されているようです。最初からネット漫画家としてスタートせざるを得なかったという事情が、日本の作家のようにアシスタントが背景等を丁寧に描き込んでいくようなものとは全然違うものになっている背景としてあると思われます。
 ただ、緻密なストーリー展開とテーマ性は評価されるべきで、だからこそ多くの作品が映画化されていると思います。「26年」や「あなたを愛しています」は本当に読み応えがありました。

○ホ・ヨンマンという韓国漫画界の大御所の「食客」は、「美味しんぼ」を参考にしたということを作家自身が書いています。「主人公を記者にするのは避けた」とも。これは綿密な取材に基づいて描かれていて、「美味しんぼ」に勝るともおとらないレベルの作品になっています。2009年に講談社KCDXから翻訳本が出ましたが、売れなかったのか第5巻で止まったままです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[韓国漫画] イ・マルリョンシリーズ より

2011-08-19 01:48:25 | 韓国の漫画
       

 8月9日の記事<韓国のベストセラー漫画>で第9位にランクインした漫画本が、本来はウェブ漫画のイ・マルリョンシリーズ。イ・マルリョンは作者の名前です。<NAVER漫画>のサイト中で、現在第1話から91話まで見ることができますが、今回は第90話を抜粋して紹介します。
 最後にちょっと私ヌルボの[参考]をつけておきました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

[参考]
・地下鉄(지하철)を1文字変えて地獄鉄(지옥철)というのは、すし詰めの地下鉄を形容する時によく用いられる言葉です。参考記事→コチラ

「나는 젊었거늘 서서 간들 어떠하리」は、乗り物内でお年寄りに席を譲りましょうという、以前からの標語。訳し方が今ひとつよくわかりませんが、「~거늘」は「~であるからには」、「~ㄴ들」は「~としても」、「~(하)리」は「~(せ)んや」。ということで、「私が若かったらたって行ったとてどうであろうぞ」と訳してみましたが・・・。

「マナー男(매너남)」はマナーの良い男性という意味の新語。「マナー女(매너녀)」もあります。

「질럿」は辞書にない単語のわりには用例が多いです。英語の「zealot(狂信者)」で、この言葉が用いられる背景としては、韓国でのスタークラフト(ゲーム)の普及が関係あるかもしれません。

・韓国の地下鉄内で、いろんな物売りが商売をしているのはよく見かけます。「잡상인(雑商人)」というんですね。漫画の地獄鉄の貼り紙は、現実のもののパロディ。

「模範市民賞」、市によって名称は異なりますが、韓国では一般的なようです。ソウルの場合は「ソウル愛(サラン)市民賞」と称していて、文化・福祉・奉仕・・青少年・環境・建築・土木等、多くの分野にわたっています。そういえば、映画「大統領の理髪師」の主人公も模範市民賞をもらって人生が変わりました。

・この漫画は、見ればおわかりのように、最近の風潮に対する批判を逆手に取ってギャグにしたものです。したがって、この絵柄にしては意外に(?)、良く言えば道徳的、悪く言えば毒がないというのがヌルボの感想。まあそれなりに楽しめるので○(マル)なんですけどね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国のベストセラー漫画(’11年8月) [日本漫画編]

2011-08-11 23:39:01 | 韓国の漫画
 「外国漫画」のベストテンは、今回も全部日本漫画です。
 最近<ガジェット通信>に、<韓国版コミケ『コミックワールド』が大盛況 でも主流は日本のマンガ?>という記事がありました。
 韓国版コミケの『コミックワールド』は1995年から開かれているそうで、現在はソウルと釜山で2か月に1回のペースで開催とか。「人気のコスプレは『初音ミク』や漫画『銀魂』『ブリーチ』のキャラクターなど」で、「やはり日本の漫画キャラクターの方が人気を集めている」というのはそんなもんでしょ。詳細はリンク先参照のこと。

     ②

  ③   ④

  ⑤   ⑥

  ⑦   ⑧

  ⑨   ⑩

【外国漫画】 ※すべて日本漫画です。 
大場 つぐみ(츠구미 오바):作、小畑 健(타케시 오바타):画「バクマン。(바쿠만) 11」
吉川 英治(요시카와 에이지):作、井上 雄彦(이노우에 타케히코):画「バガボンド(배가본드) 32」
赤松 健 (아카마츠 켄)「魔法先生ネギま!(마법선생 네기마!) 29」
今 市子(이마 이치코)「百鬼夜行抄(백귀야행) 19」
亜樹 直(아기 타다시):作、オキモト・シュウ(오키모토 슈):画「神の雫(신의 물방울) 25」
青山 剛昌(아오야마 고쇼)「名探偵コナン(명탐정 코난) 70」
諫山 創(이사야마 하지메)「進撃の巨人(진격의 거인) 01」
八木 教広(야기 노리히로)「CLAYMORE(CLAYMORE) 19」
よしなが ふみ(요시나가 후미)「きのう何食べた?(어제 뭐 먹었어? 04」
安倍 夜郎(아베 야로)「深夜食堂(심야식당) 06」

 昨年10月のベスト10にも入っていたのは⑤「神の雫」だけ。しかし今年2月10日の記事に載せた<YES24>のベスト10には「名探偵コナン」「深夜食堂」「きのう何食べた?」も入っていました。
韓国の映画館では、今「名探偵コナン:沈黙の15分」が好評上映中だし、「ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団」の人気もあいかわらずで、日本映画でヒットしているのはほとんどアニメだけといった感じです。「深夜食堂」は2009~10年のTVでのドラマ放映で人気が高まったようです。 YouTubeで、韓国語字幕付きのドラマ「深夜食堂」を見ることができます。→コチラ
 韓国での日本ドラマは<일드(イルドゥ.日ド>という略語がふつうに使われるくらい受け入れられています。(韓国ドラマは<한드(ハンドゥ.韓ド>といいます。)
 「きのう何食べた?」は、料理レシピもさることながら、ゲイに対する見方を変える力にもなっているようです。ある韓国掲示板で「両親にカミングアウトしたいけど何か本を教えて」という要望に対する回答中に、この漫画もあげられています。(最近日本でも上映されたドキュメンタリー映画「鍾路の奇跡」も。)

    
    【韓国版「名探偵コナン:沈黙の15分」のポスター】

 このベスト10のリストを見てみると、私ヌルボ、このごろ日本の漫画をあまり、どころかほとんど読んでないなー、と痛感します。入手の機会が少ない韓国漫画の方が多いくらい。「百鬼夜行抄」なんて読んだのはずいぶん昔のような気がします。文庫本で6巻くらい? 「魔法先生ネギま!」とか「進撃の巨人」なんて内容も知らなかったしなー・・・。まあ年のせいといっちゃオシマイですが、ヒマもないしなー・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国のベストセラー漫画(’11年8月) [韓国漫画編]

2011-08-10 23:58:53 | 韓国の漫画
 前回、ディジタル漫画奎章閣のサイトにある韓国のベストセラー漫画を紹介したのは昨年の10月2930日でした。その後どれくらい変動があったか、久しぶりに見てみました。
 前回同様、作者名と作品名を、韓国編と日本編の2回に分けて紹介します。
 ただ、このベストセラーが何を根拠にしているのかがちょっと疑問。たとえば最大のネット書店<YES24>のベストセラーと照らし合わせてみると、ビミョー以上に違いがあるような気もします。

  >  ②

  ③  ④

  ⑤  ⑥

  ⑦  ⑧

  ⑨  ⑩


【韓国漫画】
カンプル(강풀)「あなたが好きです(그대를 사랑합니다) 03」
パク・フンヨン(박흥용)「クルミの木の右の道へ(호두나무 왼쪽 길로 05 (完)」
イム・ジュヨン(임주연)「シェル(씨엘 (CIEL) )16」
チュ・ホミン(주호민)「神とともに あの世編(신과 함께 - 저승편)下」
クォン・キョジョン(권교정)「シャーロック(셜록)01」
パク・スヒ(박소희)「宮(궁) 24」
ユン・ミギョン(윤미경)「河伯の新婦(하백의 신부) 14」
イム・ジェウォン(임재원)「チャン(짱) 63」
イ・マルリョン(이말년)「イ・マルリョンシリーズ (이말년씨리즈 :)」
ホ・ヨンマン(허영만)「食客(식객) 27 (完)」

  昨年の記事で、「韓国は日本に比べ漫画家の数も少なく、当然作品数も少ないので、ベストテンもそんなにめまぐるしく変わることはないようです」と書きましたが、①⑥⑦⑩の4作品が今回も連続して入っていますね。①「あなたが好きです」は今年映画化され、カンプル作品初の大ヒットに。本ブログでも少し紹介しました。
 おなじみのホ・ヨンマン、パク・スヒとともに今回もベストテン入りしたのが⑩「河伯の新婦」。<河伯(ハベク)>というのはドラマ「朱蒙」に出てきましたね。水神のことで、村人のために水を降らしてもらおうと家族の悲しみを振り切って河伯の新婦となることを決心したソア。しかし水の国に着いて見ると・・・、という展開。
 ②「クルミの木の左の道へ」は2003年「韓国日報」連載漫画。これは私ヌルボ、全5巻イッキに読みましたよ。ふっふっふ。ロード・ムービーならぬロード・コミックとでもいおうか、高卒の若者が<いちご>という未知の人物を探して、オートバイにまたがり、忠清北道の永同から秋風嶺を越え、慶尚道、全羅道、さらには江原道、最後にソウルまで、韓国全土を駆ける・・・。ミステリー部分はやや単調でしたが、広寒楼・丹陽八景等々の名所や「木浦の涙」「七甲山(チルカプサン)」等のご当地ソングについての知識をいろいろ仕入れることができました。
 ③④⑤⑧についても気になるところですが、今回は字数と時間の関係でスルー。
 あ、ヘタウマのウェブ漫画はおもしろいから、いずれ記事にするかも。すぐ見たい人は→コチラで。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国の人気漫画家カンプルの初期作「日常茶飯事」より②  「チュグルレ?」・・・おーこわ~

2011-05-05 15:15:45 | 韓国の漫画
 別に「漫画で学ぶ韓国語」というのが趣旨ではないですが、今回の漫画のポイントは죽을래?(チュグルレ?)ですね。
 YAHOO知恵袋にはいいかげんな回答も多くて困りますが、この言葉についてのQ&Aは信頼できるとおもいます。
 手抜きしてそのままコピペ。solhoi_gisunさんすみません。

 「チュグルレ?(죽을래?)」は直訳すると「死ぬか?」あたりでしょうか。
 「ルレ?(-ㄹ래?)」という語尾は、聞き手の意思を問う疑問形です。従って、「…するつもりか」、「…したいのか」のようなニュアンスを含んでいますが、無理に日本語に訳出しなくても不自然でないことも少なくありません。
 「モクタ(먹다;食べる)」、「ポダ(보다;見る)」など通常の動詞の場合は、単に聞き手の意思を問うだけですが、「チュクタ(죽다;死ぬ)」、「マッタ(맞다;殴られる)」など不利益な意味の動詞が「ルレ?」形をとると、「話し手がそういう結果に仕向けてやるぞ」という言外のニュアンスが含まれます。


 ・・・ということで、「あんた、死にたいの?」くらいが自然な訳でしょう。映画「猟奇的な彼女」によく出てきたセリフなんだそうです。「야! 너 죽을래?」なんてねー。気がつかなかったなー、8年も前だしなー・・・。

 「つけまつげ」「인조 속눈썹(人造まつげ)」なんですね。NAVERやDAUMの辞典では「인공 속눈썹(人工まつげ)」になってますが、googleのヒット件数では「인조 속눈썹」の方が3倍くらい多いようです。

    
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国の人気漫画家カンプルの初期作「日常茶飯事」より①

2011-04-25 23:49:35 | 韓国の漫画
 韓国の人気漫画家カンプルの「あなたを愛しています(그대를 사랑합니다)」を読みました。今韓国で上映中の同名映画の原作です。
 その感想を書こうと思ったのですが、その前に私ヌルボが最初に読んだ彼の日常茶飯事という、1ページずつの読み切りギャグ漫画集から抜粋して紹介します。
 ※「日常茶飯事」の原題ハングルは、なぜか「일다반사」ではなく「일다반사」となっています。「日常(일상)」ではなく「一双(일쌍)」??

 その他の彼の作品は、「timing」「アパート」等の緻密に構成されたスリラーや、「パボ(馬鹿)」「あなたを愛しています」のような人情モノがほとんどで、このようなギャグ漫画は描かれていませんが、絵柄だけでなく、人物の心の動きを重視している点など、カンプルらしさが現われていると思います。
 これは翻訳しなくても、絵を見ればおよそわかりますね。(いずれ気が向いたら訳をつけておきます。)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国で今売上げトップのマンガは「ONE PIECE」 付録:<悪魔の実>の日韓対訳

2011-02-10 19:11:58 | 韓国の漫画
 韓国でのマンガの売り上げ上位は、あいかわらず日本の作品がほとんどを占めています。
 韓国最大のネット書店<YES24>で現在の漫画売上げの週間ベスト10をみると次のようになっています。

①尾田栄一郎「ONE PIECE 60(원피스 ONE PIECE 60)」
②青山剛昌「名探偵コナン 70(명탐정 코난 70)」
③亜樹 直「神の雫 26(신의 물방울 26)」
④安倍夜郎「深夜食堂 6(심야식당 6)」
⑤よしながふみ「きのう何食べた?(어제 뭐 먹었어? 4)」
⑥浦沢直樹「BILLY BAT 3 (빌리 배트 3)

⑦クォン・キョジョン(권교정)「シャーロック(셜록) 1」
⑧(編集部)「シークレット・ガーデン ドラマ映像漫画 1(시크릿 가든 드라마 영상만화 1)」
⑨(編集部)「シークレット・ガーデン ドラマ映像漫画 2(시크릿 가든 드라마 영상만화 2)」

⑩安倍夜郎「深夜食堂 9(심야식당 9)」

    
      【日本版と韓国版の違いは間違い探しのネタになりそう(?)

 今回はトップのONE PIECEに注目。日本では2月4日に最新刊61巻が発行されましたが、韓国では1月に60巻発行。日本での発行が昨年11月4日ですから、かなり早いです。

 このテの漫画の翻訳で、私ヌルボがすごいな~と思うのは、擬声語・擬態語の翻訳。たとえばクルクルとグルグルのとか、すごくビミョーな違いがあまりにも多いではないですか。
 この「ONE PIECE」に即していえば、たとえば「悪魔の実」というのがいろいろ出てくるのですが、その名前がそんな擬声語や擬態語、また日本語のさまざまな名詞を基につけられていて、これを韓国語に訳すのはホントに至難の技だと思います。
 ・・・ということで、「悪魔の実」についての日本のウィキ韓国のウィキを対照して表にしてみました。(なんとヒマな・・・。) 韓国語学習者の皆さん、丹念に見ていくと、けっこう勉強になりますよ。
 37巻以降「ONE PIECE」の翻訳を担当しているクムジョン(금정)さんという人は、「超越翻訳」で知られる日本漫画翻訳の第一人者だそうですが(→韓国サイト参照)、たいしたものですねー。
[2013年4月22日の付記]
上のリンク先の韓国サイトは<エンハウィキ・ミラー>なのですが、以前から<ミラー>ではなく<本館>の方で「余談ですが最近は日本人のオタクの中でもエンハウィキの存在を知る人たちが少し出てきしたが、彼らもエンハ・ミラーを本館と錯覚しているようだ・・・」等と書かれて、その例としてこの記事にリンクが張られています。(笑) (→コチラ。) おかげさまで、親愛なる韓国の皆さんにも当ブログをのぞいていただく契機となっています。

\tゴムゴムの実\t\t=\t고무고무 열매\t
\tバラバラの実\t\t=\t동강동강 열매\t
\tスベスベの実\t\t=\t미끌미끌 열매\t
\tボムボムの実(bomb)\t\t=\t폭폭 열매\t
\tキロキロの実(キログラム)\t\t=\t킬로킬로 열매\t
\tドルドルの実(キャンドル)\t\t=\t촥촥 열매\t
\tバクバクの実\t\t=\t우걱우걱 열매\t
\tマネマネの実\t\t=\t복사복사 열매\t
\tハナハナの実\t\t=\t꽃꽃 열매\t
\tスパスパの実\t\t=\t싹둑싹둑 열매\t
\tトゲトゲの実\t\t=\t가시가시 열매\t
\tオリオリの実\t\t=\t감옥감옥 열매\t
\tバネバネの実\t\t=\t스프링스프링 열매\t
\tノロノロの実\t\t=\t느릿느릿 열매\t
\tドアドアの実\t\t=\t문문 열매\t
\tアワアワの実\t\t=\t거품거품 열매\t
\tベリベリの実\t\t=\t송알송알 열매\t
\tサビサビの実\t\t=\t녹술녹슬 열매\t
\tシャリシャリの実(車輪)\t\t=\t바퀴바퀴 열매\t
\tヨミヨミの実(黄泉)\t\t=\t부활부활 열매\t
\tカゲカゲの実\t\t=\t그림자그림자 열매\t
\tホロホロの実\t\t=\t홀로홀로 열매\t
\tスケスケの実\t\t=\t투명투명 열매\t
\tニキュニキュの実\t\t=\t도톰도톰 열매\t
\tメロメロの実\t\t=\t매료매료 열매\t
\tドクドクの実\t\t=\t독독 열매\t
\tホルホルの実(ホルモン)\t\t=\t호르호르 열매\t
\tチョキチョキの実\t\t=\t썽둥썽둥 열매\t
\tグラグラの実\t\t=\t흔들흔들 열매\t
\tウォシュウォシュの実(wash)\t\t=\t워시워시 열매\t
\tフワフワの実\t\t=\t둥실둥실 열매\t
\tヒトヒトの実\t\t=\t사람사람 열매\t
\tウシウシの実\t\t=\t소소 열매\t
\tイヌイヌの実\t\t=\t개개 열매\t
\tモグモグの実(モグラ)\t\t=\t땅굴땅굴 열매\t
\tトリトリの実\t\t=\t새새 열매\t
\tウマウマの実\t\t=\t말말 열매\t
\tネコネコの実\t\t=\t고양고양 열매\t
\tゾウゾウの実\t\t=\t코끼리코끼리 열매\t
\tヘビヘビの実\t\t=\t뱀뱀 열매\t
\tモクモクの実\t\t=\t뭉게뭉게 열매\t
\tメラメラの実\t\t=\t이글이글 열매\t
\tスナスナの実\t\t=\t모래모래 열매\t
\tゴロゴロの実\t\t=\t쿠릉쿠릉 열매\t
\tヒエヒエの実\t\t=\t얼음얼음 열매\t
\tヤミヤミの実\t\t=\t어둠어둠 열매\t
\tピカピカの実\t\t=\t번쩍번쩍 열매\t
\tゴエゴエの実(声)\t\t=\t소리소리 열매\t
\tカチカチの実\t\t=\t딱딱 열매\t
\tトロトロの実\t\t=\t꿀꿀 열매\t
\tアメアメの実(飴)\t\t=\t끈적끈적 열매\t
\tノコノコの実(キノコ)\t\t=\t포자포자 열매\t
\tパサパサの実\t\t=\t종이종이 열매\t
\tネムネムの実\t\t=\t꾸벅꾸벅 열매\t
\tミニミニの実(mini)\t\t=\t미니미니 열매\t
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「食客」はやっぱり漫画が一番!

2010-11-28 22:12:41 | 韓国の漫画
 韓国漫画「食客」は、「東亜日報」連載開始が2002年9月2日。今年3月9日、第135話をもって完結しました。
 全135話の各タイトルは韓国ウィキで知ることができます。韓国の食文化について、ほとんど網羅していると言っていいのではないでしょうか?
 単行本は全27巻。
私ヌルボの韓国漫画歴は、カン・モリムの佳作「달래하고 나하고(タルレと私と)」に始まりますが、その後とくに継続して読んできたのがホ・ヨンマン(許英萬.허영만)作の「食客」でした。
 2003年9月刊行の第1巻から順次読み進んでいったのですが、この漫画を通じて、韓国の食文化についてばかりでなく、各地方の方言(사투리.サトゥリ)や風俗・習慣、そして食を取り巻く社会問題等々、いろんな知識を得ることができました。
 ※たとえば、韓国風納豆汁というべきチョングクチャン(清麹醤)のことは、この漫画の単行本第4巻で初めて知りました。また日本で「臭わない納豆」が出回るようになったのと同様、韓国でも臭いを抑えたチョングクチャンが広まっていることも・・・。

 ホ・ヨンマンさんは先行の料理漫画「美味しんぼ」を参考にしたと書いてますが(∴主人公を記者にしなかった、とも)、「美味しんぼ」よりも料理の作り手の側により重点を置き、また取材量は「美味しんぼ」を上回っているのではと思います。

 ・・・・ということで16巻までは新刊が出るとすぐ読んできたのですが、その後他の本を読むのに忙しくなって、この3年は何となく読まなくなっていました。
 それがたまたま先日職安通りのコリアプラザで20巻を購入して読んで、この本の魅力を再認識しました。トンドンジュやマッコリ等の酒がこの巻のテーマ。
 内容については記しませんが、「将太の寿司」(韓国では「ミスターチョバプ(寿司)王」)の作者寺沢大介がモデルの日本人漫画家鈴木氏が来韓して、主人公ソンチャンたちと真露の工場見学に行ったりする場面もあったりして・・・。
 ※真露の工場は利川にあるんですね。ネット上を探したら、同工場の見学記も少しですがありました。→<置酒歓談> 
 (この種のテーマ旅行はいいですね! 可能であればヌルボも行ってみようかな。)

 ※ホ・ヨンマンさんは時々日本に来ていて、いろんな所に顔を出しているようです。何回か寺沢大介さんとも対談をしています。→詳しい記事はコチラ。また寺沢さんも韓国に行った時にホ・ヨンマンさんとたとえば→こんな店に一緒に行ったりしています。


    
 【「食客」全巻セット。「食客マガジン」(右端)というのが付いているとは知りませんでした。】

 映画「食客」は昨年観ましたが、料理対決に重点が置かれて、かなり漫画とは雰囲気が違う感じでした。「食客2」は予告編しか観ていませんが、やはり同じ印象を受けました。ドラマの方は観ていないので、なんとも・・・。
 一般に、漫画の映画化は、小説同様8割方は原作の魅力を超えられないといってよく、それはこの「食客」にもあてはまるようです。

 この漫画の翻訳本は昨年講談社のKCデラックスで刊行が開始されました。原作が横書きで当然左→右というページの流れだったのを、コマわりをどう手直ししたのかは未確認ですが、日本の漫画同様右→左にページをめくる形式になっています。また原作の1巻に1~5話が収録されています。ところが第5巻が刊行された後6巻以降は出ない状態が続いています。売れなくて続刊発行をやめてしまったのかなー?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする