ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画の興行成績 [7月15日(金)~7月17日(日)]と人気順位 ►韓国映画「ゆがんだ家」は話題の作家チョン・ゴンウのホラー小説が原作 ►<ウィキペディア>よりも楽しい韓国の<ナムウィキ>

2022-07-20 23:55:15 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今年3月に長年重宝してきた<ぴあ映画生活>がなくなってしまい、映画情報の探索が非常に不便になってしまいました(泣)。特に都道府県単位で各映画館の上映作品が一目で(1つの画面で)わかったのにできなくなったのは痛い。他の映画サイトも含め、各作品のポスター画像は省いていいから、より実用的な体裁を工夫してほしいものです。

▶今回の記事中ちょっと注目の韓国映画は「ゆがんだ家」というスリラー。2019年にハウスホラー公募展を受賞して以来多くの読者の支持を得て<韓国のスティーブン・キング>とも称されている作家チョン・ゴヌ(ゴンウ)[전건우]の同名小説の映画化作品です。韓国の犯罪スリラーでは「女校怪談」とか、近年では「新感染 ファイナル・エクスプレス」等がまず思い浮かびますが、個人的に印象に残っているのは「七年の夜」(2018)です。というのは2011年のベストセラーだった鄭裕静[チョン・ユジョン]の原作を読んでいたから。読んでてすごく怖くて、その分一気に(?)読了したのですが、映画の方はイマイチだったかな? 私見では怪談の最高峰は「東海道四谷怪談」で、芝居ももちろん怖いけど、本で読んだ時はもっと怖い! 心底怖かったです。で、この「ゆがんだ家」も久しぶりに原作本を読んでみたいとおもいました。(が、いつになることやら・・・。)
 ところで、毎年6、7月頃になると日韓両国とも怪談モノの公開が通例となってたはずですが、今日本で何か話題のホラーとかありますかねー? 「死刑にいたる病」? ふうん、チラと考えたけど未見。他は知らん。少なくとも現在評価の高い作品中には見当たりません。そんな中、韓国では7月6日から黒沢清監督の旧作「CURE キュア」(1997)が上映されていて、特に《記者・評論家》の評価は平均9.67(3人)と圧倒的な高さになっています。中田秀夫監督の「リング」(韓国1998公開)以来韓国でも人気を博した日本のホラーも多いんですけどねー・・・。

▶今回、たまたまかどうか、日本の作品がちょっと目につく感じ。初登場で観客動員数3位に入った「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」の他、《独立・芸術映画》のランキングには上記の「CURE キュア」が1位で、3位「となりの怪物くん」[実写版]、5位「検察側の罪人」と3作品入っています。「となりの怪物くん」の公開日が元データにないので探ってみると、どうも日本映画の輸入会社メディアキャッスルが輸入して同社が運営するシネマキャッスル企画展で上映されたようです。そのメディアキャッスルのサイト(→コチラ)を見つけたら輸入作品のリスト(→コチラ)もあったりしてナルホドな~と思いました。なお<ナムウィキ>の<メディアキャッスル>の項目(→韓国語.→自動翻訳)を読むと2019年の日本製品不買運動の時は脅迫電話を受けたり、社員が少数でミスも少なからずあって云々といったこと等が記されています。
 ※<ナムウィキ>は韓国の百科事典サイト。<ウィキペディア>よりも内容が庶民的で読んでて楽しいネタが多く、よく利用しています。

    ★★★ NAVERの人気順位(7月20日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(2) トップガン マーヴェリック  9.77(30,529)
②(-) トゥルーノース(日本・インドネシア)  9.73(15)
③(新) 名探偵コナン ハロウィンの花嫁(日本)  9.53(834)
④(4) アナタの顔(韓国)  9.45(134)
⑤(6) 詩人の歌、チョン・テチュン(韓国)  9.44(138)
⑥(5) 犯罪都市2(韓国)  9.42(26,017)
⑦(7) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.24(1,568)
⑧(8) モア(韓国)  9.22(125)
⑨(9) コーダ あいのうた  9.13(988)
⑩(10) 偉大なる沈黙(韓国)  9.11(336)

 ③「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」が新登場ですが、私ヌルボ、例によって未見で全然語る資格がないのでコメント等は省略します。韓国題は「명탐정 코난: 할로윈의 신부」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 別れる決心(韓国)  8.71(14)
②(-) ドライブ・マイ・カー(日本)  8.44(9)
②(2) トップガン マーヴェリック  8.44(9)
④(3) 偶然と想像(日本)  8.29(7)
⑤(4) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
⑥(5) アフター・ヤン  7.80(5)
⑦(新) GUNDA/グンダ  7.50(4)
⑧(6) モア(韓国)  7.38(8)
⑨(7) さがす(日本)  7.33(6)
⑩(8) オマージュ(韓国)  7.25(4)

 ⑦「GUNDA/グンダ」が新登場です。アメリカ・ノルウェー合作のドキュメンタリー。母豚GUNDAと、必死に乳を求める子豚たちの姿を中心に農場のようすをモノクロ画像で描写する。日本では昨年12月に公開され、上映館は多くはないものの好評を得たようです。韓国題は「군다」です。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月15日(金)~7月17日(日) ★★★
             「トップガン マーヴェリック」が1週で1位に返り咲く

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(2)・・トップガン マーヴェリック・・6/22・・・・702,345・・・・・5,733,841 ・・・・・61,405・・・・1,544
2(1)・・ソー:ラブ&サンダー ・・・・7/06・・・・・・398,432・・・・・2,493,836 ・・・・・27,167・・・・1,257
3(3)・・別れる決心(韓国) ・・・・・・・・6/29・・・・・・207,272・・・・・1,247,192・・・・・・12,775・・・・・・874
4(19)・・名探偵コナン ・・・・・・・・・・・7/13 ・・・・・148,556・・・・・・・216,746・・・・・・・2,254・・・・・・758
       ハロウィンの花嫁(日本)
5(4)・・犯罪都市2(韓国)・・・・・・・・・5/18・・・・・・・35,521 ・・・・12,659,059・・・・130,945・・・・・・346
6(新)・・エルヴィス・・・・・・・・・・・・・・7/13・・・・・・・35,052・・・・・・・・・55,596 ・・・・・・・・595・・・・・・627
7(新)・・ザ・キラー・・・・・・・・・・・・・・・7/13・・・・・・・27,405・・・・・・・・・44,394 ・・・・・・・・459・・・・・・314
       :死んでもいい子(韓国)
8(新)・・ゆがんだ家(韓国) ・・・・・・・・7/13・・・・・・・14,642・・・・・・・・・24,304 ・・・・・・・・238・・・・・・156
9(新)・・グレイマン ・・・・・・・・・・・・・・7/13・・・・・・・12,164・・・・・・・・・16,015 ・・・・・・・・156・・・・・・220
10(5)・・The Witch/魔女2(韓国) ・・6/15・・・・・・・・9,976 ・・・・・2,799,717 ・・・・・28,868・・・・・・159
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 4・6・7・8・9位の5作品が新登場ですが、7位「ザ・キラー:死んでもいい子」については1つ前の記事で紹介しました。
 4位「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」についても上述の通り説明をスルーしました。
 6位「エルヴィス」は日本でも7月1日公開され全国で上映されているので説明は省略します。韓国題は「엘비스」です。
 8位「ゆがんだ家」は韓国のドラマ&スリラー。避けられない事情で人里離れた家に引っ越すことになった家族。母親のミョンへ(ソ・ヨンヒ)は引っ越し初日からこの家はゆがんでいると伝える隣家の女性の警告と、倉庫から聞こえる不吉な音のせいで夜も眠れません。父親ヒョンミン(キム・ミンジェ)はそんなミョンヘを単に神経衰弱と考え、幼い次女のヒウ(キム・ボミン)は他の家族には見えない何かと向き合いますが、その事実を隠しています。そんなある日、何だかわからない気配に引きずられてロックされていた倉庫の戸を開けてしまったミョンヘは何かにとりつかれた別人のように行動し始めるのですが・・・。原題は「뒤틀린 집」です。
 9位「グレイマン」はアメリカのアクション&スリラー。マーク・グリーニーの小説「暗殺者グレイマン」(ハヤカワ文庫)の映画化作品です。日本でも7月15日に公開されているので説明は省略します。韓国題は「그레이 맨」です。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・CURE キュア(日本)・・・・・・・・・・7/06・・・・・・・・・5,699・・・・・・・17,271・・・・・・・・・182 ・・・・・・・43
2(12)・・ロスト・ドーター ・・・・・・・・・・・7/14・・・・・・・・・2,380・・・・・・・・4,734・・・・・・・・・・45 ・・・・・・・64
3(8)・・となりの怪物くん(日本) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・788・・・・・・・・2,009・・・・・・・・・・11・・・・・・・・・4
4(6)・・アフター・ヤン・・・・・・・・・・・・・・・6/01・・・・・・・・・・・755 ・・・・・・38,065 ・・・・・・・・369・・・・・・・・19
5(5)・・検察側の罪人(日本)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・703・・・・・・・・2,997・・・・・・・・・・18・・・・・・・・・5

 2・3位の2作品が新登場です。
 2位「ロスト・ドーター」は米・英・イスラエル・ギリシャ合作のドラマ。イタリア人の匿名作家エレナ・フェッランテの小説「失われた愛」(日本未訳)を基にマギー・ギレンホール監督が自ら脚本を手がけ、<第78回ベネチア国際映画祭(2021)>で最優秀脚本賞を受賞した作品です。また第94回アカデミー賞ではオリビア・コールマンの主演女優賞、その若い頃を演じたジェシー・バックリーの助演女優賞と、脚色賞の計3部門にノミネートされましたた。
 ギリシヤの島へバカンスにやって来た中年女性教授レイダ(オリビア・コールマン)はビーチで見かけた若い母親ニーナ(ダコタ・ジョンソン)と幼い娘エレーナの姿に目を奪われます。かつて自分が母親になったばかりですべてが混乱で一杯だった頃の記憶が蘇ってきたからでです。翌日ビーチへ行くと昨日の親子の夫や親族らしい人たちが大勢ボートでやってきてパラソルを移動してほしいと言われますが、レイダが断ったため口論になります。しかし少ししてから再びその女性が話しかけてきました。彼女はカリーと言い、あと2ヵ月で出産予定で、自分の誕生日だから親族みんなでお祝いしているのだと言います。レイダも現在48歳で娘が2人いることを打ち明けます。その翌日、ビーチでニーナが夫と口論していると娘のエレーナが行方不明になり、大騒ぎになります。レダも一緒に探し、岩陰で遊んでいるのを見つけてニーナやカリーたちに感謝されます。しかし、今度はエレーナの人形がなくなったことでエレーナは泣きじゃくります。ところが実はその人形はレダが思わず出来心で持ち帰ったのでした。その後レダはエレーナの人形に賞金が掛けられていることを捜索願いのビラを受け取って知ります・・・。韓国題は로스트 도터」。日本ではNetflixで昨年12月から配信されています。
 3位「となりの怪物くん」が新登場です。韓国では2012年のアニメ版(下左)も以前上映されたようですが、コチラは菅田将暉・土屋太鳳のw主演の2018年の実写版(下右)。韓国では<第22回富川国際ファンタスティック映画祭2018>に招待されて上映され、その後日本映画の輸入会社メディアキャッスルが輸入して同社が運営するシネマキャッスル企画展で数回上映したとのことです。韓国題は「옆자리 괴물군」です。
     

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 韓国内の映画の興行成績 [7月... | トップ | 韓国内の映画の興行成績 [7月... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

韓国内の映画の人気ランク&興行成績」カテゴリの最新記事