ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[11月1日(金)~3日(日)]

2013-11-05 19:57:37 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 ヒューマントラストシネマ渋谷で「人類滅亡計画書」(原題「人類滅亡報告書」)鑑賞。ちょっと奇妙な味のSF3作のオムニバス。最初の<素敵な新世界>はゴミをきちんと分別しなかったために蔓延した怪ウイルスのためにソウルはゾンビたちの街に・・・。やはり今年公開の長編「風邪」を連想します。(観てないけど。) ホラー映画も現実社会をそのまま反映しているというわけです。2つ目の<天上の被造物>が一番印象に残りましたが、これは自ら悟りを得て説法をし、僧侶たちの尊崇の対象にまでなったロボットの話。その製造会社URは僧侶たちの反対を聞き入れず解体を決めるが、解体直前にハプニングが・・・という話。3つ目<ハッピーバースデー>は、女の子がネットで注文したビリヤードの玉がなんと2年後地球に向かって飛んでくる、という星新一を思わせるような話。チョット登場のぺ・ドゥナ、ここでは走ってなかったな。

 先週書いた横浜のブリリアショートショートシアターでの<K-Movie Festival>の1つ「フィスト・オブ・レジェンド」(原題「伝説の拳」)はけっこう楽しめました。観客がヌルボを含め3人だけだったのは残念。
 しかし、この映画でも最近観た「ミナ文房具店」でもいじめに遭っている女の子が出てくるのです。他にも何かあったような・・・。ホントにそんなに「一般的」な状況になってしまってるのかと思いつつ、<DAUM映画>で後述のスペイン・アニメ「ホワイトゴリラ」の説明文を読むと「大韓民国小学生10人に1人がいじめの経験!」と書かれていました。統計庁が小学生3379人を対象に実施した調査によると、「最近1年間学校でいじめを受けた児童は9.7%に上る」とのこと。近年はSNSによるいじめも増えているそうです。
 ・・・ということで、映画に描かれているいじめもやはり現実の反映と見てよさそうです。

 11月1日に大鐘賞の結果が発表されました。詳しくはいつもの<海から始まる>参照ですが、主なところは以下の通り。
 最優秀作品賞=「観相」、監督賞=ハン•ジェリム(「観相」、主演男優賞=リュ•スンニョン(「7番房の奇跡」)、同左=ソン•ガンホ(「観相」)、主演女優賞=オム•ジョンファ(「モンタージュ」)、助演男優賞=チョ・ジョンソク(「観相」)、助演女優賞=チャン•ヨンナム(「私のオオカミ少年」)、新人男優賞=キム•スヒョン(「隠密に偉大に」)、新人女優賞=ソ・ウナ(「ふるまい」)、人気賞=イ•ジョンジェ(「観相」)、映画発展功労賞=ファン・ジョンスン
 ・・・ということで、今回は「観相」がとくに目立っていますね。
 ソン・ガンホは「JSA」(2001)、「殺人の追憶」(2003)に続いて3度目の主演男優賞受賞です。キム•スヒョン君、やったねー!
 映画発展功労賞のファン・ジョンスンは1940年代から活躍している女優で、過去数多くの受賞経歴があります。詳しくは→コチラ参照。「浜辺の村」(1965)は私ヌルボも観たな。(それにしても、<輝国山人の韓国映画>はすごいサイトです。)

           ★★★ Daumの人気順位(11月5日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①フェイマス・ファイブ:キリン島の秘密  9.4(24)
②ニュー・シネマ・パラダイス  9.4(487)
③道の上で(韓国)  9.3(64)
④コアラ(韓国)  9.2(34)
⑤アー・ユー・レディ?(韓国)  9.1(20)
⑥キャプテン・フィリップス  9.0(242)
⑦ロデンシア:魔法王国の伝説  8.9(25)
⑧ブルー・ジャスミン  8.9(70)
⑨願い(韓国)  8.8(745)
⑩ノーブレッシング(韓国)  8.6(402)

 新登場は⑩「ノーブレッシング」だけです。詳しくは後述。
 南北統一についてのキリスト教系ドキュメンタリー映画⑤「アー・ユー・レディ?」については10月1日の記事で紹介しました。

【専門家による順位】

①蜂蜜  8.5(2)
②ゼロ・グラビティ  8.2(5)
③ヒミズ(日本)  8.0(2)
④恋するリベラーチェ  7.6(3)
⑤ブルー・ジャスミン  7.5(6)
⑥悲しみを聴く石  7.5(2)
⑦ブエノスアイレス恋愛事情  7.3(3)
⑦ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡  7.3(3)
⑦ミスター・ノーバディ  7.3(3)
⑩25年目の弦楽四重奏  7.2(4)
⑩父の秘密  7.2(4)
⑩グランド・マスター  7.2(4)

 今回の初登場は③「ヒミズ」だけです。もちろんあの園子温監督作品。韓国題は「두더지(モグラ)」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[11月1日(金)~3日(日)] ★★★

         1・2位はハリウッド大作が占める

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・マイティ・ソー/ダーク・ワールド・・10/30 ・・・・・・・・・827,612 ・・・・・・・1,053,066・・・・・・・・8,081・・・・・・・・733
2(2)・・ゼロ・グラビティ ・・・・・・・・・・・・・10/17 ・・・・・・・・・・・・・341,023 ・・・・・・・2,316,167・・・・・・・22,153・・・・・・・・439
3(1)・・共犯(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・10/24・・・・・・・・・・・・・・306,895 ・・・・・・・1,339,304・・・・・・・・9,446・・・・・・・・448
4(13)・・ノー・ブレッシング(韓国) ・・・・10/30 ・・・・・・・・・・・・・190,801 ・・・・・・・・・285,058・・・・・・・・1,935・・・・・・・・584
5(新)・・膺懲者(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・10/30・・・・・・・・・・・・・・98,415・・・・・・・・・・147,971・・・・・・・・1,080・・・・・・・・305
6(4)・・願い(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/02・・・・・・・・・・・・・・56,633・・・・・・・・2,647,725・・・・・・・18,130・・・・・・・・251
7(3)・・ファイ 怪物を呑み込んだ子(韓国)・・10/09・・・・・・・・・48,251・・・・・・・・2,370,612・・・・・・・17,525・・・・・・・・199
8(新)・・ホワイトゴリラ・・・・・・・・・・・・・・10/31・・・・・・・・・・・・・・28,815・・・・・・・・・・・30,977・・・・・・・・・・207・・・・・・・・182
9(5)・・キャプテン・フィリップス・・・・・・・10/23・・・・・・・・・・・・・・27,267・・・・・・・・・・219,081・・・・・・・・1,525・・・・・・・・149
10(6)・・トップスター(韓国)・・・・・・・・・・10/24・・・・・・・・・・・・・・・9,278 ・・・・・・・・・・164,215・・・・・・・・1,125・・・・・・・・112
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は1・4・5・8位の4作品です。
 1位「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」は、「アベンジャーズ」でも活躍した“神の子“ソーの新たな戦いを描く新作。クリス・ヘムズワース、ナタリー・ポートマンら前作のキャストが再集結。韓国題が「토르: 다크 월드(トル:ダークウォルドゥ)」なのは、原題の「THOR」の発音が韓国では「ソー」ではなく「トル」になるため。日本公開は来年2月1日です。
 4位「ノー・ブレッシング」は人気の若手俳優たちが出演している水泳映画。「少女時代」のユリがスクリーンデビューだって!? ふうん。ウォンイル(ソ・イングク)とウサン(イ・ジョンソク)のライバル同士が、新記録達成と国家代表をめざす物語です。幼い頃から水泳の有望株だったウォンイルは、突然水泳をやめて行方をくらまし、夢も目的もなく生きていたが、しかしある日国内最高の名門体育学校に進学することになります。そこで幼い時ライバルだったウサンと再会します。ウサンは水泳界の第一人者にまで成長したものの、予期しなかった事件によって国家代表から外れ、同じ体育学校に入ったのです。違う道をだどって再び同じスタートラインについて2人ですが、なぜかウサンとの勝負を避けるウォンイル。そしてウサンは・・・。で、「少女時代」のユリが演じるのはミュージシャン志望も女の子ジョンウン。ウォンイルとウサンの幼なじみで「2人の間でロマンスをはぐくむキャラクター」、・・・って、どうみても三角関係の要でしょう、これは。原題は「노브레싱」です。
 <NAVER漫画>「国立自由経済高校セシル高」の漫画家タパリ(オ・へミン)が本作品公開に先立ってスペシャルウェブトゥーンがネットで公開されました。(下画像)
           
      【ウェブトゥーンが原作かと一瞬思ってしまいましたが、そうではありません。】

 5位「膺懲者」は韓国のアクション。原題「응징자」の直訳の「膺懲者」よりも「復讐者」の方がよさそうですが・・・。高校時代、ジュンソク(チュ・サンウク)はチャンシク(ヤン・ドングン)のいじめに苦しめられ、そのためにジュンソクの彼女が自殺までしてしまう。そんな2人が20年後に再会した時、チャンシクは父親の七光りで大企業に勤めながら結婚の準備中。一方ジュンソクは良い大学を卒業したものの就職もできずバイト生活。過去を忘れることができないジュンソクはチャンシクに過去の記憶をよみがえらせるため復讐を企てる・・・。ポスターの文言が「忘れられない記憶 vs 思い出したくない記憶」。私ヌルボの場合は「思い出せない記憶」なんて、おもしろくもなんともないな。
 8位「ホワイトゴリラ」はスペインのアニメ。世界でただ1匹のホワイトゴリラのスノーは特別な外貌のため仲間のゴリラたちから爪弾きにされます。ふつうの黒いゴリラになって友だちを作りたいと願うスノーはレッドパンダのサムおじさんと一緒に神秘な力を持つ奇跡の魔女を探しに旅立ちますが、ホワイトゴリラを狙う悪党ルークがスノーを狙って追いかけてきます。はたしてスノーは危機を逃れて願いをかなえられるか・・・? この作品は1966年にバルセロナ動物園にいたホワイトゴリラの話が素材。アルビノによる白い毛と白い皮膚、そして青い目を持った白ゴリラは人気を集めたそうですが、同種の動物たちからは実際にいじめにあったりもしたそうです。韓国題は「화이트 고릴라」。日本公開は未定のようです。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ある視線(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・10/24・・・・・・・・・・・・5,508・・・・・・・・・・・・・・・14,960 ・・・・・・・・・108・・・・・・・・・・45
2(2)・・ミスター・ノーバディ ・・・・・・・・・・・・・10/24・・・・・・・・・・・・2,662・・・・・・・・・・・・・・・・8,822・・・・・・・・・・・65・・・・・・・・・・20
3(3)・・ブルー・ジャスミン・・・・・・・・・・・・・・・・9/25・・・・・・・・・・・・1,974・・・・・・・・・・・・・・130,195 ・・・・・・・・・957・・・・・・・・・・・9
4(4)・・ロデンシア:魔法王国の伝説 ・・・・・10/02・・・・・・・・・・・・1,116・・・・・・・・・・・・・・・97,165 ・・・・・・・・・626・・・・・・・・・・・8
5(14)・・ノラ・ノ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/31・・・・・・・・・・・・・・671・・・・・・・・・・・・・・・・1,543 ・・・・・・・・・・11・・・・・・・・・・22

 新登場は5位「ノラ・ノ」だけです。ノラ・ノは今年85歳になる韓国最初のファッションデザイナー。最初のアパレルデザイナーで最初の海外進出デザイナーでもあります。1963年韓国で初めてファッションショーを開催した彼女は今も現役で、デザイナー生活60年になります。ある日訪ねてきたスタイリストとともに、過去の衣装を復元し、自身の人生とその時代をふり返りるという内容のドキュメンタリーです。今年5月ソウル国際女性映画祭でこの作品を観たSARUさんのツイートによると、「韓国女性の普段の服装をチマチョゴリから洋装に変えたこと、韓国女性服の既製服のサイズ(何号とか)を決めて行ったこと、韓国にミニを持ち込んだなどなど、戦後の女性の歴史、それは女性が独立した存在として世に出て生き始めることを服装からもたらした歴史的存在」とのことです。原題は「노라노」です。
 ※<innolife>のノラ・ノさん紹介記事は→コチラ

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2 コメント

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ランドセルを (ハーちゃん)
2013-11-06 00:15:40
しょっている子どもを見ると「大変なんだろうな」って思っちゃいます(^^;)。

イジメもあるし、学生時代の中で一番制約の多い時代だと思って。

大鐘賞ですが、私の大好きなイ・ジョンジェが人気賞ですか! うれしいです(^^)。
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女王(ヨワン) (ヌルボ)
2013-11-06 01:27:43
蓮池薫さんの「半島へ、ふたたび」を読んで、1つ前の記事に書き足しておきました。たしかにとても詳しく書かれていました。教えて下さってありがとうございました。

「ミナ文具店」の中で、女の子が「私は女王(ヨワン)なの」というせりふがありました。「ヨジャ(女子)でワンタ(いじめ)」を受けているということだそうです。
今の日本の小中学生のことはよくわかりませんが、実際のところはどうなんでしょうね?

イ・ジョンジェのファンはたくさんいらっしゃるようですね。
私もいろんな作品で見てきましたが、とくにドラマ「砂時計」が印象に残っています。
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